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2006年03月19日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
8.ガブリエラとの対決(後編)


さて「ガブリエラとの対決」後編。

いや、対決と書いたのだけど、
実際はそんな激しい話になったわけではないのだ。

ただ、私の心の持ち様は
「対決」に臨むようなものだったということは言えるだろう。

私は英国留学を志してから
とほほな日々を送っていたのだが、

土壇場で意外に思い切った行動にでている。

このガブリエラ攻略戦はこんな感じだった。

私はまず、どうやってガブリエラの隣に首尾よく座るかを考えた。
その結論は、教室の入口の近くの、
入口から数えて3番目の席に座ることだった。

朝、授業が始まる10分前、
まだ誰も来てない教室に入って、
しれっと入口から3番目の席に座る。

そのうちぞろぞろとクラスメートが入ってきて、
奥の席に座る。
しかし、ガブリエラは来ない。。。


ガブリエラは所詮ラテン系のアルゼンチン人。
時間にはルーズだ。
彼女は大体朝は10分くらい遅れて眠そうな顔で教室に入ってきた。

「そーりー、あいむれいと」

とか言いながら、教室の奥には入らず

そうすると、彼女の横には私が無表情で座っていると。(笑)

こうして、まず

「いつの間にか毎日ガブリエラの隣に座っている作戦」

は成功した。

次は、「ガブリエラと正面を向き合って話す作戦」。

どういうことかというと、
ガブリエラが授業で発言するのを割って入るのは不可能なのだが、
授業は、「隣の人と向き合って2人で議論しましょう」
という形を取ることも多かった。

この機会にガブリエラと真正面から議論することで、
彼女の英語と議論の強さに慣れようとしたのだ。

最初は怖かった。
先生のリチャードが

「OK! じゃあ、このテーマについて、隣の人と議論してみて。
時間は5分間。はい、スタート!」

とか言うと、
もうそのたびに本当に

「はあー。。。」

とため息が出そうだった。

ガブリエラと正面を向き合うと、
まず彼女が間髪入れず、

「私の意見はね、何たらかんたらなんたらかんたら。。。。」

と話し始める。

しゃべるのが早いのと同時に、
英語のアクセントが完全なスパニッシュなまり。
スパニッシュなまりというのは簡単にいうと
「important(インポータント)」を「インポルタント」
というように、スペイン語のように発音する英語なのだが、
これが慣れるまではわけがわからん。

特に、ラテン系の人というのは、
単語とかわかんないでも、とにかくしゃべり続けようとする。
わからない単語はスペイン語の単語を平気で混ぜて
しゃべり続けようとする。

つまり簡単にいうと日本語で
「This is せんえん(1000円)」
と言っちゃうようなものなのだ。

こうなると本当にわけわかんないのだ。

ということで、ガブリエラの演説を
私はただ「Yes, Yes, Yes, Yes」
と言って延々と聞くだけなのだが、
ああ、これで私は一言も発せず終りかと思っていると、
意外な事が起きた。。。

5分の議論の時間のうち、
3分くらい経過したら、
ガブリエラは話すのをぴたっとやめるのだ。

そして、

「かみぽこ、あなたはどう思うの?
日本ではどうなの、この問題?」

と私に質問するのだ。

私がちょっとどきっとしながらも

「えー、日本ではね、そのー、あのー、かくかくしかじか、あのー、なんだけどね。。。」

という感じでたどたどしく話すのを
彼女はまっすぐに私を見てうなずきながら聞くのだ。

これは驚いた。
ガブリエラというのは、
勢いに任せて自分で一方的に話す怖い人だと思っていたが
これは大きな間違いだったのだ。

彼女は確かにどんな時でも自分の意見を積極的に言おうとするが、
ただ自分が言いたいことを言うだけでなく、
同時に、他の人の意見もきちんと聞こうとする、
実にすばらしい人だったのだ。

私が「ガブリエラとの対決」を決意したのは、
彼女が怖い人で、それに慣れるためだったのだが、
それは大きな間違いだった。
人を第一印象で判断してはいけないと本当に思った。

そして、ガブリエラとの対決は別な意味で大成功だった。
1対1の議論の場で、
彼女は常に私に発言の場を公平に与えてくれた。
まじめに聞いてくれる彼女に対して
苦労しながらもなんとか言いたいことを伝えようとする努力は、
私の英会話力向上の第一歩につながったのは間違いない。





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最終更新日  2006年04月19日 07時19分57秒


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