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子どもから大人へのメッセージ



「子どもから大人へのメッセージ」

お話しさせていただくこととても光栄です。こんなことを言うのを許して頂きたいのですが、グローバルフォーラムを聞いていて物足りなく感じました。私たち子どもは自然と密接な関係を失っていません。おたまじゃくしや花や昆虫などを愛しています。そして人間が自然の一部であることがよく分かります。

「価値の転換はどうすればいいか」と一生懸命に取り組んでいる大人たちを見ていると、複雑なことを考えすぎて簡単なことを忘れてしまっているように思うのです。価値の転換の秘密は、子どもの頃を思い出すことです。自然の中で遊んだこと、それがどんなに好きだったか、それがどれほど大切だったか、大人が何でも解決してくれると信じていたこと、何が正しく何が間違っていたかを思い出してください。
本当に大切なことは、純白で偽りのないことなのです。あなた方の中の子どもの心は、一番大切な価値や本質を知っています。それなのにあなた方の興味は株や出世やお金儲けのことばかりです。あなた方は「子どもの時自然はいつもそばにあった」という思い出をもつ最後の世代になってしまうのではないでしょうか。すでに都会の子どもたちには自然に触れ合う経験はありません。

私は21世紀に21歳になります。あなた方の残した地球で生きる事になるのです。私たちが生きることのできる地球を残すためには、大きな変革が早急に実現する必要があります。本当にそれをしてもらえるのでしょうか。もしあなた方がやらなければ、いったい誰がするのでしょうか。
もうこれ以上私たちの地球を破壊することを正当化することを受け入れることはできません。ソマリアやバングラディッシュでは子どもたちが飢えで苦しんでいます。でも豊かな国の政府は分け与えることはしたくないようです。貧困や公害をなくすことのできるお金が破壊や殺人のために使われていることが不思議でなりません。

私は子ども環境機構(ECHO)で自然の保護活動をしていますが、いつも「経済が第一だ」という論争に巻き込まれます。でもきれいな空気、水、土がなければどうやって生きていけるというのでしょう。あなた方はどうしてそれが分からないのですか。友達の両親はタバコを吸います。そして「大人になってもタバコを吸ったらダメよ」と言います。でも、きっとその子はタバコを吸うと思います。大人は子どもの見本なのです。大人はよく言います、

「子どもは大人の望み、世界を救うでしょう」と。それは言い訳です。あなたがモデルなのに、子どもが違う行動を取れるでしょうか。いつも言っているではないですか。「けんかをしてはいけない、生き物を傷つけてはいけない、分け合いなさい、欲張ってはいけない」と。でもあなた方はいけないことをしているのではないですか。

私の両親は環境保護の運動をしています。私は、自分の両親が変化のために組織をつくり、変化のために活動をしていることを誇りに思います。将来を失うということはとても恐ろしいことです。お金がなくなったり、株が下がったりすることとは比較になりません。
私はたくさんの動物、鳥や昆虫を見ることができましたが、果たして私の子どもはそれらを見ることが出来るでしょうか。あなた方は子どものとき、こんな心配をしたことがありましたか。すべてはあなた方の時代から起こり始めています。そして「まだ十分時間と答えがある」ように振る舞っています。でもオゾンホールの修復の仕方を知らないでしょう。死んでしまった川に鮭を呼び戻せないでしょう。絶滅した動物たちを生き返らせないでしょう。砂漠になった森を元に戻せないでしょう。それが出来ないのならせめて、もうこれ以上壊すのは止めて下さい。

ブラジル地球サミットのとき、リオで道に住んでいる子ども(ストリートチルドレン)を見てショックを受けました。その一人が私に「もし僕が金持ちだったら、みんなに食べ物や服や小屋をあげるのに・・・」と言いました。必要なものをすべて持っているあなた方がなぜ欲しがるのでしょうか。
このグローバルフォーラムで聞いたことは去年リオでも聞きましたが、混乱は更にひどくなるように思われます。会議で決めた事が実行されるのはいつのことでしょう。本当に心配でたまりません。あなた方は私たちのモデルです。私たちはあなた方のようになろうとしているのです。どうかお手本を見せてください。勇気を失わないでください。
「他の子の言う事など気にしないで。人の真似をするんじゃありません」と言うではありませんか。どうして変化を恐れるのですか?最後に、世界中の子どもたち、未来の人たち、動物、植物を代表して尋ねます。

「あなた方は何を遺産として私たちに残してくれるのですか」
「あなた方が待っているのはいったい何ですか」

ありがとうございました。

セブリン鈴木( 当時13歳 ・女性)

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