My favorite books



私の好きな本をのことをかいていきたいと思っています。


「蝶々の纏足」 山田詠美


山田詠美作品は高校、大学の頃に読み耽りました。なかでもこの「蝶々の纏足」は本当に大好きでした。
彼女の小説はかなり大雑把に分類すると二つのパターンに分けられます。 一つは思春期の少女の性を扱ったもの。もうひとつは大人の女性と黒人男性の恋。私はどちらかというと少女の性や心の問題を扱ったものが好きで、「蝶々の纏足」もその類の作品です。
「自分はきっと特別な何かを持っている。きっと大人になったらみんながそのことに気付く筈。」と高すぎる自意識を持て余し、自分の殻に閉じこもっている少女たち。やがて少女は「自分はちっとも特別じゃない。」ということに気付き、少女の殻から脱皮をし大人の女性へと変身していきます。そして自意識の硬い殻を脱ぎ捨てた彼女たちははいつの間にか「特別な自分」を手に入れているのです。
山田詠美作品で描かれる思春期の少女特有のジレンマ、そこからの脱出を、とても共感を持って読み漁ったの覚えています。



「ノルウェーの森」 村上春樹


この作品も高校生のとき好きでした。彼の作品も有名どころを何作か読みましたが、ストーリーというよりも作品の雰囲気が好きです。音楽やお酒、映画など本筋でないところがやたらマニアックで、きっと同世代の男の人が読んだら面白くてたまらないんだろうな。小さなエピソードもリアルで面白いし、作品全体は暗いものが多いけど細かいところを見ていくと結構笑える。本人は笑いをとるつもりは更々ないでしょうが(笑)。
この本のタイトルにもなったビートルズの「ノーウェジアンウッド」も凄く好きです。私の場合小説のほうが先だったので、この曲をきくと主人公のワタナベ君のように「ノルウェーの森」の小説世界が駆け巡ってきます。



「親指Pの修行時代」 松浦理英子


この作品は大学時代に読みました。そもそも松浦理恵子は大学のレポート課題になっていた「ナチュラル・ウーマン」を読んだのがはじめでした。「ナチュラル・ウーマン」のほうが作品としての完成度は高いようですが、私はこの「親指P~」も好きでした。
「右足の親指がペニスになったんです。」 という衝撃のプロローグからはじまり(なんのこっちゃ…)どうなることかと思いましたが、かなりのめり込んで読みました。今思い返してみるとストーリーって言うほどの展開はなかったような気がするんですが、同性愛者である作者の眼から見た性の見解が自由に語られています。ちょっと理屈っぽいんだけど「なるほど!」って思わせる論理展開がとっても楽しい(?)です。



「流しの下の骨」 江國香織


この小説はなんか好きです。江國香織といえばもっともっと有名な作品がたくさんあるけど、この「流しの下の骨」で描かれている家族の一人ひとりのキャラクターがとっても好きです。ドキュメンタリー番組でいうと「宮坂さん家に密着365日」って感じ(笑)。ただある家族の日常を淡々と描いている。作中の、流しの下の骨のエピソードにも代表されるような、他愛のない家族生活を題材にしながらも、家族の絆について考えさせられます。とても静かな…平穏なストーリーの中にも暖かさを感じる作品です。
主人公のこと子が、雨が降っているときの茫漠として奇妙な感じのする寂しさを「すーんとする」と表現するシーンがとても好きです。
私も幼い頃に同じように感じていたのを思い出し、ここの文章を読んだときに「そうそう!すーんとするよね!」妙に共感してしまいました。すーん…。



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