日々のあぶく?

日々のあぶく?

March 23, 2005
XML
カテゴリ: 映画
横山秀夫の同名小説の映画化。


アルツハイマー病にかかった妻に頼まれ、彼女を殺したと出頭してきた梶は刑事だった。
嘱託殺人として、動機など全て完落ちしたかにみえたが、
彼は自分が出頭するまでの空白の2日間に関しては黙秘、半落ちだった。
警察の威信、隠蔽、捏造、検察の根回し、弱み、判事の公正性、
弁護士の欲、マスコミの熱、いろいろな思惑が絡み合う。

この原作は未読だが、横山秀夫の影の季節などの警察内部を舞台にした小説は秀逸。
警察と言う大企業の中のサラリーマン的人々を描いている。

その機能の内部には闇も含めている。
警察はサラリーマン、という面をコミカルに描いたのが踊る大捜査線だとすれば、
シビアに描いたのが彼の作品ではないだろうか?

この話も殺人事件を表とすれば、威信、信頼大事の警察と検事の腹の探りあいや裏取引、
それぞれの過去や家庭の事情なども絡み合う。
周りが蠢く中、中心にいるべき梶は穏やかに静かにたたずむ。
梶役の寺尾さんは台詞は少ないが、言葉以上に語れる穏やかな表情、穏やか光線フルスロットル!
卑怯な技である。彼の穏やか光線に触れると、なんだか切ない気持ちにさせられる。
いやぁ、表現力のなせる業、まんまとはまってしまったと言うことなのだが。

物語は静かに、しかし、それぞれに深く食い込みながら真相に迫る。
淡々としている映画なのだが、考えさせられる。


判事(役・吉岡秀隆)の出した刑は梶を裁くためだけでなく、
そうする事で彼を生かそうとした判決だと思うのだが、どうだろう?
原作ではどう描かれていたのか気になる。
今度図書館に行って探してみよう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  March 24, 2005 12:59:57 PM
[映画] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: