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2003年06月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、デイビッド・ベッカムの続きです。

昨日は、ベッカムというサッカー選手について、
(1) マンチャスター・ユナイテッドという統制のとれたチームで、実に精力的に動くチームプレーヤーであること。
(2) ベッカムは昔ながらのマンチェスターのサポーターと一体感のある家族のような関係を保っていること。
を、私が実際に彼をスタジアムで観た印象として書きました。

今日は、いわゆる日本での「ベッカム報道」について書きたいのだけれど、その前にもう少しベッカム本人について書いてみたいと思います。

まず、ベッカムはその奇妙奇天烈なファッションと髪型、派手な行動が常に話題になりますが、彼の発言そのものに注目された方はどれくらいいるだろうか。

彼はあまり頭が良さそうではないし、能弁ではないのだけれど、
その発言は極めてまともです。


悩みある人からレターが来れば、「決してくじけてはいけない」と誠実に返事を送り、
人種差別に対しては「断固としてあってはならないこと」とテレビでメッセージを出す。

試合に勝てば、常に「全員がヒーローだ」とコメントし、
負ければ相手を称え、味方の選手を徹底的にかばう。
(W杯ブラジル戦敗戦後、ミスしたGKシーマンを彼が擁護したのを覚えている人も多いでしょう)

また、彼が「俺はすごい」とか「自分が一番」とか発言したのも聞いたことがない。
インタビューで「自分は世界一の選手だと思うか?」と聞かれた彼の答えは、
「それはジダンだと思う」
でした。

とにかく、彼はその幼稚で間の抜けた話し方ではありますが、
言っている事は徹底してまっとうで、一度として失言をしたことはないのです。


次に、そのファッションや行動についてですが、
人に見られる商売をしてるのだから、自分をきれいに見せるよう気を遣うのは、基本的に至極当たり前のことだと私は思いますね。

むしろ、これまでスポーツ選手はそういうところにいい加減すぎたとさえ思います。
ベッカムがファッションや髪型で注目を集めることは、それ自体は批判されることじゃない。サッカーやスポーツに興味がない人にまで、関心を持たせるようにした彼の功績は大きいと思います。

ただ、ベッカムのセンスがいいかどうかは別問題。


ついでに嫁のことについて言えば、
私は、もしこの嫁とベッカムが結婚してなかったら、ベッカムはこれほど金を取れる選手になってなかったと思うので、彼女が彼をプロデュースしたことは、これまでは肯定的に見てます。

彼は結婚前、顔がいいだけで非常にやぼったかった(らしい)。
この嫁と結婚して、彼女のいいなりに髪形やファッションを変えて、派手な行動をしなければ、ただのイングランドの1サッカー選手で終わっていたでしょう。これまでは、この嫁と結婚したことは、成功と言っていい。

ただ、これからは大変でしょう。
ベッカムは選手として下り坂に入りますから、派手な行動に批判が噴出してくることでしょうね。それをどういうふうに軟着陸させるかが大事なのですが、あの嫁にはきっとどうしたらいいかわからんでしょうから。

最後に、彼の移籍に関して少し。
やれ「金額ほどの価値はない」とか「トップ下でプレーすることを要求したのが思い上がりもはなはだしい」「ラウルの7番を要求した」とかいろいろ言われているようですが、
基本的に、自分を高く売ろうとして交渉するのは、プロスポーツ選手として正当な行為。
契約の条件がよければ、それだけ大事に扱われるわけだから。

これも、その行為自体が事実であるとしても、批判されるべきことではない。
レアルも、受けられないものはちゃんと拒否してますよ。

活躍できなければ、彼が非難を浴びるだけでしょう。
私はスペインサッカーをよく知りませんから、グティがどれほどの選手か知りませんが、
少なくとも、例えば中田英寿とベッカムを比べたら、総合的には中田のほうが上だと思いますよ。で、中田がレアルに入ったらレギュラーになれるか?無理でしょう。

彼の価値については、別の側面から1つ。
前回、「止めて蹴るだけ」のベッカムのプレースタイルについて書きましたが、
それを裏返せば、彼はサッカー選手として平凡な才能しか持っていないということ。
彼はスピードがないし、身体的にも強くない。
それを、子供の頃からものすごい数のキックの練習をすることで克服した、努力の人だというのは有名な話。

才能がなくても、努力すれば世界最高の年収を得る選手になれる、という最高の見本ということです。

ベッカム報道について書こうとして、前置が極端に長くなってしまいました。
日本のマスコミの報道について思うのは、「事実を捻じ曲げるな!」ということ。
その結果、日本が恥をかいているのだから。

日本のスポーツ新聞やワイドショーの元ネタは、英国のタブロイド紙だと思われるのだけれど、その嘘ばっかりのタブロイドすら、日本のマスコミは捻じ曲げている。

例えば、イングランドVSトルコ戦の時、日本のスポーツ新聞は「世界が注目するイケメン対決ベッカムVSイルハン」とか書いてたように思うが、
誰もそんなこと注目してません。ベッカムはこちらでは女性人気はない。
もう結婚してるし。
それに、イルハンがトルコのエースストライカーで危険がという認識はイングランド人にはあったけれども、彼をイケメンだと思う人は一人としていません。

第一、 この試合は欧州選手権予選の大一番。試合中エキサイトしたイングランドサポーターがグラウンドに乱入して大変なことになったんだから。選手の顔がいいとか、悪いとか、そんなことに注目してる余裕は誰にもなかったのです。

ファーガソン監督に関する報道も、彼を悪者扱いするものは実際英国では皆無。
こちらでは、ベッカム移籍を監督との確執とする報道は全くないと断言できます。

例えば、The Guardianでは、元アーセナルの評論家、トニー・アダムスが
「右サイドはスールシャールのほうが総合的に上。ベッカムは来期ポジションがない」と断じてます。つまり英国一流紙はベッカムの移籍は、彼自身がマンUの来期構想から外れたためだと、淡々と伝えているのです。

そんなこんなで、マスコミで作られた日本のベッカム人気、BBCでも報道されましたが、英国ではどのように受け止められているかというと、むかし
「全盛期をすぎた西城秀樹が香港でスーパースター扱いなんだって。ふ~ん、変だね」
と我々が不思議に思ったのとよく似ている。例えが悪いですが。

要は、英国人に田舎者扱いされてますよ、日本は。

この報道では、ベッカム本人の人間性の優れた点、プレーヤーとしての価値も正確に伝わらない。

残念なことだと思ってます。






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最終更新日  2003年06月25日 21時30分25秒


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