気まぐれの風

気まぐれの風

感涙のコンサート


ど何事にも好奇心旺盛な私だから行くことにした。
インターネットで調べたら「盲目のテノール歌手」となっていた。

場所は「クラブ・チッタ」。
ここは前にも入ったことがあるけど、そのときとは違って椅子がぎっしりと置か
れていた。
もらったチケットを見ると「5000円」、それにワンドリンク500円が必要。
要するに5500円のコンサート。
可動式の折りたたみ椅子で会場はクラッシックを聞くようなきちんとしたところ
じゃないのに...とちょっと不満に思っているとコンサートが始まった。

歌が始まって、やはり会場に無理があると思った。
せっかくのテノールの声が綺麗に聞こえない。
でも、なぜか緊張していた私。
歌の間には、このコンサートの題名が「おしゃべりコンサート」とあるようにお
しゃべりがあった。
ほとんど「ダジャレ」「おやじギャグ」。
会場の緊張は一気にほぐれたようだ。

初めは外国のクラッシクや民謡だったから、ただなんとなく聞いていたけど、休
憩後は日本の歌を多く歌ってくれた。
日本の歌もだいぶ古いもので知ってる歌は滝廉太郎の「花」ぐらいだった。
でも、あっと言う間に最後の歌が終わってしまった。
歌声が聞きやすく心地よかったからだと思う。

アンコールの拍手が鳴り止まず、2曲歌ってくれた。
最後の曲は「さとうきび畑」。
彼の生い立ちと重なってとても深い意味の歌に聞こえ、涙が止まらなかった。
途中で気がついたけど、今までどの歌を歌っているときも手はただ下に下げてい
たのに、この歌のときはグーを握っていた。
それを見たら更に涙があふれた。
こんなに悲しく、この人に合った歌があるなんて。。。
この「さとうきび畑」はとても良いメロディーだけど歌詞が悲しすぎる。
特に彼が歌うには・・・。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: