吸血鬼映画
吸血鬼ﾄﾞﾗｷｭﾗ映画
『 ﾄﾞﾗｷｭﾗ 』 1992米
監督 ﾌﾗﾝｼｽ･F･ｺｯﾎﾟﾗ
出演 ｹﾞｲﾘｰ･ｵｰﾙﾄﾞﾏﾝ ｳｨﾉﾅ･ﾗｲﾀﾞｰ ｷｱﾇ･ﾘｰﾌﾞｽ ｱﾝｿﾆｰ･ﾎﾌﾟｷﾝｽ
15世紀、ﾜﾗｷｱの王ﾄﾞﾗｷｭﾗ伯爵は、ﾄﾙｺ軍との戦いで勝利をおさめるが、最愛の王妃ｴﾘｻﾞﾍﾞｰﾀは、王の戦死の誤報を受けて
城砦から身を投げた。伯爵は怒り狂い、神への永世の復讐を誓う。
1897年、英国の青年弁護士ｼﾞｮﾅｻﾝ･ﾊｰｶｰは、不動産契約のためﾄﾗﾝｼﾙﾊﾞﾆｱの城を訪ねるが、城の主ﾄﾞﾗｷｭﾗ伯爵に監禁される。
一方ﾛﾝﾄﾞﾝでは、ﾊｰｶｰの婚約者ﾐﾅが街中で出会った不思議な男と恋に落ちる。
その男とは、ﾊｰｶｰの持っていた写真からﾐﾅがｴﾘｻﾞﾍﾞｰﾀに生き写しと知り、彼女を求めてﾛﾝﾄﾞﾝにやってきたﾄﾞﾗｷｭﾗ伯爵。
ﾐﾅは、逃亡して無事に帰ったﾊｰｶｰと結婚するが、伯爵への思いを捨てられず、部屋を訪れた伯爵と血を交わしてしまう。
ｳﾞｧﾝ･ﾍﾙｼﾝｸﾞ教授、ﾊｰｶｰら一行はﾄﾞﾗﾝｼﾙﾊﾞﾆｱでﾄﾞﾗｷｭﾗと対決、深手を負った伯爵はﾐﾅに、安らぎを与えてくれ、と乞い、
ﾐﾅは伯爵の首を切り落とす。
監督がｺｯﾎﾟﾗ、豪華な出演者ということで期待して観ましたが、いまいちでした。
衣装は奇抜で豪華、ﾄﾞﾗﾝｼﾙﾊﾞﾆｱの映像も美しく印象的ですが、如何せんｽﾄｰﾘｰが散漫で。
↑のｽﾄｰﾘは我ながら良くまとめて書けてしまいましたが、映画はもっと冗長です。
ﾄﾞﾗｷｭﾗが女性を襲うときなど何も狼のような獣に変身する必要はないでしょう。
美しい姿のままでいてこそ恐ろしく且つもの悲しいのでは、と思いますが。
ﾌﾞﾗﾑ･ｽﾄｰｶｰの原作を忠実に映像化したという触れ込みですから、映画のせいではないのかも知れません。
ｹﾞｲﾘｰ･ｵｰﾙﾄﾞﾏﾝは好きな俳優で、特に少し精神に異常をきたした犯罪者などを演じると背筋が寒くなるほど恐ろしいですが
（ 『 ﾄｩﾙｰ･ﾛﾏﾝｽ 』 とか ）、ﾄﾞﾗｷｭﾗはちょっと外れだったような。
あのつるりとした顔からはいまひとつ、ﾄﾞﾗｷｭﾗの悲しみが迫ってきませんでした。
ｳｨﾉﾅ･ﾗｲﾀﾞｰとｷｱﾇ･ﾘｰﾌﾞｽはとっても美しかったです。
『 ﾉｽﾌｪﾗﾄｩ 』 1978西独・仏
監督 ｳﾞｪﾙﾅｰ･ﾍﾙﾂｫｰｸ
出演 ｸﾗｳｽ･ｷﾝｽｷｰ ｲｻﾞﾍﾞﾙ･ｱｼﾞｬｰﾆ ﾌﾞﾙｰﾉ･ｶﾞﾝﾂ
中世ﾄﾞｲﾂ、青年不動産業者ｼﾞｮﾅｻﾝ･ﾊｰｶｰは、契約のためﾄﾗﾝｼﾙﾊﾞﾆｱの伯爵の城を訪ねる。
城主ﾄﾞﾗｷｭﾗ伯爵はﾊｰｶｰの妻ﾙｰｼｰの写真を見て魅了され、取り憑かれる。ﾊｰｶｰは襲われ、血を吸われる。
伯爵は棺に鼠を詰め込み自分もそこに横たわって帆船に積みこませ、黒海に乗り出す。
帆船では鼠がびこり船員らは全員疫病で死に絶え、漂着した町でもﾍﾟｽﾄが広まり人々が死んでゆく。
ﾊｰｶｰもﾌﾞﾚｰﾒﾝに戻るがすでに正気を失っている。
ﾊｰｶｰの日記でﾄﾞﾗｷｭﾗの存在を知ったﾙｰｼｰは、本でﾄﾞﾗｷｭﾗを滅ぼす方法を学ぶ。
ﾄﾞﾗｷｭﾗは十字架を恐れ、聖餅をきらい、朝淑女が鶏鳴を聞くまでﾍﾞｯﾄﾞに引き留めて朝日を浴びせると死ぬという。
ﾙｰｼｰはﾄﾞﾗｷｭﾗを倒すべく寝室に迎える。ﾍﾞｯﾄﾞの中で必死に朝を待ち、やがて、鶏の鳴く声がするとﾄﾞﾗｷｭﾗは朝日を浴びて死ぬ。
しかしその時、ﾊｰｶｰが新しいﾄﾞﾗｷｭﾗとなって甦る。
上記、ｺｯﾎﾟﾗの 『 ﾄﾞﾗｷｭﾗ 』 と同様、ﾌﾞﾗﾑ･ｽﾄｰｶｰの原作の映画化です。しかし、こちらは私の中では、傑作中の傑作です。
とにかくｷﾝｽｷｰが恐くて、悲しくて、滑稽で、哀れで。ｱｼﾞｬｰﾆの美しさも、ｳｨﾉﾅ･ﾗｲﾀﾞｰよりはるかに上。
白黒映画なので、その恐さや美しさが際立ちます。
ｺｯﾎﾟﾗのは恐怖の小道具が、動物園から脱走した狼や狼人間？だったりするのですが、こちらは鼠と疫病ですから、
その暗さと恐さったらありません。ﾍﾙﾂｫｰｸとｷﾝｽｷｰのｺﾝﾋﾞ作品はどれも傑作ですが、これもその一品。必見です。
『 ﾊﾝｶﾞｰ 』 1983英
監督 ﾄﾆｰ･ｽｺｯﾄ
出演 ｶﾄﾘｰﾇ･ﾄﾞﾇｰｳﾞ ﾃﾞｳﾞｨｯﾄﾞ･ﾎﾞｳｲ ｽｰｻﾞﾝ･ｻﾗﾝﾄﾞﾝ
現代ﾆｭｰﾖｰｸ。黒衣の美しいｶｯﾌﾟﾙ、ﾐﾘｱﾑとｼﾞｮﾝは夜毎若者をおびき寄せては殺し、血を吸って生きている。
ﾐﾘｱﾑは数千年前から生き続ける吸血鬼で、ｼｮﾝは18世紀ﾛﾝﾄﾞﾝで出会い、不死を約束され恋人となって共に生き永らえている。
しかし突然ｼﾞｮﾝがどんどん老化し始める。不死の約束は嘘で、恋人の命は200年が限界と知り ･･･
お勧めと言っておいて何ですが、ｽﾄｰﾘｰはあまり覚えていないんです。
ただ、ﾄﾞﾇｰｳﾞとﾎﾞｳｲがあまりに美しいのと、ﾐﾘｱﾑの棲むﾆｭｰﾖｰｸの古めかしいｱﾊﾟｰﾄがとても素敵なのが非常に印象深いのです。
また、ﾄﾞﾇｰｳﾞが老いて死んでいく恋人に向ける冷たい視線と、見捨てられるﾎﾞｳｲの悲しさだけが、妙に心に残っています。
『 ｼｬﾄﾞｳ･ｵﾌﾞ･ﾊﾞﾝﾊﾟｲｱ 』 2000米
監督 E･ｴﾘｱｽ･ﾏｰﾊｲｼﾞ
製作 ﾆｺﾗｽ･ｹｲｼﾞ
出演 ｼﾞｮﾝ･ﾏﾙｺｳﾞｨｯﾁ ｳｨﾚﾑ･ﾃﾞﾌｫｰ ｷｬｻﾘﾝ･ﾏｺｰﾏｯｸ
1922年、ﾄﾞｲﾂ。映画 『 吸血鬼 ﾉｽﾌｪﾗﾄｩ 』 の撮影準備を進める F.W.ﾑﾙﾅｳ監督は主役のﾉｽﾌｪﾗﾄｩのｲﾒｰｲにぴったりの役者として、
奇怪な容姿の男ﾏｯｸｽ･ｼｭﾚｯｸを探し出す。
しかしｼｭﾚｯｸは、400年間人間の血を吸いながら生き長らえている本物の吸血鬼だった。
ﾑﾙﾅｳはそれを知っても気にせず、ｸﾗﾝｸｱｯﾌﾟ後には、ｼｭﾚｯｸがｷﾞｬﾗとして要求する主演女優の血を提供する約束をし、撮影が
ｽﾀｰﾄする ･････。
上記 『 ﾉｽﾌｪﾗﾄｩ 』 は、この1922年ﾑﾙﾅｳ監督で製作されたもののﾘﾒｲｸです。
つまり、この劇中劇 『 吸血鬼ﾉｽﾌｪﾗﾄｩ 』 とﾑﾙﾅｳは実在のもので、その撮影はこんな風だったのかも ････ という設定なわけです。
ﾏﾙｺｳﾞｨｯﾁとﾃﾞﾌｫｰという超個性的怪優ふたり。聞いただけではどっちが吸血鬼か分かりません。
ﾃﾞﾌｫｰが吸血鬼ですが、ﾏﾙｺｳﾞｨｯﾁも恐いんです。これも悲しみと滑稽さとが綯い交ぜになった、何故か心に残る作品です。
『 ｲﾝﾀｳﾞｭｰ･ｳｨｽﾞ･ﾊﾞﾝﾊﾟｲｱ 』 1994米
監督 ﾆｰﾙ･ｼﾞｮｰﾀﾞﾝ
原作 ｱﾝ･ﾗｲｽ
出演 ﾄﾑ･ｸﾙｰｽﾞ ﾌﾞﾗｯﾄﾞ･ﾋﾟｯﾄ ｱﾝﾄﾆｵ･ﾊﾞﾝﾃﾞﾗｽ ｸﾘｽﾁｬﾝ･ｽﾚｰﾀｰ ｷﾙｽﾃｨﾝ･ﾀﾞﾝｽﾄ
現代ｻﾝﾌﾗﾝｼｽｺ。若く野心的な記者ｸﾘｽは、美青年ﾙｲにｲﾝﾀｳﾞｭｰし、彼の18世紀からの物語を聞くこととなる。物語は ････
18世紀末米ﾆｭｰｵﾘﾝｽﾞ。美貌の吸血鬼ﾚｽﾀﾄは繊細な心を持つﾙｲに興味を覚え、永遠の命を共にする伴侶として選ぶ。
ﾙｲは他人の命を奪って生きることに悩むが、ﾙｲの伴侶として与えられた少女ｸﾛｰﾃﾞｨｱは吸血鬼であることに馴染み、嬉々として
人間の血を吸う。
しかし、心は成長しても体は子供のままという悲しみといらだちからﾚｽﾀﾄを恨み、殺す。
そのｸﾛｰﾃﾞｨｱもﾖｰﾛｯﾊﾟで他の吸血鬼に殺され、以後ﾙｲだけがｱﾒﾘｶでひっそり暮らしている。
この物話を聞いたｸﾘｽは自分を吸血鬼として永遠の命を与えて欲しいと請うが ・・・・
TVでも放送したから、紹介するまでもありませんね。
公開当時、ﾄﾑ･ｸﾙｰｽﾞが吸血鬼って酷いﾐｽﾏｯﾁ、との評が多かったけれど、ｸﾙｰｽﾞと思わなければそれなり綺麗だったのでは。
ﾌﾞﾗﾋﾟは完璧、ｽﾚｰﾀｰはちょっと厭らしい感じがぴったり。
まだ幼いｷﾙｽﾃｨﾝ演じる、大人にならないｸﾛｰﾃﾞｨｱが一番恐いです。
『 ｸﾛｺﾀﾞｲﾙの涙 』 1998米
監督 ﾚｵﾝ･ﾎﾟｰﾁ
出演 ｼﾞｭｰﾄﾞ･ﾛｳ
美貌の青年医師ｽﾃｨｰｳﾞﾝは生きるために、愛してくれる女性の血を吸わねばならない吸血鬼。
女性を誘惑しては殺して血を吸っていたが、警察は彼の恋人たちが次々と不慮の死を遂げることから疑いを抱いている。
ｽﾃｨｰｳﾞﾝは新たな獲物としてｱﾝに狙いを定めるが、いつしか本気でｱﾝを愛してしまい、彼女の血を吸うことができない。
ｱﾝはｽﾃｨｰｳﾞﾝの正体を知りつつ受け入れるが ･････。
ｸﾛｺﾀﾞｲﾙの涙とは、嘘涙、嘘泣きのこと。
ｼﾞｭｰﾄﾞ･ﾛｳの白々しく装った誠実さと、残酷さと、超人ぶりが、ちょっと笑えてしまうけど、それでもとにかく美しいから、それだけで
観る価値はあります。
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