自宅警備中に感じる諸々のこと。

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2003.08.18
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と言うわけで、行ってきましたクリムト展!!
クリムトと言えば、有名な「接吻」などで知られる画家。

「一番好きな画家は?」と聞かれれば、少しためらって私は彼の名前を挙げるだろう。私の中では「誰が一番なのか」ということはどうでもいいこと。クリムトにはダ・ヴィンチやラフェエロには表現出来ないスタイルがあるから(あえて比較の対象にするのもナンセンスなのだが)。
彼の絵にはしっかりとした描写力と観察力、そして其れを彼なりの様式へと昇華させる力があった。其れが私の心を16年以上も捉えている理由だ。

エロスとタナトスの画家。彼はしばしばこう呼ばれる。
彼の絵の中には、肌も露な美女が恍惚の表情を浮かべている。
あるものは男の接吻を受けて。
あるものは敵将の生首を携えて。
性の恍惚の向こう側には、暗い淵がある。其れは高みから一気に突き落とされ、地底に打ち付けられ、苦痛のうちに現実感覚を呼び覚まされる感覚であろうか。人は其処に一種の虚無を見る。


恋人の抱擁と接吻を受けて恍惚の表情を浮かべる女の足元を。
足元の地面を覆う花は、彼女の足元で消えている。つまり、彼女達が居るのは崖。
今ある抱擁と恍惚は、彼女が目を開けた途端に崩れてしまいそうにも思える。古来から永遠を象徴する金色の輝きに包まれて、永遠に続くと思える愛の愉悦も、また儚いのだろうか・・・。

(ネタバレあり?これから鑑賞に行かれる方は要注意)

図録で確認する限り120点程で、点数としてはとても多いというわけではないけれど、彼の作品の中でもかなり有名なものが多い事がマニアにはたまらない。
「黄金様式」の傑作の1つともいえる「ユディットⅠ」や同じく金彩を施され、彼の方向性を決定づけた「ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)」「パラス・アテナ」。そして彼が生涯親密な関係を持ちつづけたという女性を描いた「エミーリエ・フレーゲの肖像」。

そして彼の製作過程を垣間見せるデッサンの数々。
彼が生涯に描いた素描は2000とも4000とも言われていて、それだけの枚数があるのは、彼のアトリエに「裸になってポーズをとるモデル達が数人常駐していた」ことにもよる。
そんなモデルをゴロゴロさせていた所為か、彼が亡くなった時には彼の子を自称する者が14人も現れたというのだから、作品の製作がてら別の「セイサク」(自由に漢字を当てはめてクダサイ。。)も手は抜かなかったのであろう。

そして圧巻は延べ35mの壁面に実物大に再現された「ベートーベン・フリーズ」。ベートーベンの「第9交響曲」へのオマージュとして描かれた壁画である。オリジナルは1902年の「第14回分離派展」の為に製作され、会場に据えられたベートーベンの肖像を中心に据え、クリムトの他に20名程の芸術家が出展した。出展した作品は全てがベートーベンへのオマージュであり、展示の為だけに製作されたもの故に、取り壊される運命にあった。
が、この作品は様々な経緯を経て現代に生き続け、「苦悩を突き抜け歓喜に至れ」というベートーベンの生涯のテーマを、シラーの詩の世界を歌いつづけている。


私がこの壁面に通りかかった時、丁度第4楽章が流れて・・・結局第4楽章が終わるまで「フリーズ」から離れられなかった;

あとは、クリムトとエミーリエの写真や遺品。
エミーリエはブティックの経営者だった。彼女はデザイナーであり、経営者であり、そして店の商品を紹介するモデルだった。
そして、クリムトの一番親密な女性。結婚する事は無かったが、生涯関係をもち、クリムトを看取ることになる。
そんな彼女の衣類を見ていると、現代でも充分イケそうなものもあった。

今回、この作品に逢えるとは思ってなかったので、かなり興奮。
「ヌーダ・ヴェリタス」も会場の終盤を美しく飾ってくれたので印象的だった。(どちらも壁一枚占拠という贅沢なセッティング!特に「ヌーダ・ヴェリタス」に至っては、背景が真紅で金彩がとても映える)

他に分離派の画家やクリムトが影響されたと言う画家の作品も何点か展示。ココシュカの真筆を始めて拝めた(南無~)。

2年前に島根に分離派展が来たとき以上のスケール。
同じ作品に再会できる喜びもさることながら、図録でしか見たことの無い作品に出会えるのは、やはり感動。
道に迷いつつ、他の美術館の駐車場係のオジサンに地図を頂いて行った甲斐はありました(実は美術館の建物が新しすぎて、ナビが探せなかった)。
私が帰途につく頃には、駐車場の空きを待つ車が建物の周りを取り巻いててビックリ(私が来たときはスムーズに入れたのに;)。

なーんか、私がレポやると、説明口調に偏って、展示や作品の「良さ」そのものが伝わりにくいのが残念。。(つか、文章力に問題ありかぁ??)





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最終更新日  2003.08.25 23:30:00


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