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病院の打ち出した出産予定日が2月5日。産婦人科の先生の打ち出した予定日が2月8日。結局、どちらの予定日も少し過ぎて、2月9日に無事出産しました。8日の夜に母が日本からやって来て、それを待っていましたとばかりに、夜中に陣痛らしきものが不規則に来るようになり、朝5時くらいに20分間隔の定期的な陣痛だと気づき、7時くらいに病院へ。午後3時半に人工的に破水させて、4時ごろ分娩準備室へ移り、2時間くらいいきみ、それから分娩室に歩いて移動(こういう場合、普通運んでくれるものなんだと思っていたのに・・・)、7時10分に2900gの男児を出産。なかなか出てこないからおかしいと助産婦さんが言っていたのだけど、どうやら中にいた子供が手を額に当てていたため、腕が引っかかって出てこなかったみたい。こんなこともあるものなんだ・・・。そういえば、28週くらいにエコー検査で胎児を見たとき、同じポーズを取っていて、産婦人科の先生に「何てポーズとってるんだ、この子は?」って言われた覚えが・・・。生まれる前からポーズを取ってるだなんて・・・。また、時間のある時に、おいおい、出産の時のことを書いていきたいと思います。今日はとりあえず、遅れ馳せながらのご報告まで。
Feb 25, 2003
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こんな癖って嫌・・・日本人には日本人特有の癖があるように、イタリア人の癖っていうものがある。・・・日本人の癖って何だろう? 例えば、何かと頭を下げてしまうとか? これは癖というか、習慣だな。イタリア人の癖で、見ていて嫌な癖がある。男の人が自分のタマを触るんだよね、人前で。まるでお尻でも掻くみたいに平気な顔してさ。もちろん人にもよるのだけど、そうする人が日本人に比べてかなり多い。日本人て人前で思いっきり前に手をかざして、タマを持ち上げたりとか、掻いたりとか、あんまりしないでしょう?そういえば、ずっと前に、タイトルは忘れたけどエディ・マーフィーのビデオを観たとき、彼が何かと自分のタマを触るイタリア人の真似をしていた。その通りで、人と喋っている間でも、実際に掻いてる人がいる。そんな光景を見せられても・・・、ちょっと嫌じゃないか? イタリア語では、「タマを掻く」=「何もしない」「楽をする」というような意味合いが。それから、「タマに触る」=「不幸避け」の意味合いが。つまり、霊柩車が通ったら、タマを触っておく。こういう意味から、イタリア人がこうもタマに何気なく触るようになってしまったんだろうか?2003/02/07 16:39:44目の保養家が欲しい。今住んでいる家は借家。これが、90年前の建物で、古い。天井が高すぎたり、壁が古すぎたり、いろいろ不便。不便さを感じるとき、もし自分の家だったら、改造したり、新しくしたりできるけど、借家だからどうしようもない。それでも、やっぱり住みやすいようにいろいろ仕事してしまう。やっぱりいつかは出て行く家だし、馬鹿らしいなとは思うのだけど。それに、やっぱり、早いうちに月々の家賃をローンとして払って行って、最後には家という財産が手元に残るという方が良いし。この家は、1912年に建てられたらしい。第二次世界大戦に思いっきり耐えてきたんだなぁ・・・なんて、しみじみ。まだ白黒の写真時代に撮られたこの町の様子を見ると、しっかりあるんだ、うちが。歴史を感じてしまう。歴史といえば、私が前に他の街で住んでいたアパートは、それこそ中世の建物。600年くらい前からあったんだって大家さんが言っていた。レンガがまだない時代だったから、石で作られていたっけ。私たちの別荘も石造り。でも、こちらは1916年築。イタリアの家って、長持ちするよな。90年も凄いけど、600年って物凄い。そうなるともう耐用年数なんてとっくに越えてるんじゃないか? 帳簿上の減価償却とかってどうなっているんだろう? ・・・と、何か関係ないことを考えてしまった。耐用年数はどうでもいいんだけど、家が欲しくて、最近、せっせと住宅冊子をチェックしたり、不動産屋を廻っている。お金はまだ充分じゃないのだけど。最初は今住んでいる街に家を買おう、ということだったのだけど、最近、この街、住宅の値段が上がってきて、とてもではないけど手が出そうにないような気がしてきた。なので、最近、近辺の更に田舎(今も充分田舎)へ行こうかということになっている。更に田舎に行けば、自分の庭のある家もそれだけ見つかりやすいし。田舎なもので、できれば、マンションのようにひとつの建物の中で他人と生活することは避けたいし。大きな街ならあんまり他人に関与する人はあまりいないけど、田舎の人たちは暇なものだから近所の人にことごとく関与したがる。・・・とここまでは、実は余談。本題はこれから。目星を付けた街でいちばん大きい不動産屋へ行ってみた。張り出してある広告を眺める。広告の山の向こう、ものすっごいカッコイイ男の子発見(笑)。私はあんまり男の子を見て「カッコイイ」って言わない方。芸能人の顔だけ見ても、別に、カッコイイとは思ったりしない。ジャニーズ系の人、好きになったことも全然ない。バックストリートがカッコイイとも、別に思わない。ブラッド・ピットがカッコイイとも、別に思わない。強いて言えば、『デスペラード』のバンデラス、あれはカッコよかった。ものすっごいカッコイイ男の子は、つまり、不動産屋。物凄い整った濃い顔。物凄く好みかもしれない。ついじっと観てしまう。大きな腹して、夫連れて、恥ずかしい女だわ、私も。あちらもあちらで、私たちをジロジロ観ている。これはもうすっかり慣れた。珍しい東洋人とイタリア人のカップルの宿命だわね。あっちがジロジロ観るんだったら、私だってジロジロ観て良いはずだ、イタリア人のこと。「入るの、どうしようかな・・・」ボソリと、夫。「どうして? じゃなかったら何しに来たの?」せっかくのカッコイイ男の子を間近で観る機会を逃してなるものか(笑)。「いや、あの正面にいる奴、昔の知り合いなんだよな・・・」あんなカッコイイ知り合いがいようとは。しかし、なるほど、だからか。ああも私たちの方をジロジロ観ていたのは。「知り合いって言っても、あっちももう覚えてないだろうな。10年も前のことだし。こっちが知らない振りしてれば気付かないかもしれないし。さ、入るぞ」・・・って、そんな、思い出して欲しくないような知り合いなの? 過去にいったい何をしたんだか、夫。夫の予想とは裏腹に、男の子は思い切り夫のことを覚えていた。どこに住んでいたかとか、名前まで。しかし、間近で見るとまたますますカッコイイ。とりあえず今のところは良い物件がないということで、何か私たちの望みにかなうような物件が出てきたら連絡をして欲しいと頼んで、不動産屋を出た。「しっかり覚えてたな、俺のこと。名前まで。こっちはあっちが何て名前だったかも覚えてないのに」夫の記憶力は、たまに物凄くて驚かされることがあるけど、ほとんどの場合はあんまり覚えてないもんなぁ。「一体何の知り合いだったの?」「サッカーの」「一緒にプレイしたんじゃ、そりゃ、覚えているでしょうよ」「いや、そうじゃなくて、うちの街には2つチームがあるんだけど、それぞれ違うチームでプレイしてたんだ。だから、お互いに試合をしたときに会って話したり、道端で見かけたときに挨拶してたりした程度。懐かしいな。あの頃は、あいつと俺とで女の子の人気を二分にしてたんだ。あいつの方が女の子の数は多かったはずだけど」夫は、若い頃、というか、今もまだ充分若いので言い直すと、10代の頃、それはカッコよかった。周りも自分も、中学とか高校時代は物凄くもてたと言うのだけど、当時の写真を見ると、確かに分かる。今はすっかり髭を生やしていて、何かムサくなってしまったけど。たまに髭を剃ると、見違える。カッコイイ男の子が、しかもサッカーで活躍しているとしたら、そりゃ、女の子の目に付くわな。ただ、夫は今もそうだけど、昔からどうも言うことすることがワイルドすぎて、普通の女の子にはついていけなかったらしい。顔、でイメージしたのと違うことをされてしまうと、女の子としては、「あれ?」って感じだな。対して、不動産屋のカッコイイ彼は、見た目、普通の人。踊りに行ったり、映画に行ったりしそうな人。私がその時代に彼らを見ていたら、きっと、不動産屋の彼のファンだっただろうなぁ。ものすっごいカッコイイもん。どうせ相手にもされなかっただろうけど。夫によく、「お前とはもっと早くに出会って、お互いもっと一緒にいられる時間が過ごせたら良かった」と言われる。つまり、高校生のうちに出会いたかった、と。私は外国人で、父の転勤でイタリアに来るようなことも絶対なかっただろうから、どう考えても無理な話。でも、もし私がその時代にここにいて、夫のことを知っていたら、逆に、付き合うことにはならなかったという確信がある。だって私は昔っから堅実型だから、そんな女の子をとっかえひっかえしているような男の子は嫌。夫とは違う、堅実な男の子とでも付き合っていただろうよ。成長した夫と出会ったからこそ、付き合うことになったんだと思う。密かに不動産屋の男の子のファンでさ。目の保養ってことで。2003/02/07 0:59:32
Feb 7, 2003
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習慣の違い昨日、夫と、私の母がやって来るときのことを話し合った。母は土曜日にこちらにやって来て、夫が彼の兄と空港まで迎えに行く事になっている。到着は、私がちょうど入院していて家にいないときになる可能性もある。夫と母に共通の言語はなし。頭にちょっと雲がかかっている母のことだから、こちらの文化や習慣を知らずに妙な事をしてしまったりして、という話を、昨日はしたわけだ。母は2年半程前に父と一緒に一度こちらに来ている。その時、習慣の違いに戸惑っていたのは、むしろ父だった。母はぼんやりとしていたから、あんまり気にもしていない風だった。ただ、最初からひとりで夫と家に残らないとならない事を考えると、さすがの母も不安そう。夫は、「大丈夫。すでにお前という前例もあることだし、辞書片手に説明するから」と言うけど、果たして本当に大丈夫なんだろうか、と私もちょっと心配・・・。夫は日本に一度だけ行ったことがある。その時、「あんまり違和感というものを感じなかったけどな」、なんて当時を振り返って言う。そりゃそうさ。私が始終側にいて、「日本ではこういうときこうするんだよ」「これはこういう風に使うんだよ」と、まるで子供相手のように教えていたから。彼はその通りにしていただけ。「日本にいたときに、そう言えば、訝しげな顔をされた覚えが何度かある」、と夫。私も、うちの父や母がそんな表情をしていたのを何度か見た覚えがある。というのも、例えば、母と夫と私と、3人でお茶でも飲んでたときだったか、夫、突然、「お母さんにこう言ってくれ。『美しくて気立てが良くて頭が良くて、こんなに素晴らしい娘さんを産んでくれてありがとうございました』って」と、日本ではあんまり言わないようなことを言った。言わないよな、あんまり。日本ではそういうこと。知り合いのイタリア人の旦那様を持つ日本人女性も、彼が日本の家族の前で「彼女を初めて見たとき、天使かと思った」とか言って、「何言ってるんだ、こいつ」と恥ずかしかったと言っていた。私もそんなフレーズを自分で言うのが嫌で、「訳すの嫌だよ、そんなの。言わないよ、普通」と夫に言ったら、「何で? 言ってくれ」としつこい。母も、「何? 何て言ったの?」としつこい。それで、母に伝えたら、「はあ? ・・・何だか恥ずかしい事言うのね」って言われてしまった。昨日、改めて、「こういうフレーズって、(言うには言うけど、)日本ではあんまり言わないものだよ」と夫に言うと、「何で? イタリアでは普通なのに」。イタリアでは普通なのに、日本では普通じゃないことって、もちろんある。逆に、日本では普通なのに、イタリアでは妙な事もある。例えば、この間、アレッサンドロとエリカに、「日本では人前でキスをするのはあんまり普通じゃない」と言ったら、「どうして!? いけない事なの? おならじゃあるまいし!!」との反応。いや、おならと比べられても・・・。確かにおならはあんまり公衆の面前でするものじゃないけどさ(笑)。「若い子とか、たまーにしているのを見かけることがあるけど、普通はちょっと隠れたところでするものなんだよ」と説明すると、「何で隠れなきゃいけないの? 恥ずかしいの?」。いや、恥ずかしいって言うか・・・、そういう習慣がまったくなかったから・・・。するのも見るのも恥ずかしいというか、無礼というか、そういう感覚なんだよね。こちらでは、例え相手の両親の前でも、親戚が集まった場所でも、思いっきりキスしてるのは、普通。だから私、最初は違和感があったっけ。夫のおばあちゃん(86歳)に言わせると、「私が若い頃は家族の前でキスどころか手も繋げなかったんだよ。今の若い人たちは平気でしてるけどね」。日本はイタリアの70年前に近いってことか?こんな例をあげながら、「だから日本では普通のことがこっちじゃ普通じゃなかったりするでしょう? っていうことは、うちのお母さんにとって普通なことがここじゃ普通じゃなくて、知らずに不思議なことをしちゃうかもしれない」と夫に説明。「なるほど。そういえば、俺が日本に行ったとき、日本茶に砂糖を入れてくれって頼んだら、皆が皆『日本茶に砂糖??』って不思議そうな顔をしてたっけな。それと同じだな?」そういうことだ。日本茶に砂糖を入れないと飲めない人って、日本じゃ普通じゃないからね。2003/02/06 18:00:00最後の検診昨日、最後の定期検診に行ってきた。すでに生まれていたらもう必要のない検診だったのだけど・・・。「もし予定日までに生まれていなかったら、予定日に検診に来てくださいね」と前回先生に言われたから、昨日、予定日の2月5日に検診の予約を入れて、行った。ところが、先生、「予定日は8日ですね」。8日? 5日じゃなかったっけ? 第一、病院で受けたエコー検査などには、「出産予定日2月5日」って書いてあるんですけど??・・・そういえば、私は妊娠初期に謎の出血があったため、産婦人科の先生にかかる前に、最初、産婦人科専門の大きな病院の救急科に行っている。そこで流産したのかどうか確認するためにエコー検査をしたのだけど、そのエコー検査の結果には、「出産予定日2月5日」と書いてあった。出産する場合、イタリアでは日本と違って、普通、産婦人科の病院や総合病院の産婦人科にかかるというわけではない。妊婦にも国の健康保険がきくので、節約したい場合は、公立の施設で検診や検査を済ませる。問題がある場合は、私立の病院に全面的にかかる。私が選んだのは、プライベートの産婦人科の先生に毎回定期検診をしてもらって、その先生が「次回までにこの検査をしてきて下さい」と言った検査を次の検診までに国の保健のきく病院なり施設なりでして来て、次のときに先生のところに結果を持って行って見てもらう、という方式。公立の施設だと予約がなかなかうまく入らなくて、結局プライベートで検査してもらったこともあるけど。そして、出産は、このプライベートで診療所を開いている先生が国家公務員として働いている病院で行う。まあ、とにかく、救急科でやってもらったエコー検査の結果を、初めてプライベートの先生にかかるに当たって、持って行ったわけだ。そしたら、先生、「予定日は2月8日」って言ったんだ、そういえば。私は、「2月5日って検査結果に書いてあるのはどういう事なんでしょう? どうして誤差が出て来るんですか?」って訊ねた覚えがある。「5日も8日もあんまり変わらないですよ。まあ、そのくらいということです」という答え。・・・それで、何となく、自分の中では「2月5日が予定日」と決め込んでしまった。でも、実は先生は「予定日=2月8日」と意図していたんだ。検査を受けたら、「ま、心配は要りません。もうすっかり準備段階に入っていますから。子宮口も2・3cm開いてきてるし、あとは陣痛を待つのみですね」。外側から触った感じでは、胎児は体重2800gほどだろうとのこと。良かった、巨大児じゃなくて。エコーで頭の正確な位置と心臓の動きを確認。そのとき、頭の横で腕をバタバタさせているのが見えた・・・し、実際に感じた。そんな見えないところでバタバタしてないで、早く出てきてバタバタしている姿を見せて欲しい・・・。予定日を超過した際、この先生の病院では、というか、多分イタリアの公立の病院は全てがそうなんだろうけど(皆平等に扱うって言っていたから)、予定日をすぎた2・3日後くらいに、病院で胎児の心電図と羊水の量を検査。異常がないか確かめる。異常がなければ、検査後、妊婦を家に帰して、その2日後にまた同じ検査をしに来させる。生まれるまで、その行ったり来たりを繰り返すわけだ。それでも生まれないと、予定日の12日後、膣内に陣痛を誘発させるクリームを塗るそう。それで陣痛を起こさせて産ませる、と。予定日の12日後っていったら、20日じゃないか。そこまで長引かずに生まれてくれると良いな・・・。2003/02/06 17:58:48
Feb 6, 2003
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「生まれたー?」という声が続々と聞えて来るけど、まだ生まれてません。昨日の日曜日は、肌寒かったけど、良い天気。山に行って歩くんだ、身体を動かすんだ、と意気込んで、山へ。着いてみたら、先週はずっと天気が良かったし、気温も上がったから、きっと雪がある程度は溶けているかな、と思ったものの、甘かった。別荘の前の陽が当たっているところだけしか、雪が溶けてない・・・。これじゃ歩くどころじゃない。いや、他の部分も雪は溶けていたのだけど、氷として残っていたため、滑って危ない。仕方がなく、夫が壁にタイルを張る作業をしている間、家の前の雪の溶けた部分をウロウロ往復。しかもひとりで。何か、面白くも何ともない、これって。・・・と思いながらも、ちょっとは歩いたかな?夕方、家に帰ってきて靴を脱いでいたら、インターホンが鳴った。誰だろうと思ったら、金曜日に会ったばかりのアレッサンドロとエリカ。「ごめんね、前触れもなく突然やってきて。でも、どーしてもこのプレゼントを早く届けたくて・・・」と、大きな包みをくれた。開けてみると、ベビーバス。しかも、見覚えのあるベビーバス。実は、前の日、私たちは注文しておいたベビーベッドを受け取りに行った。その際に、他に揃えておかなければならないものも全て買った。ベビーバスも、買っておいた。店員さんがベビーバスを勧めるに当たって、最初に私たちに勧めたのが、昨日彼らが持ってきてくれたもの。機能的で、とっても使いやすい、ということで、最初はそれにしようかと思っていたのだけど、ちょっと大き目だったからバスルームが小さい我が家には不向きだろうし、ちょっと値段も高目だったので、私たちは少し小さくて経済的でベーシックなベビーバスを購入することに。彼らが私たちに贈ってくれたのが、正しくそのベビーバスだったため、迷いもなく、決めた、私たちが買ったものは別荘に持って行って、彼らがくれた機能的なものは家で使おう。どうせ、近い将来、別荘で使う用にも買わなきゃならないことが分かっていたから。ちょうど夕食前の時間帯だったため、せっかくだから一緒にご飯をどうかと誘ったら、問題ないとの事。って誘ったは良いけど、冷蔵庫を開けてみると、たいした物はなかった。まあ、予め計画してご飯に誘ったわけじゃないし、普通の料理で我慢してもらおう。あんまり気を使う相手でもないし。向こうも「あるものを食べよう」と言ってくれてたし。誰かを夕食に招待するとき、突然誰かが家に留まる事になったとき、私は大抵ベーシックなイタリア料理は作らないようにしている。だって、私はイタリア人じゃないから、イタリア料理を生まれたときから食べて慣れ親しんで来たイタリア人相手に、にわかイタリアンを出すのは、どうかと思うんだ。昨日は疲れていたから、あんまり料理したいという気分じゃなくて(人を誘っておきながら・・・)、冷蔵庫とも相談して、カルボナーラを作った。簡単だからね、カルボナーラって。あとは、即席アンティパスト、肉野菜炒め、サラダ、と、まさしく普段の手抜きな食卓。話し込んでいるうちに、以前、まだお互いをあんまり知らなかった頃の話になった。夫とアレッサンドロは高校の同級生。高校は5年間。イタリアではクラス替えというものがなくて、1年生から卒業まで、基本的にクラスメイトは一緒。学年が上がったときに、前の年を落第した人はクラスからいなくなり、上の学年で落第した人が新しくクラスに入って来るという仕組み。夫は4年生まで在学、そして退学。アレッサンドロは5年生まで終えている。だから、二人は4年間いつも一緒に過ごしていた。その頃夫が付き合っていた女の子が、前も書いたけど、私の前の彼女。彼女とは13歳から21歳まで付き合っていた。その頃のアレッサンドロの彼女というのが、その夫の前の彼女の友達。その頃、エリカはアレッサンドロの友達のひとりだった。エリカは夫の前の彼女のことを嫌っていて、「あんな女と付き合う馬鹿もいるんだ」と思っていたのが、顔は知らなかったけど、実はうちの夫だったそう。アレッサンドロとエリカは、付き合う前に5年間、単なる友達だったそう。お互い彼氏がいて、彼女がいて。でも、実はエリカ、はじめてアレッサンドロを見たとき、すぐに彼の事が気に入って、付き合いたいと思ったそう。でも、彼は彼女がいたから、エリカには見向きもしなかったって。それで、エリカ、諦めて、やがて違う人と付き合いはじめた。エリカがまだ前の彼氏と付き合っていた頃、夫と私が出入りしていたライヴハウスに、彼女もよく出入りしていた。それで、日本人の私は目立つから、エリカは夫の事を「日本人の彼女がいる男の子」と認識したんだそう。アレッサンドロもそのライヴハウスに出入りしていて、私は彼に3度ほど会った事があった。ただ、どうしてか知らないけど、彼の事はまったく記憶に残らなかった。日常、会話の中で夫に「アレッサンドロが・・・」と言われても、「誰?」という感じ。「アレッサンドロ・ペッレグリーニだよ。鼻が大きくて髪の長い・・・。ライヴハウスでもう3度も会ってるのに覚えてないのか?」と言う夫に、私は「って言われても、皆髪が長いし、アレッサンドロって名前はいっぱいいるし、ライヴハウスはいつも暗いし、酒入ってるし、覚えてないよ。誰よ?」という状態。アレッサンドロ本人曰く、その頃の私は、夫と話す彼の事を、「あんた、誰?」という感じで見ていたと言う。そんな感じで彼を見ていた事、全然覚えてないんだな、私は。4度目に、いつものライヴハウスで夫が私に、「これがアレッサンドロ・ペッレグリーニだよ」と本人を前にして言ったとき、私は、彼の事、やっぱり記憶になかった。でも、さすがにそれで彼の事を覚えた。私は別に記憶力は悪い方じゃないし、どちらかというと人の顔と名前をすぐに覚える方なのだけど、彼だけはどうしても覚えられなかった。今思うと、どうしてなんだろう? 不思議。でも、そういうことって、たまーにあるものだよね(・・・と、自分を慰めてみる)。その後、アレッサンドロとエリカが付き合うようになり、エリカ、うちの夫が実はアレッサンドロの高校時代の友達で、ライヴハウスで見かけた日本人と付き合っている男の子で、しかも彼女の嫌いな女と前に付き合っていた「馬鹿な」男の子だということを知ったそう。世間は狭いな。このアレッサンドロ、何かにつけて、私が子供みたいだって言う。いや、性格が子供みたいだって言うんじゃなくて、笑っている表情が、見上げる表情が、人の話を聞く表情が、まるで子供のそれみたいだって。それで、「かわいい!」と言って、きゅうっと私の事を抱きしめたり、頬にキスしてきたりする。まるっきり子供扱い、これって。私は28歳で彼は24歳だから、普通なら逆だろうに・・・。私に対して、他にこういう行動に出る人は夫の従兄くらいで(普通の人は行動には出さずに口に出すだけ)、最初は「家族愛」がそうさせるのかと思っていたのだけど、友達でもするものなんだ、とアレッサンドロたちと行動するようになって初めて知った。「異性に対する愛」とはまったく掛け離れたものなので、そういうシーンを目の当たりにしても、私の夫もエリカも、笑っている。日本で2組のカップルが一緒にいて、そのうちのひとりがアレッサンドロのような行動に出たら、ちょっとビックリしちゃわないか? まあ、イタリアでも、妙に嫉妬深い人だったりしたらビックリして嫉妬したりするだろうけど。アレッサンドロもうちの夫もエリカも私も、結構嫉妬ってあるけど、皆相手の事を信用しているからなんだろうな。そういうシーンになっても何とも感じないや。かといって、夫がエリカにそうするのは想像できないな。夫がそういう行動に出るのって、たまーに、従妹に。それから、おばあちゃん。あと、お母さんには頻繁にしている。・・・やっぱり、家族愛からの行動なんだ。アレッサンドロにとって、私はよっぽど小さい妹か姪みたいなんだろうな・・・。
Feb 3, 2003
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昨日はアレッサンドロとエリカがうちに遊びに来た。10月に会って以来。「最近どうしてたのー?」と訊いたら、実は、年末からついこの間まで、別れる寸前だったんだって。ああ、だからあんまり連絡がなかったわけだ。彼らは2年半付き合っているわけなのだけど、年末にいろいろお互いの性格の違い、考え方の違いが明らかになりすぎて、ひとつやふたつだったら日常茶飯事だったのだけど、一気にたくさん積み重なりすぎて、塵も積もれば山になるってわけで、エリカ、爆発。もう駄目だ、別れる、というところまで行っちゃったそう。私にしたら、この話はショックだった。お互いに問題を抱えているけど、いつも二人で仲良くやっていた姿しか、私は知らなかったから。「でもね、2年半付き合ってて、喧嘩したのはこれがはじめてなんだよ」基本的に、アレッサンドロはいつも冷静。エリカが物を言っても、彼は冷静。だから、彼女がひとりで喧嘩しているようなもので、喧嘩になったことはなかったんだって。喧嘩になった問題の主なこと聞いたのだけど、残念ながら私にはあんまり助言ができる状態ではなかった。というのも、お互いの家族が絡んでいる問題。私にはあんまり、というか、ない経験。そういう状態に生きた事はないから、何とも言えない。日本で男女が付き合っているときって、家族包みの付き合いをするって、滅多にないと思う。少なくとも、私はそういう経験、ない。ところがこちらでは、家族包みの付き合いになるのが普通。相手の家にご飯を食べに行ったり、相手の親戚のお祝いに招かれたり、相手の家に遊びに行ったり、なんてのが普通。普通は結婚まで親元を離れないものだから、余計に家族包みの付き合いになる。私はこちらに来て、夫と結婚する事になったとき、家族包みの付き合いというものをはじめて体験。家族って言っても、夫の親兄弟だけじゃない。叔父さんとか叔母さんとかおばあちゃんとか従兄弟とか、お母さんの従兄弟とか、お兄さんの奥さんの家族とか、従兄の奥さんの家族とか、そこまで付き合いがある。もう、何がなんだかという感じ。家族だけならまだしも、親戚とまで深い付き合いがあるわけだ。まあ、それでも、夫の実家というのが、普通のイタリア人家庭のように、お父さんがいてお母さんがいて、お母さんが料理を作って子供たち夫婦を毎週末実家に招待、一緒に過ごす、という家庭でなかったから良い。夫の両親は離婚していて、父親は飲んだくれの嫌われ者、母親は日本人もビックリするほど働いているので、我が家には定期的に親を訪ねる習慣がない。義兄たちなんかは、普通のイタリア家庭のごとく、毎週末、奥さんの実家にご飯を食べに行かなきゃならないのだけど。日本では、嫁姑問題みたいに配偶者の家族とのことが問題になって来るのって結婚したあとだけど、こちらでは、そんなわけで、結婚前から、単に付き合っているだけの状態から、問題になって来る。夫も前の彼女(当然イタリア人)と付き合っていたときに、彼女の母親や親戚との付き合いに苦労した、というか、彼は他人の目なんて気にしない人間なのでわざわざ自分を変えてまで相手が自分を気に入るように見せかけるようなことはしなかったため、心地よい気はしなかったそうだ。母親や親戚は彼の事が嫌いで、いつも裏で「あの子は男のくせに髪が長いし、ピアスなんてしてるし、刺青なんて入れてるし、敬謙なカトリック教徒じゃないし、妙な騒がしい音楽を聴いているし、悪い子だ」って言っていたんだそう。彼らの理想的な男の子とは見かけが違うって事で。でもさ、私の知る限り、さすがにそんな夫と長年付き合っていただけあって、親に隠れて彼女だって同じことしてたんだよ。ただ、彼女は親に気に入られようと、表面はいつも良い子を演じていただけで。しかも、彼女ってこの親にしてこの子ありだったんだろうけど、アホなんだ。私がクラシック音楽が好きだって知ったら、「頭が良いんだ」って言った。いや、別にクラシック聴いているからって頭が良いとは限らないよ? たまたま私はそういう環境で育ったから小さい頃から自然に聴いていたし、自分にとって心地よい音楽であるというだけで。そして、彼女、自分から浮気して夫の事を捨てたわけなのだけど、後になってやっぱり夫の方が浮気した相手よりも良いや、ということに気付いて、寄りを戻したがった。その時、すでに夫は私と付き合っていたのだけど、寄りを戻すのを断られた彼女、私の外見を見て、私の方が彼女よりも勝っているから自分には勝ち目はないという事が分かった、とか言ってた。いや、外見が勝っているとか勝っていないって言われても困るよ。多分、私があなたよりも勝っているのは何よりも人間としての本質だと思うよ。私はそういうアホな考えはしないから。人間は外見よりも中身だと思うから、一見良い子に見せて実は中身は空っぽよりも、一見馬鹿そうだけどとっても内容のある人間の方が私は好き。彼女の母親みたいに、世間受けが良い外見を持つ=中身も良い人間、と考えるのはアホらしいと思う。親のエゴとして、ありがちな話だけど。さて、こんな外見の夫だけど、うちの両親に初めて会うときにはやっぱり「第一印象は大切だから」ということで、髪を切ってピアスを外した。それが彼のせめてもの、うちの両親に対する敬意。私が、「彼は髪が長くてピアスしてて刺青してるんだよ」と予め両親に言ったら、「長髪とピアスは嫌だな」と父が言ったから。結果、初めは、ガイジンなんて、と結婚に反対していたうちの父、「いや、若いのに賢くてしっかりした良い婿だ。下手な日本の若いのなんかよりずっと良いじゃないか」とすっかりお気に入り。中身はそんな夫。前の彼女の親親戚には外見だけ批判されて、中身は見てもらえなかった。夫の事はどうでもいいのだけど、アレッサンドロとエリカの問題はそういうことじゃない。アレッサンドロは確かに髪が長い。エリカは刺青やらピアスやら、たくさんある。でも、どちらの両親も外見のことは何も言わない。問題は、お互いの家族の環境が違うため、お互いの家族のところに行くと、心地よい感じがしない、ということ。エリカの両親はまだ40代中頃で、とってもオープンな家庭。仕事帰りにひとりで何かを食べてエリカの家に行くアレッサンドロに、「仕事帰りにうちに寄って夕食を毎日でも食べに来なさい、そうすればエリカと一緒にいられる時間も長くなるでしょう?」と言った。エリカもそう願う。ところがアレッサンドロは、たまになら良いけど、毎日なんて心苦しくて行けない。誰かの家にお世話になる事にあまり慣れていないから。エリカが、「でも、私の家だよ? 両親がそう言ってるんだから良いじゃない?」と言っても、彼は、「いや、これがお前の家だったら良いけど、お前の両親の家だから、違う事だ」。今年初めに、エリカの両親がローマに5日間行くことになったとき、エリカの両親がアレッサンドロに、「私たちが留守の間、エリカ、ひとりで寂しいだろうからうちに泊りに来なさいよ」と言ったら、彼はそれをキッパリ断る。エリカが、「両親が良いって言ってるんだから良いじゃないの」と言っても、彼は決して聞き入れなかった。エリカにもエリカの両親にも理解できないけど、彼はそういう性格。アレッサンドロの両親は両親で、ちょっと変わってる。お父さんは別にちょっと変わり者、という程度で、エリカの事は息子の彼女、ということで普通に扱っているので問題にはならない。問題はお母さん。このお母さん、時と場合に応じて、気分が変わる。基本的にエリカの事は気に入っているらしい。ただ、機嫌が良いときには良い。問題は機嫌が悪いとき。エリカにチクチクと当たる。彼女の機嫌が悪いとき、エリカは疎外感を覚えるって。アレッサンドロは別にマザコンなわけじゃないから、母親に言うわけなんだけど、彼女としてはそんなことをしているつもりはまったくないって。エリカみたいに素晴らしい女の子にそんな嫌な思いをさせるだなんてとんでもないって。ただ、やっぱり、彼女の性格上、本人にそのつもりがなくてもそういうことになってしまうらしい。それって、彼女の性格。それをあんまり気にしないでいられないのも、エリカの性格。結局、私は何とも言えなかった。私はエリカのような性格だから、エリカに我慢しろとは言えないし、こういう母親の性格を知るアレッサンドロに、母親にもっと歩み寄るよう言え、とも言えないし。こういう性格のアレッサンドロに、別にいいじゃん、相手がそう言ってくれてるんだから毎日食べに行っても、とも言えないし。でもね、見た感じ、アレッサンドロの家は親も子供も頭が固くて、エリカの家は親も子供も頭がもっと柔らかそうだから、ここはアレッサンドロからちょっと折れて、エリカの両親のオファーをもっと受け入れるようにして行ったらどうかな、と思う。エリカも、アレッサンドロの母親はこういう性格なんだと分かった上で、ちょっとあんまり気にしないようにしてみるとか。アレッサンドロが折れてくれたら、エリカも「彼も無理してくれているんだから」と思って、ちょっとは無理を受け入れるようなると思う。しかし、結婚前からこういう問題と戦わなければならないって、辛いなー。ある種、結婚前の良い経験になるのかもしれないけど。
Feb 1, 2003
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