2004/10/06
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カテゴリ: 読了本

あれから、12年後。
日本人医師・作田シンは、現地アフリカ人女性のパメラと結婚し、タケシという男の子も受けた。
<アフリカン・ルネッサンス>・・大統領は、そう口にする。
アパルトヘイトも撤廃され、民主的になったかと思うとそうではない。
貧富の差は縮まるどころか拡大し、犯罪は増加の一途をたどっている。
強盗、誘拐、レイプ・・・・
今、”エイズ”の問題が深刻化していた。
詳しい知識も無く、薬を買うお金も無い。
国が自国での医薬品ヴィロディンというエイズの薬を妊婦には無料で配布し、国としての威厳を保ち混乱を防ごうとしている。
しかし、その効果は?
ある病院では、黒人患者だけにエイズの薬を無料配布している。通院の為の日当まで払って・・・
しかし、妙な痙攣や湿疹が・・・・

パメラやシン達は、解明に乗り出すが、大きな妨害が!

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「怒りと悲しみが変質したなれの果ては、諦念だ。」

「アフリカが牡牛の形をしていて、僕たちの国はその蹄の所にあって、白人から蹴散らかされている。
でも、黙っている蹄ではない。
いつか歩みだし、駆ける力を持つ蹄だ」
「アパルトヘイトが無くなって、僕たちは走り出しました。
でもどこを目指すのか考えあぐねています。・・・・・・・・・・・・・・・・・
特にアフリカは世界がよく見える位置に有ります。
この国は世界を見つめる瞳なんです。
300年にわたって、ヨーロッパの強国によって虐げられた大地ですから、世界の歪は、ここにいると良く解かるのです。」

「日本人はみな損得ずくで動く民族だと思っていた。
小さな計算機をポケットに入れ、それと相談しながら行動している。
でもシン先生をみて、日本人は素晴らしいと思った。
この国の黒人で日本に行き、あなたと同じ事をしている人はひとりもいないでしょう」

***************************

アパルトヘイトで、世界からの非難を浴びて経済封鎖がなされていた時も日本は、この国と貿易をしていた。
それで、名誉白人の名を貰い、白人同様というより大きな態度をしていた。
民間企業の一人一人は、上からの命令に素直に頑張っていたのではないでしょうか?
日本は、資源の無い国だから貿易をしないと生きていけない国。
でも、現地の人たちからは計算高い日本人という印象なのでしょうね。

貧困からの諦め、立ち向かう意思の強い者たち。

読んで良かった本の一つです。








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最終更新日  2004/10/06 03:22:12 PM
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Re:『アフリカの瞳』・帚木蓬生さん(10/06)  
olive2004  さん
アフリカでエイズが蔓延するのは、エイズにかかったら、処女とセックスをすると治るという迷信があるからだと聞いたことがあります。トンでもないことですね。それで、レイプされたり、妊娠したうえにエイズになっちゃうそうです。このままで行くと、国民全部がエイズになってしまう国も出て来そうな勢いらしいですね。根底には女性差別があるからでしょうね。差別が差別を呼ぶ悪循環。

エイズのよい薬がみつかるといいのですが。 (2004/10/06 04:51:19 PM)

Re[1]:『アフリカの瞳』・帚木蓬生さん(10/06)  
☆かよ  さん
olive2004さんへ
エイズにかかってるかどうか検査とか出来るお金もないし、発症して変だと思って病院に行ける人は良い方ですし、薬なんて買えないし。。
女性への差別が有って、クリトリスを切り取る儀式があったり・・・その不衛生でエイズになったり。
でも、かなり医学も進歩してて発症をかなり抑えられる薬も出来てるようです。
それを使ってるアフリカでもセネガルとかは、かなり発症者が減ってるようです。
詳しい事は本に書いてますが、アメリカはきっとなんか悪巧みしてそうな気がします・・・

(2004/10/06 08:44:02 PM)

Re:『アフリカの瞳』・帚木蓬生さん(10/06)  
桃龍乃  さん
お久しぶりです^^
アフリカの蹄はNHKのドラマで見ました
続きがあったんですねー
私は10年以上前、アパルトヘイトに興味がわき
ジャーナリスト&フォトジャーナリストになってアフリカに行きたいと思いましたが
それはもう、若気の至りで
調べれば調べる程、問題の深さに意気消沈し
“自分などが立ち入れる問題ではない”と絶望しました
両作品とも小説ではありますが
あながち嘘では無い部分がいっぱいありますよね
実際に今、起こっている事を考えても
ある意味、アメリカって世界中で一番危険な国かもしれませんね
アフリカの“蹄”と“瞳”ぜひ両方読みたいです (2004/10/19 12:29:36 AM)

Re[1]:『アフリカの瞳』・帚木蓬生さん(10/06)  
☆かよ  さん
桃龍乃さんへ
>私は10年以上前、アパルトヘイトに興味がわき
ジャーナリスト&フォトジャーナリストになってアフリカに行きたいと思いましたがそれはもう、若気の至りで調べれば調べる程、問題の深さに意気消沈し“自分などが立ち入れる問題ではない”と絶望しました
>両作品とも小説ではありますが
あながち嘘では無い部分がいっぱいありますよね実際に今、起こっている事を考えても
>ある意味、アメリカって世界中で一番危険な国かもしれませんね
-----
お久しぶりです=☆元気でしたか?
本当に歳をとると臆病になりますよね。
それなのに若い時は、小さな周りの出来事に翻弄されて生きてしまって、気がついた時は私みたいにすっかり歳をとってしまって・・・
桃龍乃さんは、まだ若いです!
でも、やはりアフリカは遠すぎて怖い気がします。
そんな中、高齢(ちょっと失礼な言い方ですが)でも世界や地球、人間の為に頑張って仕事されてる方を見ると本当に素晴らしいなぁ~と思います。
亡くなられたマザー・テレサ、日本人でも緒方さん。。。
小説でも大筋では、本当の事が多いですよね。
今、イラクやロシアのテロに目がいっていますが、アフリカでも大変な事が起っているのに、日本からは遠すぎて、ニュースにはなっても大きく報道されないですよね。
(2004/10/20 04:11:22 PM)

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