日々のあぶく?

日々のあぶく?

December 21, 2005
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小泉今日子主演で映画化されたはず。


ダンチに住む京橋家とその周りの人々の視点で構成された短編集。

ラブリー・ホーム・
隠し事はなし、という(主に母)親の方針から家族間の情報は赤裸々に語られる。
かくいうあたし・マナはラブホテルで仕込まれた子供らしい。
そのラブホが気になって彼とともに行ってみることに。
その後、母親の素振りも気になって尾行する。

チョロQ・

家族は愛しているが仕事は転々としている。
ふらふらいつも逃げたいと思っている僕。
何故だか分からないがミーナ(北原三奈)が息子・コウの家庭教師として家に現れた。

空中庭園・
いつでも殺してやりたいほど憎んでいる母を反面教師に私・絵里子は理想の家庭を手に入れた。
隠し事のない家族、母親としていつでもお帰りと言えるように心がける私。
でも、誰も知らない、私が引きこもっていた頃のこと、計画的に妊娠して結婚にこぎつけたこと、未だに母を憎んでいること…。

キルト・
アタシはそんなに好かれる人間じゃないことも分かっている。
忙しさにかまけて子供たちにはさみしい思いをさせた。
でも、今では娘・絵里子との関係も良好になってきた。

原因を知りたくてついていったところは連れ込み宿(ラブホ)で、そこにはコウの家庭教師の女がいた。

鍵つきドア・
父親が最期の電話をかけてきたとき、あたしは当時の彼と一緒にいて、無視した。
そのことが、最期まで父が隠し通した愛人からも、母親からも恨まれる羽目になるとは。
だから結婚はしない、家族は持たない。

そうなってのぞいた彼の家庭は学芸会のようだった、(人の心の)鍵は身内の侵入を防ぐためにあるのだ―

光の、闇の・
お互い学校では浮いた存在のぼく・コウとミソノ。
前世がわかると言うミソノによるとぼくは前世のツケを払うため、迷惑をかけられる番なのだそうだ。
これ以上目立たないように彼女との会合は人目を避けている。
だから、自分を付けてきた女性・北原先生にはすぐ気がついた。
なにかしら父と関係があるだろうことも。
北原先生と友達になり、興味がある建築や家の事の話を聞いてもらう。

何が解決されるでもない、すれ違う人の心をありのままに描いたと言った感じの小説。
解決される訳ではないからマナの彼や飯島女史のその後は描かれず、彼らは(物語から)ふっつり姿を消す。
視点が変わるといかにすれ違っているかが分かる。
家族だと言っても考え方、思考、生き方、いろいろ違う。
だからこそ一緒にいられるし、だからと言って全てが分かる訳ではない。
「隠し事をしない」はずが、そのルールが隠蓑になっていると言うのは絶妙の設定だった。





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Last updated  December 21, 2005 10:21:45 PM


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