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2006年04月27日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「英国留学回想録」です。


「言い分が通った訳」。

先週は、プレセッショナル・イングリッシュコース修了後、
試験を受けることへの危機感から、
なんとか試験を免除してもらうべく、
政治・国際関係学部教授、アラン・レイトン=スミス教授に
メールしたことを書いた。

そして、教授の研究室に向かったのだった。


教授は二カッと笑いながら

「ハーイ、かみぽこ。
メールは読んだよ。
まあ、座りなさい」

と言った。

ところが、私が席に着くやいなや、
教授はいきなりこう言った。

「試験は受けなくていい。
アンコンディショナル(条件なし)
に入学許可を変えます。

おめでとう。」



いきなり条件なし?
つまり。。。
つまり、大学院の入学が決まりってこと??

私が教授に出したメールでは、
試験の内容がコースでやっていることと一致してないので、

と要望していた。

それをいきなり、
もう審査なしで大学院に入れてやるってこと?

い、いや、ちょっと待って、
そこまでずうずうしいお願いはしてない、
と言い掛けたとき、
教授がニカッと笑って話し始めた。

「リチャードに聞きました。
君は会話より書くほうが上達してるらしいね。」

リチャードとは、これまで何度も登場している
プレセッショナルコースでの私の先生の事。
彼は政治・国際関係学部の博士候補生でもあったので、
私は教授へのメールで、
リチャードに私の英語の上達について聞いてくれと書いたのだ。

ほんとに聞いてくれたのか。
教授は続けて言う。

「リチャードによると、
君は非常に勤勉で、
課題以上のことをやって、
彼に提出しているらしいじゃないか。

彼の見解では、
君は大学院でやっていけるということだ。

だから、英語の試験を免除して
君を受け入れます。」

。。。。なんだか夢のようだった。
この瞬間、事実上大学院への入学が決まったのだから。

「ありがとうございます」
とも言わず、私が呆然としていると、

教授はクルッと私に背中を向けて、
机に向かい、電話を掛け始めた。

「ああ、政治・国際関係学部の
ヘンリー=スミスです。

政治学研究科修士に入学予定の
かみぽこの条件を変えます。

英語試験受験は免除ということで。

はい。はい。
それじゃ、そういうことで、
よろしく。」

ガチャンと電話を切って、
教授が再び私のほうを向いて、
ニカッと笑いながら言った。

「大学院事務所に話した。
正式受け入れの書類がすぐにできる。
これで万事OKだ。

学生ビザの更新の問題があるんだろう?
明日にでも書類を事務所に取りにいきなさい。」

「あ、あ、ありがとうございます。」
私はここでようやく言葉を発することができた。

教授に会う前は、
何度も何度も床に頭をこすりつけて
土下座でもしないといけないかと思っていたのに、
教授の対応は、あまりにも拍子抜けであった。

私が教授に申し出たことは、
例えば日本の大学入試で、
試験を受ける前から過去問の傾向が自分に合わないので、
試験免除で入学させろって訴えたようなもんだ。

つまりは、むちゃくちゃであった。

しかし、むちゃくちゃな申し出ではあったのだけど、
それを教授があっさりと受け入れてくれたのには、
ちゃんとした理由はあったと思う。

私のこれまでの行動のいくつかが、
教授の決定の伏線になったと思うのだ。

これはもしかしたら、
留学を志す人や、
あるいは人生一般に
多少なりとも教訓があるかもしれないので、
書いておきたいと思う。

まずもって指摘すべき点は、
私があんな厚かましい申し出のメールを教授に送れたということである。
そして同時に、教授がそのメールをちゃんと読んだということだ。

これはつまり、
私と教授が1度会っていたことが大きい。

私がプレセッショナルコースの休みの日に、
教授に連絡して挨拶に行ったことは以前書いたが、
あれがなかったら私はいくら困っていても
厚かましい申し出はしなかっただろう。

教授だって、
会ったこともない奴から
試験を免除しろって言われたら、
うちの学校を馬鹿にするなってことで
無視はしないまでも、
「試験を受けなさい」
って返事して終わったと思う。

とにかく、一度会っていたのが大きかったと思う。

次に、教授に私のことを聞かれた
リチャードのコメント。

「かみぽこは非常に勤勉で、
課題以上のことをやって、
提出している。

かみぽこは大学院でやっていける。」

私がリチャードに、
与えられた課題以上をやって
提出していたことが効いていたのだ。

リチャードは、淡々と私が提出したものを
添削して返してくれるだけで
何も言わなかったが、
きちんと評価してくれていたのだ。

勤勉は評価されるということだ。
当たり前と言えば当たり前のことなのだが。

そして、もう1つ指摘するとすれば、
リチャードと教授が私を評価した時、
この「勤勉」であることが
「英語力」よりも重視されたということだろう。

リチャードの教授へのコメントでは、
私の英語力についての言及がない。

彼は、私が
「勤勉だから大学院でやっていける」
とコメントしているだけである。

そして教授はそのコメントだけで
私を大学院に受け入れることを決めたのである。

私はリチャードが授業でいつもこう言っていたのを思い出す。

「修士で勉強するのに知性はいらない。
いるのは体力だけだ。」

彼はそう言いながら、
毎日毎日我々学生に宿題を出し続けていた。

彼が言いたかったことは、
その時はあまりわからなかったのだが、
今思うと、
大学院修士で勉強するのに何より大事なのは
「頭のよさより勤勉であること」
だということだったのだろう。

いくら英語ができても、
山のような課題をこなしていくには、
勤勉さがなければどうにもならない。

むしろ、勤勉さがあれば、
英語はなんとかなっていく。

それは、アラン・レイトン=スミス教授や
リチャードのたぶんこれまでいろんな留学生を見てきた
経験に基づく判断だったのだろうと思う。

まあ、要するに
試験なしで大学院入れてくれという
私のむちゃくちゃな申し出は、
私のこれまでの何となくこうしたほうがいいかな?
という行動、つまり

「お世話になる人には挨拶をする」
「勤勉であろうと努める」

といういかにも日本的な行動が
たまたま功を奏して
受け入れられることになった。(苦笑)

だが、大学院入学への最後の戦いは
これで終わったわけではなかった。
さらなるトラブルが
私を待ち受けていたのである。





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最終更新日  2006年05月20日 16時55分33秒


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