がんばらずにゆるく楽しく暮らそう

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私と書痙


文字を書くとき,あるいは箸を持つときだけ,手が震えるという症状です。
神経症からなるとも,自律神経の乱れからくるとも言われています。
真面目で,人の目を気にする人がなりやすいとも言われます。

私が書痙になったのは,妊娠がきっかけでした。
自分が母親になることが受け入れられない気持ち,マタニティブルーによる鬱状態に加え,職場でマタニティハラスメントがありました。
当時は仕事にとても重点を置いていたので,妊娠したことで思うように働けなくなったことがショックでした。
職場でも理解して支えてくれた人も沢山いたけど,心ない発言があったことも事実です。

ある日突然,文字を書いていたら手からペンが飛んでいったのです。
力が入りすぎてはじき飛ばされたように。
それからペンを持とうとしても,手が震えて持てない。手がペンの持ち方をすっかり忘れてしまったような感覚です。

長く書道を習っていたこともあり,自分の書く文字というものにはプライドを持っていました。
それがミミズが這うような字しか書けない。
また一番の趣味がイラストを描くことでした。
でもどうしても描けない。

妊娠したり,子供が生まれたりすると,ただでさえ色々なことができなくなって落ち込むものですが,それに加えてこの症状。
なんだか自分が本当に何もできなくなったような気がして,それは落ち込みました。

最初は心の問題とは思わず,神経の病気か何かかと思い,ずいぶん悩みました。
でも妊娠中ということもあり,病院に行くのは抵抗がある。
1年以上も夫にさえ相談できずに一人で悩みました。

そのような中,今お世話になっている,鍼治療の先生がこのように言ってくれました。
「書痙は治りますよ。私もサラリーマンだった頃,鬱と書痙に悩みましたもの。でも治りました。」
ネットで検索しても,書痙は治らないという記事ばかり(というか書痙に悩んでいる最中の文章しか見つけられなかったせいだと思いますが)。
この言葉に本当に救われました。

今でも解決したわけではありません。
人様にお見せできるような字はなんとか書けるようになりましたが,普通にペンを持つことができない。
握りしめるようにして,歯を食いしばって書いています。
特に精神的に不安定になると症状が強くでます。

でも,以前ほど気にならなくなりました。
言いふらす訳ではないけれど,ペンの持ち方がおかしいと言われたとき,もっと丁寧に書けと言われたとき,私は書痙だからと言えるようになった。

この症状がいつ治るのかどうかはわかりません。
でも今はこんな自分を受け入れ,今できる方法でやっていきたいと思っています。

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