楽しきかな楽天生活

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2009年05月06日
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カテゴリ: こんなん行った


前から気になっていた哲学堂公園へ行ってみました。

中野駅からバスで10分ほど。
野球場とテニスコートがあるくらいのことは知っていたのですが、
中に入るのは初めて。

元々ここは、東洋大学の前身となった哲学館大学を記念して
「四聖堂」をこの地に建設したことが始まりとか。

「四聖堂」は、孔子・釈迦・カント・ソクラテスを祀り、
「哲学堂」とも称したことが現在の『哲学堂』の始まりらしいです。

この地は精神修養の場として創立された、
哲学世界を視覚的に表現し、
哲学や社会教育の場として整備された
全国に例を見ない個性的な公園です。
(以上、 哲学堂公園・沿革から引用

なんのこっちゃ(笑)なのですが、
ようするに、ここで
「み~んな悩んで大きくなったぁ」ってこと?(をい)

哲学を語るための場所、哲学を考えるための場所、
オノレの精神修行の場所、ってことでいいのかな?

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哲学堂公園の入り口


入ってみると、かなり緑が多い公園でした。
この門を入ってすぐのところに売店があり、
お菓子やジュースなどを売っているようです。
売店前のベンチでは愛犬家の皆さんが集っているところでした。

私がめざしている古建築の一画は、
テニスコートの前からどうやら入るようです。

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哲理門正面

この門が実に不気味で。
向かって右には 「天狗」が、左には「幽霊」がいる んですの。
普通ここには金剛力士像とかいるところじゃないですか。
もともと、幽霊博士と呼ばれていた井上円了先生らしいチョイスです。

rakuten090504-03.jpg
門裏面

まず入ると、ぐるりと楕円を描いて、
古い建物が建っているのが目に入ります。
しかも、どれも古いってだけじゃなくて、個性的。
それも、超が付くほど個性的です。

その筆頭がコレ

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三学亭

三学というよりは、「三角」なのだけど。
三角柱状の建物です。

rakuten090504-05.jpg
もちろん土台も三角です

日本の古来からの学問の神学と外来の儒学・仏教学を
「平田篤胤」「林羅山」「釈凝然」の名を持って祀っている建物。
日本人っぽ~くて好きです>なんでも来い!状態が。

その三角亭(三学亭だよ)を降りると、
またそこにも個性的な建物が…。

rakuten090504-06.jpg
宇宙館

哲学と宇宙か。大きく出たな。
てか、哲学は、宇宙における真理を追究する学問であるから、
この名がつけられたんだとか。

しかし、それはさておき、この構造はいびつだ~。
四角い建物の入り口が、対角線上についているのです。

しかも、その異様さは中に入っても続きます。
内部も正バイヤスに、畳敷きの一室が設けられ、
哲学の講義室として使われていたとのこと。
現在は、その場に聖徳太子立像がおかれています。
慣れ親しんだ顔の聖徳太子ではないので、
ちょっと異様さも倍増ですけどね。

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奥には聖徳太子像が鎮座

その隣りには、図書館というべき建物が。

rakuten090504-08.jpg
絶対城

勉強するなら、ありとあらゆる本を読みつくせ!
とばかりに「絶対城」と名づけられたらしい。
現在は蔵書は陳列されておらず、その時の書架が
ひとところにまとめられて置かれているだけ。

rakuten090504-09.jpg
図書館一階奥

一階が本棚(書架)で、二階が閲覧室だったらしい。
なんか、木造建築の古民家の二階に上るのって、
なんだかワクワクするのは私だけ?

二階はU字状に床が張ってあって、
両サイドに畳敷きの場所が設けてあって、
そこで本を読んでいたらしい。

しかも、時代が時代ゆえに、こんなものもあったらしい。

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二階婦人閲覧室

男女七歳にして席を同じくせず、ってことか?
哲学をやろうなんて人間がどの程度いたか判らんけど、
女性で哲学をやろうなんて思った人は少なかっただろうな。

絶対城から時計回りで、次はいよいよ哲学堂、そのものへ。

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四聖堂(哲学堂)

哲学堂の始まりは、ここから。
ここは東洋哲学の孔子と釈迦、
西洋哲学のソクラテスとカントの
「四聖」を祀るお堂。

天井には、その四人を現す揮毫が掲げられていました。
rakuten090504-12.jpg
「聖瑣」(ソクラテス)と「聖孔」(孔子)

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「聖釈」(釈迦)と「聖韓」(カント)

この四面はどこから見ても、どの面も正面なんだそうで(^^)
そういう考え方らしいです(笑)
しかし、聖孔・聖釈は判るけど、カントは笑ったなあ(当て字だもん)

上を見ると額がおまつりされているだけですが、
机上には釈迦涅槃像が横たわっておられます。

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釈迦涅槃像

はてさて、四名サマのお堂なのに、
釈迦像だけが偶像として置かれているのはこれいかに?
(よくわからんかった)

次なる目的地は、ひときわ目を引く、この塔。

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六賢台

聖徳太子、菅原道真、中国の荘子、朱子、インドの龍樹、迦毘羅
の東洋の六人賢人がお祀りされてる塔らしい。

前の四人はかろうじて知っているけど、
リュージュとカビラって誰?(をい)

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階段で三階まで上ります

てっぺんの六角の部分に、この六賢人の肖像画が
掲げられていたんだそうだけど、今ではその額は
お向かいの収蔵庫に置かれているとのこと。

階段を登ってくる間のまわりの空間にも、
ガラスがはられたケースがあったけど、
そこにも以前は収蔵品が陳列されていたらしい。

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ここも収蔵品が納められていたんだとか

次は、古民家風のごくフツーの建物。
しかし、名称がスゴイ。

髑髏庵と鬼神窟、ですよ。
おどろおどろしいじゃありませんか。

しかしこの民家は、集会場として利用可なのだとか。
訪問した日は、「予約が入っています。立ち入り禁止」
との掲示板が出ていました。
(どんな行事をやっていたんだろう。気になる)

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一見すると普通の家


しかし、二棟の建物は、渡り廊下で斜めにくっついているのでした。
そう、さっきの宇宙館の玄関のように。

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向かって左が髑髏庵、右が鬼神窟

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古民家風ですが、中身はくせもの(これは鬼神窟)

髑髏庵は休憩所として、
鬼神窟は迎賓室として用いられているようですが、
なんか趣味の集会とかしたらバチがアタリそうだ。

そして、六賢台の向かいの収蔵庫へ。

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無尽蔵

無尽蔵ですかそうですか。
井上博士が各地で蒐集した珍しいものを陳列していた蔵。
天理参考館、みたいなものですかね。

これで、ぐるっと一周は完了です。
ちいさい公園だからとなめてかかっていましたが、
小一時間ほどは散策したでしょうか。

また、この裏手にも武蔵野の自然残る起伏に富んだ土地があり、
木や草花、梅林や桜公園などもあり、
まだまだ歩くところはたくさんあります。
一日中は無理でも、半日はつぶせるくらいの運動量です。

今回見学した古建築たちは、春と秋の二期間のみの開放です。
次回は秋ですね。
紅葉の頃にまた再来したいと思います。

<おまけ>

この哲学堂を建立した井上円了先生のお墓は、
すぐ近くの蓮華寺にあります。

自分の遺言で、ここに、こんな墓を作れとのことだったようですが。

rakuten090504-22.jpg
井上円了先生のお墓

うーん。見た瞬間うなってしまいました。
「井」の上に「○」が置いてあるって…おやじギャグ?(失礼)

そう思うと、実におちゃめなオジサマだったのかな~なんて。
ちょっと親しみもわきました。

そして、お寺からほど近い場所にはこんなものも。

rakuten090504-23.jpg
ニコライ堂かと思ったら

rakuten090504-24.jpg
配水塔跡でした

関東大震災後に作られた大正期の建物ですね。
東京はこういう歴史的建造物が多いのが好きです。

rakuten090504-25.jpg
なんか異国情緒…(しかし電線多すぎ)

まさにぶらり途中下車の旅みたいに、
のんびりのんびりした散策でした。






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Last updated  2009年05月06日 23時46分22秒 コメントを書く


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名無し@ Re:マレブル旅行記★その6(ブルネイ入国の巻)(01/20) ランクルじゃなくてパジェロですね。 グリルに…
カルホ @ Re:クアラルンプール空港!(01/24) ソムリエA(笑)さん ほら、KLIAはなんか…
ソムリエA(笑)@ クアラルンプール空港! ねえねえ、クアラルンプール空港、最近ど…
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