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2004年07月31日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
たまには、こんなことを書いてもいいかな。

「国際(International)という言葉」

私はこの『国際』という言葉が嫌いだ。
これはずっと悩まされてきた言葉とも言える。
この言葉とずっと格闘してきたとも言える。

何を言っているのだと思われるかもしれない。
英国に住んで研究生活をしているあなたが
『国際』という言葉が嫌いだと?

話は14年前、私が大学4年生で就職活動をしていた頃に遡る。


商社をOB訪問していた。
ここでの『国際的な仕事』とは、

「外国を飛び回り、外人と交渉をするかっこいい仕事」

という定義がたぶん合っていると思う。
なんて幼稚な定義と言わんでほしい。
その当時の私など、しょせんその程度の浅はかさだ。

それでラッキーなことに、
たこちゅー商事という
商社に入社できたわけだ。

私は

「アメリカの『国際的な』大学でMBAを取って

『国際的な』ビジネスマンになる。。。。」

と希望で胸を膨らませて入社した。
石油のようなやくざな商売とアメリカのMBAの
どこに整合性があるのかよくわからないが、
その当時の私など、しょせんその程度の浅はかさだ。



『国際人』を目指したかみぽこに
最初の挫折が訪れる。

国内鉄鋼部門に配属されたのだ。

配属初日、部長と面談したとき、
部長に私は聞いた。

「貿易部門とローテーションはあるんですか?
MBAに派遣することはあるんですか?」

いきなり国内部門の部長にこんなことを聞くのも困ったもんだが
部長の返事ははっきりしたもんだった。

「毛頭ない。」

私の『国際人』への夢は、仕事が始まった初日に崩れ去った。
あらら、かわいそうに。。。

しかし、である。
国内鉄鋼部門に配属されたのだが、
仕事は結構海外との付き合いが多かったのだ。

日本に鋼材を輸入したいという業者との
輸入の商売があった。
それで納入される物を実際見たり、
工場を見学するために
海外出張も何度も行った。
主に韓国だったが。。。

それから、「間接輸出」という商売があったのだ。
これはね、日本のプラントメーカーや重工メーカーが
海外のプラント物件を受注した際、
日本国内で材料を買って、
自分で海外にそれを持っていくという商売。

これを私たち商社の立場から言えば、
日本の鉄鋼メーカー(新日鉄とか)から材料を買って、
国内でプラントメーカーに渡す。
その先は、プラントメーカーさんが
自分で海外に持っていくので我々は知らんと。

しかし、我々は知らんと言っても、
実際には海外で使われるわけだから、
仕様書は英語で書かれてるし、
鋼材の規格はJISでなく、
ASTM(アメリカのJISね)やAPI(アメリカの石油用の規格)
である。

最終ユーザー(プラントメーカーの先のお客さん)が
べクテルとかプルタミナとかタイ・オイルとか
外国の会社だ。
だから、場所は東京だけど、
「外国のビジネスマンと打ち合わせ」を何度もした。

「おお、実際は『国際的な』仕事やんけ!」
私は喜んだ。

しかし、周囲の目は厳しい。。。

同期入社で集まって酒を飲んだりする。
お互いどんな仕事をしてるか語り合ったりする。

俺は機械をヨーロッパに輸出しとるとか、
アルゼンチンと紙パルプの商売しとるとか、
みんなが『国際的なビジネス』を熱く語る中、
私の番になると。。。

「かみぽこは『国内』だからな。」

と話をする前から冷めた空気に。

「おいおい。俺だって輸入とか、
プラント向けとかやってるよ」

と言ってみたが、

「なんで『国内』のお前が
そんなことやってんの?
いいよいいよ、無理して話作らなくても」

と相手にしてくれない。

「いや、ほんとなんだって。」

と抵抗しようとしたが、だめだった。
入社1-2年目頃、まだみんな浅はかなころだったからね。

『国際』と『国内』で同期を2つに分けて、
国際組が国内組を蔑視する構図。

あの親友・かわぽこにさえ、
何度言われたことか。

「お前は『国内』だから、わからんだろうが。。。」

うううううううううううううううううううううう。
くやぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。

しかしね。
私はこの屈辱的な日々から、
(もちろん後から考えると屈辱でもなんでもないんだけど)
非常に重要なことを学んでいた。

それはね、私がやっていた商売から気がついたのだが、
実は「国内商売」って『国際的』だってこと。

東京で商売をするということは、
日本人だけを相手にしているわけではない。

東京で物を売りたいという人が
外国からたくさんやってくる。

東京で物を買いたいという人が
外国からたくさんやってくる。

東京で商売をすると、
実にたくさんの外国人を相手にしなければならない。
東京ってのは世界で最も大きなビジネス・マーケットの1つなのだから。

このことに私は気がついたのだ。
日本から外国に出て行くことが『国際的』なのではない。
日本そのものが巨大な『国際的マーケット』なのだ。
もっと言えば、国内とか国際とか
そんなもんは実はない。
国際人とかいうものも、
実はいないのである。

私が今、外国にいながら、
非常に冷めた感覚で英国政治を見ることができたり、
英国と比べた日本のよさを認識できるのは、
この時の経験が大きいと思う。

そんなこんなで、私は
『国際的』でなければいけないと
思うことはなくなっていたのだが、
会社を辞めた今になって、
またこの『国際的』という言葉に
ため息をつかされることがある。

今、学校で,
日本人で初めて会った人と挨拶するときがある。

この時、

「政治学を研究してます。」

と私が言うと、必ずこう言われる。

「ああ、『国際関係論』をやってらっしゃるんですね。」

その時、この人たちは

(まあ、とても高尚なことを研究していらっしゃる)

という感じのキラキラとした尊敬の念を込めた視線で
私を見てくれる。

しかし、私が

「いや、『国内政治』をやってます。」

というと、この人たちは
必ず、本当に必ず
一瞬顔が引きつり、

「え?あ、そうですか。
いや、難しいことをやってらっしゃるんですねえ。」

と言い、そこで話が止まる。
きっと、

(なんて汚いことを研究してるんだ、この人は。)

と思ったに違いない。

『国際政治』だと、援助とかNGOとか国際機関とか、
非常にきれいなイメージになるのに、
『国内政治』だと、とたんに
利益誘導、汚職とか腐敗といった、汚いイメージになる。

(私自身は、援助・NGO・国際機関がきれいだとは毛頭思ってないですが。。。)

国内政治なしに、国際政治はありえないのだが、
なかなかそういうことをわかってくれる人はいないね。

そういえば今、日本の大学では
『国際』か『環境』か『情報』を
名前につけないと学生が集まらないらしい。。。

『国際情報環境学部』って
どこかの大学にあったな。
一体何を教えてるんだろう。。。

ため息が出る。。。

『国際』という言葉に悩まされる
私の日々は、まだまだ終わりそうにない。(苦笑)

たわいのない独り言でございました。





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最終更新日  2004年08月01日 03時36分46秒


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