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2009年11月13日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「かみぽこ政治学」です。

「事業仕分け」が注目を集めているけど
それはちょっと落ち着いてから
しっかり論じるとして(苦笑)
今日は、日本郵政の次期社長に

「元大蔵事務次官・斎藤次郎
東京金融取引所社長(73)」

が決めったことについて
書いてみたいと思う。


私にとっては
懐かしい名前でしてね。

私の博士論文は
「大蔵省改革」とかを
事例にしてますけど、
この改革が断行された
引き金の1つとなったのが

「国民福祉税構想」

に対する、国民からの
激しい批判だった。

斎藤さんは細川内閣時の

「国民福祉税」構想の
仕掛け人ともされていたわけでね。

ということで、今日は
私のこれまでの
財務省(大蔵省)分析も

書いてみたいと思う。

この日本郵政社長人事は、
厳しく批判されてますね。

まあ、ある意味
当たり前のような
気がするけど。。。(苦笑)

まず、その批判の主なものが

「元官僚の登用は脱官僚依存という
鳩山由紀夫政権の基本方針に反する」
「天下り全廃という民主党の方針と
一貫性を欠く」
「特に、元財務官僚の
日銀総裁起用に
民主党が不同意したことと
著しく一貫性を欠く」

という、いわゆる

「官僚支配」

に対する批判があるね。

また、金融政策への
影響を懸念する声もある。

要は、郵貯の莫大な資金が
国債発行の受け皿になり、
バラマキ政策の財源となり、
更なる財政赤字の
悪化につながるという批判。

それと、亀ちゃん
(亀井静香郵政・金融担当相)が
推進しようとしている
中小企業への貸し出しに
振り向けられるとの
観測もあるようだ。

そして、

「鳩山新政権は郵政の国有化を
目指しているのではないか」

とかいう批判も
あるわけでね。

まあ、鳩山政権側は
これに対して

「郵政民営化見直しに対する考え方が
連立3党と一致している」
「斎藤氏が旧大蔵省を辞めてから
すでに10年以上が経過している」

と亀ちゃんが言ったり、
原口一博総務相も

「金融の中でしっかりとした
仕事をされてきた方。
最適な方に引き受けていただいた」

と発言したりして、
斎藤さん起用の
正しさを訴えようとしたけど、
まあ、これは「政治的」に言って
批判されるのは
しょうがないのだろうと
思うよね(苦笑)。

ただ、これら数々の批判には、
1つの重要なポイントが
抜けているように
思うんだよね。

今日は、それについて
考えてみたいのだけどね。

まず、郵政社長人事についての
さまざまな批判が
仮にその通りだとして
考えてみたい。

普通こういう場合、

「批判は的外れ」

と、始めるのだろうけどね(苦笑)。

ここではあえて、
ご批判はごもっとも、から
始めてみたい(苦笑)。

つまり、この郵政社長人事に対する
一番大きな批判である

「官僚批判」

が、あるものだと
仮定して考えてみたいのだ。

要は、斎藤社長が
彼の出身である
財務省の強い影響下にあるか、
そういうことはないにしても、
元大蔵事務次官として
官僚時代に培った
彼の思想信条に沿って
意思決定を行うと
仮定してみるのだ。

それでは、斎藤社長が
影響されるとする

「財務省の考え方」

とはなんなのかを
考えてみると。

ここでも、マスコミや
政治家が事あるごとに言う

「財務省支配」

なるものが、
本当にあるものだと
仮定して考えてみるわけだ
(私は必ずしも、
そのようなものが
あるとは考えてないけどね)。

「財務省支配」とは、
財務省主計局が
国家予算の編成権を持つことで
他省庁や政治家を
支配していると
いうことだ。

すべての政策は
予算措置を必要とするため
その予算の配分権を持つ
財務省主計局が
政治家や他省庁に対して
強い政治力を
持てるということだ。

それゆえに、
歴史的に政治家は
鳩山由紀夫首相の祖父
鳩山一郎内閣の時代から、
常に、予算編成権を
主計局から奪おうとして、
さまざまな画策を
してきたわけだね。

例えば、橋本行革での

「経済財政諮問会議」

も、それを廃止して
新たに設置しようとする
鳩山政権の

「国家戦略局」

という構想も、
政治家が主計局から
いかに予算編成の主導権を奪うかが
その問題意識となっているのだ。

それで、「財務省支配」に
話を戻すけれども
予算配分を通じて
各省庁や政治家を
支配するためには、

「財政規律」がしっかりした、

「均衡財政」

が、維持されていなければならない。

なぜなら、いくら財務省が
「健全財政」を訴えて、
予算配分権をちらつかせてみても、
実際には財政規律が緩んでいて、
国債をいくらでも
発行できるとなったら、
他省庁や政治家に対して
なんの説得力も持てなくなって
しまうからだ。

ところが、ここで財務省にとって
頭の痛い問題があった。それが、

「第二の国家予算」

と呼ばれた、

「財政投融資」

の存在だった。

「財政投融資」とは、
郵便貯金や年金積立金などが
旧大蔵省に預託されて、
特殊法人等へ
出資・融資されていたものだ。

予算と財政投融資の違いとは、
なんだろうか。

予算とは、採算は取れないけど
国民生活のために必要なものを
補助金という形で行うために
捻出される資金だ。

一方、財政投融資とは、
採算性があって、
出資した資金が
返ってきそうな事業に対し、
政府が有償資金として
資金を出すものだ。

財政投融資は、特殊法人等の
公的機関に対して融資され、
高速道路や空港などを
建設する大型事業や、
中小企業の事業資金、
国民の住宅建設資金などに
使われてきた。

財政投融資は、ピーク時には
約50兆円近い規模があり、
これが「第二の国家予算」と
呼ばれてき所以だけれどもね。

しかし、特殊法人がこの資金を
ほぼ自動的に受けられて、
自分で資金調達を行う
必要がなかったために、
市場から経営のチェックを
受けることがなかったために、
無駄な事業にジャブジャブと
資金が投じられてしまって、
その累積赤字は
数百兆円に達するとの
見方もあった。

また、さまざまな省庁の役人が
特殊法人に再就職(天下り)し、
高額の退職金を受け取っていることも
問題となったね。

しかし、財務省にとって
なにより頭が痛いのは、
財政投融資が財政赤字の
隠れ蓑となっていることだ。

財政投融資は、
一般会計の予算と違って、
国会で厳しい審議を
実質的には受けることがない。

その結果、予算をいくら
厳しく管理しても、
そこから漏れたものに
財政投融資が使われてしまうと。

それでは、いくら財務省が
予算削減を要求したところで
他省庁は一旦それを
受け入れたフリをして、
特殊法人などを経由して
財政投融資から
資金を引っ張ってくれば
いいことになる。

また、財務省自身も
族議員からの予算獲得の
強いプレッシャーと
財政再建を求める
首相ら政府首脳の間で
板挟みになることから逃げるために、
一般会計では
厳しいシーリングを設定する一方で、
財政投融資から各省庁・族議員に
資金が流れることは黙認した。

結果、80年代の財政再建の取り組みの結果、
90年代前半に一般会計では、
一旦財政再建が達成された一方で、
財政投融資の累積赤字が
数百兆円に達したという。

これでは、財務省が予算配分権を使って
各省庁や政治家を支配するのは
無理だということでね。

そして、このような
財政投融資が
財政赤字の隠れ蓑と
なってしまっているという
問題意識から、
財務省は、

「郵政民営化」

を着想して、それを

大蔵族議員・小泉純一郎

に主張させたというのは
広く知られた説である。

それでは、後編へ。





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最終更新日  2009年11月13日 11時45分19秒


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