日本戦略研究所

2004年03月22日
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ずいぶん前に、たった一人でドイツ軍のUボートと戦う「マーフィーの戦い」という映画があった。


最近の「小泉純一郎の戦い」を振り返ってみると、

2/26、猪瀬委員、石原国土交通大臣と会い、道路関係4公団の分割民営化にともなって債務の返済を請け負う
「日本高速道路保有・債務返済機構」に国土交通省の官僚が天下ることを禁じる方針を示した。

3/5、衆院予算委員会において、今後 政府系金融機関のトップに事務次官経験者の天下りを認めないと答弁。

3/8、参院決算委員会において、雇用・能力開発機構(旧雇用促進事業団)の理事長人事をめぐり、
事務次官経験者を続投させようとした厚生労働省案を突き返したことを明らかにするとともに、
「短期間、内部の人にやってもらうが、その後は事務次官経験者は(理事長に)しない。(厚労省や機構は)反省しなくちゃいかん」と批判。


こうした小泉首相の発言は各方面に波紋を広げている。

まず、東京証券取引所のトップ人事。
東京証券取引所の土田正顕社長の死去により後継トップの人選が行なわれていた。
東証トップは昭和40年代の証券不況以後、6代連続で旧大蔵省(現財務省)OBが務めてきた。
今回の人事でも財務省や証券界の一部からは、証券行政に詳しい旧大蔵省OBの起用を期待する声もあがっていた。
そうした矢先の”小泉首相の政府系金融機関への天下り禁止発言”で、大蔵省OBからの人選は立ち消えになり、東証新社長、新会長は民間出身者から起用される流れになった。
小泉首相の天下り禁止宣言が東証の大蔵省支配にピリオドを打ったのである。

次は悪名高き、雇用・能力開発機構(旧雇用促進事業団)の理事長人事。
ここは雇用保険料を流用して全国に保養施設や休養施設を建設し、大赤字を出して売却するハメになったブザマな特殊法人である。
労働省元事務次官から「雇用促進事業団」に理事長として天下った七瀬時雄は大損の責任もとらずに「雇用・能力開発機構」に居座っていたが、
厚生労働省はこの「事務次官経験者を続投させようとした」というのだ。



これに対し、厚生労働省の大塚義治事務次官は「適任者がいないケースはままある。次官だからいけないというのはもう少し議論させていただきたい」とうそぶいている。なんと面の皮の厚いことよ。

厚生労働省は天下り天国である。
例えば社会保険庁業務委託法人に役員として天下った場合、報酬は年1500万円以上である。
厚生年金会館などを運営する厚生年金事業振興団の理事長が2282万円。
全国国民年金福祉協会連合会理事長と全国社会保険協会連合会理事長も2000万円超。


産経新聞の乾 正人氏(夕刊キャスター)はこういっている。
「厚生年金会館などを運営している厚生年金事業振興団の理事長(元厚生事務次官)が年2300万円もせしめているのにも驚いた。
理事長の仕事は、専門知識のない私でも明日からできる。稟議で上がってきた書類にハンコさえ押せばそれで終わり。残業もしなくていい。
民間の会計基準で計算すれば、全国265の年金福祉施設中、黒字がたったの9施設なら、経営感覚ゼロでもOK。
たまに国会に呼ばれても体調不良を理由に欠席するか、早退すれば済むのだからこんな楽な商売はない。
この程度の仕事で、退職金もがっぽり頂戴できるのだから日本という国は役人に甘くできている。「天下り」どころか「天国行き」だ。」

役人の世界で年功序列は鉄の掟である。
事務次官よりいい天下り先に局長がいくことはできいから、事務次官が特殊法人トップという“天下り指定席”を失えば、数珠つなぎで天下りの順番を待つ下位のキャリア役人の天下りにも影響を及ぼす。
天下り先が縮小すれば、安易な肩叩きはできないから、出世レースに敗れたキャリア役人が、少しずつ退官していくという中央省庁独特の人事制度を突き崩すことができるかもしれない。

そうした意味で、小泉首相の事務次官の天下りをターゲットにした”戦い”は的を射ているのである。(日本戦略研究所)

http://mypage.odn.ne.jp/home/kaz1910032





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最終更新日  2004年03月22日 07時18分51秒


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