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2009年05月04日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「かみぽこ政治学」です。

今日は、麻生首相が発表した
「史上最大」の補正予算案について
書いてみたいと思う。

麻生首相は予算総額15.4兆円の
補正予算案を提示した、

3月末に成立した
今年度予算88兆円と合わせると、
史上最高の103.4兆円にも達する


「歴史的予算」

と言えるが、
今回はこの予算を
遂に作り上げた
麻生首相の

「こだわり」

について考えてみたい。

今回の補正予算の内容をみてみる。

「低燃費車買い替え促進のため助成制度」
「太陽光発電や省エネ家電購入の補助制度」
「住宅取得のための時限的な贈与税の軽減」




特に、「贈与税の軽減」については、
既に史上最大規模の
住宅ローン減税を実施した上での
実施である。これは、

「年越し派遣村」


住む住宅がないような
失業者のための対策ではない。

むしろ、ある程度以上
お金を持っている人々への
支援策だ。

ここに麻生首相の

「こだわり」

があるように思う。

以前取り上げたように、
麻生首相は
景気や金融危機を
自分の手で解決したいと
考えてきた。

それは、麻生首相は自らを

「自民党随一の経済通」

だと信じているからだ。

その根拠は、
政界では数少ない
実業家としての経験で得た
経済感覚に対する自負である。

麻生首相の経済感覚を
支えているのが、

日本青年会議所(JC)

の人脈だ。

麻生首相は政治家になる前、
1978年度に
JCの会頭を務めた。

麻生首相は
JCメンバーから
地方の経済情勢など
生きた情報を収集し、
それを経済政策立案に
生かせていると
考えている。

そして、それが他の政治家と
自らの違いだとしている。

JCとは、20歳から40歳の
青年経済人で
構成されている組織である。

経団連など他の経済人組織と違う
JCの最大の特徴は、

「年齢制限」

である。

JCでは、満40才に達した
翌年には退会しなければならない。

ただ、JCには

「世襲経営者のサロンクラブ」

だという批判がある。

JCの主要なメンバーは
二代目・三代目の
世襲経営者である。

そしてJCから
経済政策などに
画期的な政策提言と
いうようなものが出てきて、
大きな話題となったことは
ほとんどない。

しかし今回、麻生首相は相当な

「こだわり」

を持って
JCからの生の声を
景気対策に取り入れた。

それがお金を持っている

「世襲経営者」

を救うような
支援策の数々なのだろう。

麻生首相は元々
経済政策については
自民党内で異端だった。

自民党内には

「財政再建派VS上げ潮派」

という経済政策の
路線対立が存在したが、
麻生首相は
このどちらにも
異を唱えていた。

麻生首相は就任後、
景気・金融危機対策に
取り組み始めるが、
自民党内から
麻生首相が目玉とした

「定額給付金」

を巡って
不協和音が起こった。

「異端」である麻生首相に
経済を任せたいと思っている人は、
自民党内で少数派だったからだ。

むしろ、大衆人気があった
麻生首相に自民党の顔として
総選挙を戦ってもらいたかったのである。

度重なる麻生首相の「失言」などもあり、
麻生内閣の支持率が急落したことから、
一時自民党内は
パニックのような状況になった。

しかし、日本経済は
100年に一度という
未曽有の経済危機に陥った。

選挙を目前に控えた
多くの自民党議員が
それまでの路線対立を捨てて
財政拡大の必要性を訴え始めた。

遂に「財政タカ派」の代表である
与謝野馨氏までもが

「財政再建の一時凍結」

と発言した。

麻生首相の
財政拡大路線は
党内でコンセンサスを
得ていったのだ。

そして、麻生首相はこれまで
「現場を知らない政治家」から
無視される傾向にあった
JCからの「現場の生の声」を
取り入れた、お金を持っている
世襲経営者のための
「こだわり」の景気対策を
実現した。

きっと麻生首相は
他の政治家にはできない
本物の景気対策だと
自負しているのだろう。

今回の補正予算では
その財源を10兆円
(財投債を加えると実に16兆円)の
国債の新規発行としている。

今年度の税収が
さらに減少することを
予想すると、
日本国債が国内の貯蓄で
ほとんど消化されている点を
考慮しても、
日本の財政の深刻度が
増すことは間違いない。

このように、麻生首相の
景気対策についての考え方で
もう1つ非常に特徴的なのは、
財政赤字への悪影響を
ほとんど考慮しない
徹底した財政出動を
断行しているということだ。

麻生首相以前は
「財政タカ派」も「上げ潮派」も、
その手法こそ違っていても
最終的な財政再建の
必要性ということでは
一致していた。

一方、麻生首相は
将来の財政再建そのものを
否定しているかのように見えるが、
ここにも麻生首相の

「こだわり」

があるのではないか。それは、

「英国趣味」

だった祖父・吉田茂元首相から
受け継いだ

「保守主義」

への「こだわり」だろう。

英国の保守主義の思想とは
一言で言えば、

「金持ちは貧しき者には分け与えよ」

というものだ。

違和感を持つ人がいるかもしれない。
現代では、保守主義は自由主義と
混同されがちだからだ。

しかし、元々この2つは
全く違う思想である。

大英帝国全盛期には、
貴族階級の政党である

「保守党」

は保護貿易を主張し、
中産階級の政党である

「自由党」

は自由貿易を支持して対立した。

伝統的な保守主義は、
むしろ労働党以上に

「ゆりかごから墓場まで
貧しき者には分け与える」

という思想である。

そして保守党は、
1970年代まで
労働党とのコンセンサスによって

「福祉国家」

を築いてきたのだ。

サッチャー首相の

「新自由主義」
とは、党勢が衰えて
保守党の一派閥となっていた
旧自由党勢力が、
派閥抗争に勝利して
党の主導権を握ってから
推進したものだ。

サッチャー政権期、
党内の保守主義者は
「新自由主義」に激しく反発した。

これは麻生首相の構造改革への嫌悪に
どこか似ている。

「英国趣味」

吉田元首相の孫で
自らも英国留学の経験を持つ
麻生首相は、

「貧しき者には分け与えよ」

という伝統的な保守主義に
「こだわり」があるのではないか。

「貧しき者」のためには
将来の財政再建など考えず
無尽蔵に分け与えるべきだ。

それが国を背負う者の「矜持」であると。

史上最大の景気対策から、
麻生首相のそんな考え方が
見える様な気がしてならない。



「かみぽこ政治学」バックナンバーは こちら。





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最終更新日  2009年05月05日 02時08分07秒


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