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2007年07月12日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「なぜ塩崎恭久は撃たれないのか」


その理由を探るには
塩崎長官の政治家としての経歴を
振り返ってみるところから
始めてみたいと思う。

塩崎長官は1993年、第40回衆議院総選挙で、
父親である塩崎潤氏の地盤を受け継いで当選。
塩崎長官について語るには、この父、



の話から始めねばならない。

塩崎潤さんはね、僕が
「時事放談」を見て喜ぶような
変な子供だった頃に、(苦笑)
とてもまぶしい感じの
政治家だったんだよね。

なぜなら、愛媛県選出の国会議員は
なんか土建屋上がりの
いかにも田舎のオッサン風の人が
多かったんだけど
塩崎潤さんはスマートでね。


総選挙の開票を伝える番組を観てると
塩崎潤さんが自民党本部で
大平首相の横に座ってたりしてね。

「この人、偉いんだ」

と、なんとなく郷土の誇りみたいに


その塩崎潤さんは
どんな政治家だったかと言うと
大蔵省主税局長出身にもかかわらず
消費税導入に猛反対したことで
知られている。

また、自民党税調のメンバーとして
大蔵省が支配する政府税調から
税制に関する主導権を
自民党税調が奪い取るのに
多大なる貢献を果たした。

つまり、現在の
自民党税調主導体制の確立を
成し遂げた人であり、
これらの経歴から

「塩崎潤は、大蔵省出身でありながら、
大蔵省が最も忌み嫌う政治家」

として知られていた。(苦笑)

まあ、逆に言えば、
大蔵省出身政治家には
大蔵省の立場で
行動する人が多い中で
大蔵省の立場を超えて行動した
気骨ある政治家だったとも
言えるだろうね。

その塩崎潤さんの息子さんが
塩崎恭久官房長官ということになる。

塩崎長官は、
東大教養学部卒および
ハーバード大大学院(ケネディスクール)修了、
日本銀行出身という、
超エリートな経歴なのだけれども
彼の政治家としての転機は
自社さ政権の時に
自民党内に

「行政改革推進本部」

が、政調会とは独立した組織として
設置された時だろうと思う。

水野清行革本部長は

「大蔵省の息がかかっていない
若手の金融財政通」

として、塩崎さんに注目し
行革本部のメンバーとして抜擢した。

塩崎さんはここで、
金融市場の規制緩和・自由化、
いわゆる

「ビッグバン」

に取り組み始める。

95年には、塩崎さんは
文芸春秋に論文を発表した。
この論文上で、日本で初めて

「日本版ビッグバン」

という言葉が使われたと
言われている。

また、塩崎さんは
96年2月に発足した

「大蔵省改革与党プロジェクトチーム」

のメンバーとなった。

このチームについては
前回のエントリーでも書いたけど、
当時、大蔵官僚の度重なる不祥事、
国民福祉税導入など大蔵省の強引な手法や
住専処理策などの金融行政に対する
国民の批判が高まったことに
応えるために設置されたもので、
ここで主に取り組まれたことは

「大蔵省から金融検査・監督機能を分離する」
「日銀の、政府・大蔵省からの独立性を確立する」

つまり、現在の金融庁の誕生と
日銀法改正を検討したわけだ。

これは端的に言って
大蔵省の権限を
削減することに他ならず
チームの中で
大蔵省出身のメンバー・柳沢伯夫さんと
日銀寄りの塩崎さんが
大激論を繰り広げた
みたいな話も残っている。
(ただ、当時大蔵省内には
行政の効率化という観点から、
金融機能の分離、日銀の独立性確保に
問題意識を持って
取り組んでいた人たちがいたわけで
大蔵省は単純に改革に
反対ではなかったということは
前回のエントリーでも書いた通り。)

また、金融ビッグバンに関しては
こんな話もあった。

当時、大蔵省国際金融局長だった

「ミスター円・榊原英資氏」

は、ビッグバンのさきがけとなる
外為法改正に取り組んでいたが、
国際金融局内の
特にノンキャリの抵抗に
苦しんでいた。(苦笑)

「この仕事は、俺が30年やってきたんだ!
金融自由化?なんぼのもんじゃい!!」

てなわけで、オッサンの抵抗に
悩まされていたわけですな。。。(苦笑)

しかし、そこはさすがの榊原さん、
ふらふらっと行革本部の水野さんを訪ねると
外為法改正をやりたいが
大蔵省内の抵抗でできないと
こぼしまくった。

「つまり、国会に君を呼び出して
ぶったたきゃいいんだな?」

水野さんがこう榊原さんに尋ねると
榊原さんはそうとは言わないが
へへーっ、と言っていたという。。。(苦笑)

「わかった。ただ、ワシは
金融問題に詳しくない。
これは塩崎君にやってもらうからな」

国会の与党行革プロジェクトチームに
榊原さんは呼ばれ、
榊原さんへの質問には
塩崎さんが立った。

「このままでは、
日本の金融業界は完全に取り残され、
世界の落ちこぼれになってしまう。
外為法を見直すべきだ。

それをやらない大蔵省は
怠慢の限りだ」

これに榊原さんが
追い込まれる形で答える。

「帰って相談します。
積極的に検討します。。。」

その後、政治家の「本気」を知った
大蔵省内から改革への抵抗が
消えたという。。。(苦笑)

97年5月16日に、
外国為替の完全自由化を盛り込んだ
外国為替管理法改正案が成立した。

また、金融ビッグバンに関しては
自民党行革推進本部で
塩崎さんを中心に検討され
96年10月の総選挙での
自民党の公約の1つとなった。

その結果、総選挙後に
第二次橋本内閣が掲げた

「六大改革」

の1つに、金融制度改革が
盛り込まれることになった。

そして最後に、
98年7月の参院選で自民党が大敗して
橋本内閣が総辞職した後の
小渕内閣でのいわゆる

「金融国会」。

ここで塩崎さんは、
民主党の枝野幸男さん、池田元久さんや
自民党の石原伸晃さんらとともに

「政策新人類」

として登場する。

当時、政府・大蔵省は
経営が破綻した金融機関を救済する策、

「金融早期健全化法」

つまり、まだ破綻状態にはないものの
経営不安の金融機関に
一定の条件で公的資金を投入し
資本増強を図るという策を
準備していた。

しかし、政策新人類はこの策に反対し

「金融再生法」

つまり、破綻寸前の金融機関の資本を
政府が直接買い取って
特別公的管理(一時国有化)や
回収可能な債権の
受け皿の銀行(ブリッジバンク)を
設立するなどの策を主張した。

これは、政府が民間金融機関の経営に
直接関与するという
これまでの大蔵省の金融行政を
真っ向から否定するものであった。
(社会主義的手法、との批判も一部にあったが。。。)

この金融国会は、
最終的には小渕内閣が
自由党や公明党との
連立を模索することで
巻き返しを図り、
政府・与党案の
「金融早期健全化法」は成立したが、
政府与党と民主党との妥協で
同時に「金融再生法」も成立した。

その後、自自公連立によって
小渕内閣が軌道に乗ったことと
その後の森内閣時のいわゆる

「加藤の乱」

で、塩崎さんが一時派閥を
飛び出したこともあってか
小泉内閣では、

「財務大臣はシオザキとシオカワを
間違えたのではないか?」

と、外国メディアに言われたりしたが、
古賀派に復帰した後の
最後の小泉人事での
外務副大臣就任まで
表舞台に出ることはなかった。

まあ、小泉さんが

「広義の財務族」(苦笑)

だったから
塩崎さんは扱いづらかったと
いうこともあるだろうね。

さて、ここまで塩崎恭久さんの
経歴を振り返ってきたのだけど、
なによりも言えることは

「財務省(大蔵省)の天敵」

としての親子二代にわたる歩み、
それも、ただ単に財務省(大蔵省)に
対立しているだけではなく、

「自民党税調の権威の確立」
「大蔵省から金融庁の分離」
「金融市場における大蔵省の権限の削減」
「金融業界に対する大蔵省の裁量の削減」

と、見事なまでに
実績を積み上げてきて
いることである。

そんな塩崎さんを官房長官という
司令塔に起用して、
財務省完全排除の人事を行った
安倍内閣において、

「論功行賞で首相が選んだ閣僚ばかり
問題を起こしている」(青木幹雄さん)

つまり、おそらく狙い撃ちされて
スキャンダル頻発となっているのに、
なぜに最も狙われそうな
塩崎長官は撃たれないのか?

塩崎長官は、毎日
記者会見をしているのである。
記者会見で自らの疑惑を追及されたら
逃げようもないわけだしね。

塩崎長官が撃たれないのは、

「官房機密費爆弾をドカントカンと
打ち込んでいるから」

みたいな、ヨタ話をするつもりは
もちろんありません。(苦笑)

それでは、後編へ。





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最終更新日  2007年07月12日 23時58分48秒


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