思い切り時期はずれですが、端折って紹介します。
飛騨古川は高山から車で20分程度、列車なら15分程度の距離にありながら、高山とはまるで雰囲気の違う静かな町です。高山の年中行事・町並みは観光主体になっていて、耐えがたいほどの騒々しさに辟易することもありますが、飛騨古川は地元主体の行事・町並みという印象です。
この日も、高山駅は観光客で大混雑、古川駅は人影まばら。駅前通りも閑散としていました。
観光客が見当たらない静かな古川駅前
静かな街路を抜け、まずは「飛騨古川まつり会館」。
年に一度の古川祭をいつでも体験できるまつり会館は、激しさと静かさが織り混ざった古川祭を3D映像で紹介しています。実物の古川祭屋台3台を常時展示しており、係の方が丁寧に展示物の説明してくれました。からくり人形の操作体験、起こし太鼓の試し打ち体験もできます。
起こし太鼓屋台の実物展示。右端は絵馬制作の実演
次に、まつり会館と同じ敷地にある「飛騨の匠文化館」。地元の木材を使い、匠の技を受け継ぐ地元の大工さんによって、釘を1本も使わずに建てられたそうです。館内では、様々な継ぎ手や組み木、工具などが展示され、飛騨の匠が守り受け継いできた技の素晴らしさを見て触って感じることが出来ます。
すっぽりと雪帽子をかぶった飛騨の匠文化館

さまざまな継手、木組。飛騨の匠の技が光る
古川観光のハイライト、「瀬戸川と白壁土蔵街」を巡ります。
連なる白壁土蔵と狭い瀬戸川の創りだす風景は、飛騨古川の町並みを代表するものです。しかし、この町の魅力は、私たちが景観の写真を撮っている脇で地元の子どもたちが遊び、犬の散歩をする住民が通る…ふだんの生活風景が観光地的景観と溶け合っているところではないでしょうか。
白壁土蔵の道で遊ぶ子供たち。日常と観光が溶け合う癒しの光景

古い町並みを作る民家。ここにも生活がある
高山の古い町並み保存地域が商店街化しているのに比べ、温かさと優しさを感じさせる飛騨古川。古い町並みの一角にある喫茶店でも、ほっこりとした雰囲気に包まれてコーヒーブレイクを楽しみました。
観光客も地元の人も同じ空間で寛げる喫茶店
土産物はないんだろうか、と見回しても土産物店はほとんどなく、その店も夕方には早々と店じまいしていました。
観光地らしくない観光地・飛騨古川、もう一度訪れたい町です。
夜の高山市上三之町。静けさに包まれた古い町並み
その夜の宿泊は高山市。上三之町の古い町並み保存地区にある旅館「河渡(ごうど)」。町並みに溶け込んだ町家風の格子窓、目立たない看板。内部の風情もレトロ感あふれています。町中にある隠れ宿の佇まいに魅せられました。
自分の家に戻ったような安らぎ。旅館河渡の玄関
食事を終え、チェックインしたのは20時。昼間の喧騒がウソのような静かな上三之町。店が閉り、門灯が町並みを照らす、観光客のいない風景にこそ、本当の古い町並みの魅力を感じます。この景観こそ高山の素顔なのかもしれません。
夜明けの上三之町。うっすらと雪の積もった町並み
翌朝、宿のくぐり戸を開くと、早くも観光客の波が押し寄せていました。
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