日々のあぶく?

日々のあぶく?

August 7, 2005
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Elfking(原題)

上は”復讐のちかい”、”下は裏切りの剣”、という副題付き。

叫び石の戦いに勝利し、彼の力を認め、臣下となった叔父・アセルリックを従え、王となったエルフギフト。
しかし、戦いの最中、傷つけたウルフウィアードを助けるため、
彼は愛するワルキューレ(女戦士)ヤルンセアクサの愛を失い、オーディンの庇護を失う事になる。
一方、エルフギフトに敗れた異母兄アンウィンは他国(キリスト教国ウェールズ)の兵を借り、王位を奪おうと攻めてくる。
キリスト教徒でありながら、受けた仕打ちを許す事が出来ず、
多神教の刑「血染めのワシの刑」にしようと決意するアンウィン。


また、父の帰還を待ちわびながらエルフギフトを憎むアンウィンの息子・ゴッドウィンの姿もあった。
また、受け入れられなかった事でエルフギフトに愛憎を抱くエバは狂女を演じながら、隻眼の竪琴弾き・ウドゥと行動を共にする。

ユルの祭りの夜、最後の審判が下る。


児童書であるが、しっかりした描き方で読み応えあり。
この物語の舞台はブリテン島(現在のイギリス)イングランド南部・ゲルマン人の一派サクソン人の王国と設定されている。
北西には、キリスト教を信じる、ケルト人の一派ウェールズ人の土地があり、
北欧から各地に、ゲルマン系のデーン人も流入してきている。
元々、サクソン・デーン人、ゲルマン人が信仰していたのはオーディン、トール、フレイヤ、チュール、などをはじめとする多神教であった。
オーディン~らは北欧神話と同じ。
だが、北欧神話でフレイヤの夫はオーディンではなかったので細かいところは違うのだろう。
多神教で同じく信仰されるエイオストレ、イングは地方神であるらしい。


最後の結末はなかなか考えさせられる。
何をして勝者とするか。

描かれてないのだが、その後のイギリスはキリスト教国になるも、カソリックとプロテスタントの戦いが激化する。
宗教戦争の絶えないイメージがある。





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Last updated  August 14, 2005 10:58:15 AM


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