N,S川口総合車両センター

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君のおかげ 2





「由希ちゃんっ♪」

『・・・・何』

正平は毎日由希に話しかけてくるようになった。

「なんでいつも不機嫌そうなのー?せっかく可愛いのにv」

『・・・ぶっとばされたいの?』

正平が転校してきてから由希の口数も増えてきた。
というか、正平が話しかけてくる所為で話さずには終えないのだ。

『あたし帰るわ。』

「ぇー!!つまんないのぉ~」

正平に何も言わず由希は早々と教室を出て行った。
帰るとは行ったものの家には帰りたくなかった。
今日は母の昔の夫が養育費を渡しに家に来る日だったからだ。
なので、学校の屋上で昼寝をすることにした。

ガチャ・・・・

由希はこっそり屋上の合鍵を作っていた。
静かに屋上のドアを開ける。
真っ青な空が広がっていた。
由希は屋上のど真ん中で大の字に寝転がった。

『はぁ~・・・・』

ため息をつくと由希は正平のことを考え始めた。

――――・・・・あいつってマジわけわかんない。
なんであたしなんかのこと相手にするんだろう。――――

『・・・・・あたしなんて可愛くないっての!!!!!』

「かわいいっての♪」

驚いて由希は起き上がった。

「驚きすぎだってw」

そこで笑っていたのは正平だった。

『あんた何してんの?』

「由希こそ帰るんじゃなかったの?w」

『なんで呼び捨て・・・・』

「いいじゃん☆俺と由希のなかだろ?w」

『・・・あっそ』

そう言うと由希はまた大の字に寝転がった。
すると正平も由希の隣に寝転がった。

『なんで来んの。』

「由希のとなりがいいからっ♪」

『・・・・・・・』

「由希さぁ・・・・・俺がこっちに転校してくる前になんかあったの。」

『別に・・・なんもないけど・・・』

「うそつけ。なんかあったんだろ。言ってみろよ」

『なんであんたに言わなきゃいけないの?』

「俺が由希のこともっと知りたいんだよ」

『はっ?意味わかんないし・・・・』

「俺は由希の味方だから」

『え・・・・』

「味方だから!」

由希は驚いた。
人からこんな風に言われたのは初めてで反応の仕方が今一わからなかった。
でも嬉しかったのは確かだった。

『あ・・・・ありがと・・・』

「ちゃんと言えんじゃんっ♪可愛い可愛いw」

『馬鹿にすんな』

由希が少し素直になれた瞬間だった。
由希の生活が少しずつ変化していく・・・・・・。

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