うずまき月子の庭・２

2012.08.04

ある日の電車のなかで・・・

(2)

テーマ：今日の出来事(291490)

カテゴリ：スピリチュアル　その他

ある日の　
会社帰りの通勤電車の中にて。

わたしの向いの席に　４人の若者たちがいた。
１０代かな？
大学生風である。
男の子２人に　女の子２人。
かと言って　ダブルデート風ではない。
男同士が２人で明るくキャッキャッと騒いでいるのに対し
女の子たちは　妙にひっそりとしている。

男の子２人は席に座り　連れの女の子２人には目もくれず喋り続けている。
女の子のうちの１人は席に座り　もう１人は立っている。
座っている女の子は　ストレートなロングヘアで
なんというか　とてもセクシーな雰囲気を持つ大人びた美しい子である。
全然派手なメイクもしていないし　着ているものも普通のTシャツとショートパンツ
なのに　綺麗だなって思わせる雰囲気を持っている。
彼女は　無造作にショートパンツから伸びている長い足を投げ出し
友達であるはずの　立っている女の子の顔を見ることもなく
どこか１点を見つめ　黙りこくって座っている。

立っている女の子のほうは　電車が動き出すまで
携帯電話で　何やら話していたのだが

ずっと　黙りこくっている。

なんともなしに観察していたのだが
「わたしがこの年齢のときは　友達と会っているだけで
　四六時中　キャッキャッと喋りまくっていたもんだよなぁ
　最近の子は　クールなのかしら」

座っているセクシーな子の隣の席が空いた。
彼女は　立っている子のほうを見上げ
長く綺麗な指で　トントン、と席を指し示した。

立っていた子は　彼女に指し示されて
ストンと席に座った。

するとセクシーな子は　さっきまで立っていた子の頭を
片手で自分の肩に抱き寄せた。
立っていたほうの子を見ると・・・　泣いている。
声を出して泣くのではなく
涙をツーっと流して　泣いているのである。

セクシーな子は　ただひたすら黙ったまま
友達の肩を抱きながら　頭をなでているだけ。
泣いている子は　「泣いてもいいよ」って
無言で言ってくれている友達の優しさにこらえきれない様子で
涙を流し続けていた。

きっと電車が発車するまでに携帯電話話していた相手は　
彼氏か好きな男の子で
何かよくない話だったのかな・・・
別れ話でも　切り出されたのかもしれないな・・・

２人の女の子を見ていて　なんだかすごく綺麗なものを見ている気がした。
何も言わず黙って肩を抱いてあげるなんて　この女の子は
なんて素敵な友情心を持っているんだろうって　感動した。

自分にも　あんな時代があったなっていうことも思った。

好きな男の子とうまくいかなかったり　別れたりするたびに
大好きな女友達は　飲みに行こうと言ってくれて
「今日は荒れていいからね！」って
そう言ってくれるだけで　いつもすごく元気をもらえた。

どんなに悲しい出来事でも　結局は愛が残る。
泣いていた子は　彼氏とは別れたのかもしれないけど
黙って一緒にいてくれる素敵な女友達の愛を　手にしている。
わたしも　当時うまくいかなかった男の子のことなんか
今ではケロリと忘れてしまったが
大好きな女友達とは　今でも続いている。

泣いていた子は　今は悲しい思いをしていると思うけど
10年も20年もたつと　きっとすごく素敵な想い出になる。

彼女たちを見ていたら　なんだか甘酸っぱいような気持ちになった。

それにしても　男の子たちは最後まで
無関係に明るくはしゃぎっぱなしだったなぁ
それもなんだか　とても微笑ましかった

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