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文筆業家になりたかったかと言われれば、そんな大望を抱いたことはないような気がする。じゃあなんでフリーライターになったかと言われれば、椎間板ヘルニアという病気に罹り会社員を続けられなくなって、なだれ込むようにこの仕事に就いてしまったとしか言いようがない。
たぶん私は物書きとしての資質がなければ野心もない。言葉ひとつひとつを吟味できるこだわりも感性も持ち合わせていないような気がする。
私が最も重視するのは、完成したものの全体像だ。仕事に限らず、私は完成したものを俯瞰して見る習性があるように思う。たぶんこの資質は、よく言えば編集者向きなんだろう。ただ、編集者に不可欠な社交性とか調整能力に欠ける。絶望的に欠ける。
つまり私は、文筆業としても編集者としても適正に欠ける人間なのかもしれない。
それでも、ひとつの記事が完成した時のあの充実感が忘れられない。どんな小さな記事でも、私は完成した姿が好きだ。
この充実感を得られるなら、書籍や雑誌の記事じゃなくてもよかったのかもね。
単純に「ものづくり」が好きなのかもしれない。それは、絵画でも写真でも書道でも料理でもなんでもよかったのかもね。
私の娘もモノづくりが好きな子だ。
年賀状も書道も、友達との交換日記も、とにかくこだわり抜いて制作している。
私の血が娘へと脈々と受け継がれている。
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