N,S川口総合車両センター

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君のおかげ 1




私の名前は由希。高校2年生。
リスカやってるしタバコもお酒もやってる。
友達なんて居ないしいらない。

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『リカー♪今日あいつ来てるんでしょ?学校』

『あいつって?』

『由希だよ由希!あの裏切り者!』

『ぁー。あいつか』

―――――・・・全部聞こえてるんですけど。
久しぶりに学校来てやったのに。―――――――

リカとマナミは入学したての頃に仲良くなった友達だった。
だけど私がリカの男をとったとか変な噂が流れてハブられるようになった。
もちろん由希はそんなことしてないし、誰が流したかもわからない。

『ぁ・・・あの人来てるよ!なんだっけ名前・・・・』

『・・・うちもわすれたー(笑)つーかひどいよね。人の男とっといて』

『学校やめればいいのに・・・(笑』

『しっ!聞こえるよ(笑』

由希が出席したときのクラス内はいつも朝から由希の悪い噂で持ち切りになる。
しかし由希はもうそんなことには慣れていた。

―――――・・・・気分悪いからもう帰ろうかな――――――

今日は雨が降っている。そのせいか由希は気分が優れなかった。
由希が教室から出ようと立ち上がったとき丁度担任が入ってきた。
すぐに号令がかかった。
帰るタイミングを逃してしまった由希はそのまま椅子に座るとことにした。

『えー。今日からこのクラスに新しい仲間が加わります』

教室がいっせいにざわついた。
しかし由希は無関心だ。

『織田正平君入ってきてください』

一瞬教室が静まり返った。
それもそうだ。その転校生はかなりの美形で汚れのない瞳をしていた。

『マジかっこよくない?』

『超かわぃぃー!!』

女子が口々に言いはじめた。
祖の時点で
正平はクラスの女子のアイドルと化した。

『みんな静に!!!!じゃぁ織田君の席は・・・・・久賀由希さんの隣ね』

正平は指定されたとおりの席に着き由希に一言言った。

『君かわいいね』

「!?」

教室中がざわついた。

『は?!なんであいつなの?』

『マジありえないんだけど』

そんな言葉が飛び交った。

「かんべんしてよ。男に興味ないから」

由希は冷めた口調で言った。
正平は黙って由希を見ている。

「・・・・・なんなわけ」

『友達になろうよ』

「・・・・・・」

由希の頭が混乱し始めた。
今日初めて会ったやつに友達になろうと言われ、かわいいとまで言われた。

「あんた何者?」

『普通の人間だよ』

そういうと正平は前を向いた。

(変なやつ・・・・・)

由希は正平のことをただの変人としか思っていない。
これから先正平がどんな存在になっていくのかなんて考えてもいない。





☆つづく☆

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