日々のあぶく?

日々のあぶく?

March 22, 2006
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短編集。

看守眼・
R県警本部、教養課、定年退職する久保田安江の跡を引き継いだ山名悦子は県警の機関誌「R警人二月号」の編集に追われていた。
退職予定者で一人だけ回想手記を書いてない近藤からの原稿を奪取する為、悦子は彼の家へ。
刑事を志しながらも看守で終わった彼は退職を間近にして、死体なき殺人という未解決事件を独自に捜査しているという。

刑事にコンプレックスを抱く事務職の悦子。
自分の推理を確かめたいと根気良く張り込む近藤。
そのままでは決して出会うことのなかった点が交差する。
近藤にスポットを当てた話をもう何篇か読みたくなる。


「執筆集団T・I・N」に来た自伝のゴーストライター依頼。
兵藤電気のワンマン会長・兵藤興三郎、依頼を受けるにはまず面接に通らねばならないという。
仲間の磯部、奈緒美は玉砕し、最後に只野の元に転がり込む。
母親に捨てられたことなども正直に告白し、自伝執筆のためのインタビューにこぎつけるが、
話を聞くうちに母と兵藤に繋がる線があるような気がして?

最後まで試されていた只野という構図がなんともいえない。

口癖・
自律神経失調症の夫の代わりに家裁の家事調停委員として働く関根ゆり江は59歳。
妻の申し立てた離婚調停を受け持つことに。
担当することになった菊田好美はゆり江の娘・奈津子が高校時代、登校拒否になったのに関わりがあったような疑惑があった。
そこには触れたがらない娘、勝手な好美、彼女達の態度を見ているうちに気付いたことは―


県警のHPを立ち上げた警務部の立原義之は貧しさの中、新聞配達をしていた頃の癖で決まって午前三時に目を覚ましていた。
HPに侵入したクラッカーの正体は誰か?
保身のあまり、自身の地位を危うくする立原。

静かな家・
県民新報の整理部に配属された高梨は外勤時代と勝手の違う仕事に戸惑いがちだ。

お詫びに言った相手がその後殺されて―

記事を書くだけではなく、それを規定の枠内に収める。
新聞にもいろいろな部署、仕事がある。さすが元新聞記者の小説、リアリティがある。
ギリギリの手直し、スポンサーへの気遣いなど面倒くさいこと山ほどあったんだろうな―…

秘書課の男・
知事の秘書、倉内は知事あての手紙を選別し、彼へ陳情へ来る支持者の門番にもなっている。
だが、オヤジ(知事)が急に冷たくなった。
若手で有望下部の新入り秘書・桂木の妨害か?
借金を頼みに来た支持者をすげなく追い返したことが親父に漏れたのか?

"同じ思いをしなければ分からない"
頼みにくるものすべてを受け入れることは出来ない。
では、どこで、だれが線を引くのか。ちょっと考えさせられた。





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Last updated  March 22, 2006 10:47:05 PM


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