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2006年05月02日
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カテゴリ: 生活と文化
ブログの再開なので、肩慣らしということで、他に投稿した過去の記事を投稿させていただきます

昨日は、いつもどおりスポーツジムで汗を流した後、行きつけの本屋に寄った。そこで、一冊の本のタイトルに目が留まり、躊躇うことなくそれを買い求めた。久々に是非読みたいと思う本に出合った瞬間だった。本のタイトルは「ラストホープ福島孝徳」。この名前を聞いてピントくる人はあまりいないかもしれない。日本人ながらも、本拠地がアメリカであり、活動の拠点が全世界におよぶ世界トップの脳外科医、それが福島孝徳氏である。

最近も民放のある番組で神の手を持つ男として紹介され、小生もその番組に釘付けとなったことを思い出した。そこでは48歳にして渡米し、米国の大学の教授となり、脳外科として数々の困難な手術を成功させた現代のブラックジャックとして紹介されていたのだ。臨床医としての腕のほどは、ブラックジャックをも凌ぐほどだが、その精神構造は手術の代償として高額の金銭的な見返りを要求するブラックジャックのそれではなく、むしろ庶民の味方である赤ひげ先生の感を強くさせる。東大医学部でのエリート医師であるのもかかわらず、論文、学会といった御用学者の世界とは一線を画し、臨床の場に身をおき、患者を第一と考えるそんな人物のようだ。権威主義の医学界、しかも東大の医局といえば、ドラマ白い巨塔をはるかにこえる権謀術策がうごめく魑魅魍魎の世界であることは創造に硬くない。福島氏自信も活躍の場を米国に求めきっかけとなったのは、大学の教授選であったらしい。そのことは、福島氏が日本の医学界、特に大学の医局を評して、白い巨塔ではなく、黒い巨塔といっていることからも容易に伺い知ることが出来る。

さて、小生が福島氏の存在を知って感銘受けた点ならびに現在医学の世界について問題と感じた点がいくつかあるので、紹介したい。まず、彼のバイタリティについてである。まず、50歳を目前に米国に乗り込んでいったことに対する旺盛な挑戦的意欲に驚かされる。如何に日本国内において天才の異名を欲しいままにした人間であっても、米国もしくは世界といった大舞台では失敗するリスク、不安はあったはずだ。しかし、それをものともせず、素晴らしい功績を挙げた福島氏をメジャーリーグの野茂にたとえる人がいるという。現代日本の40歳代後半の世代といえば、リトラの危機を回避するべく肩をすくめている世代ではないか。このチャレンジングスプリットは是非見習いたいものである。人間の限界は、挑戦することをやめた時であるというが、まさにそれを再認識させられるような福嶋氏の生き方ではないだろうか。

そんな福島氏が問題視するのは日本の旧態全とした医学界のあり方である。福島氏の存在を世界が認めるようになった現在も、日本の医学界のなかにはその存在を認めようとしない面子にこだわる医者、学者が多いらしいのだ。全世界を飛び回る福島氏が来日するのは年4、5回とのこと。むろんそれは手術のため、診察のためである。ただ、手術が実施されるのは、大学病院においてではなく、地方に医療センター、医院であるという。どうも、面子にこだわる国立大学の付属病院は手術の場を提供することに積極的ではないらいしい。それどころか、複数回の手術を実行し、処置しきれずにさじを投げ出す日本の脳外科医が結構いるらしく、そんな時、最後に登場するのがラストホープ、Dr.Fukushimaということになるらしいのだ。しかし、さじを投げた医師が福島氏に連絡をよこすようなことはなく、患者ならびにその家族が自らたどり着いた結果として、福嶋氏の出番になるというのがパターンらしい。患者にとっては、まったくもって許しがたい話なのだが、患者ではなく、自分の面子を第一に考える権威主義的な医者は当然のことながら、福島氏の存在がうとましいらしい。時にはラストホープの出番が遅すぎることもあるというのだ。それが前述の面子にこだわる医師、学者が原因だとしたら、それをなんと考えたらいいのだろう。医療ミスとまではいわないまでも、医師の良心を問いたい問題ではないだろうか。

現在62歳の福島氏は後進の育成に熱をいれているという。母国日本を愛する彼は、医学界のイチロー、松井を作り出すことが夢だという。しかし、皮肉にも、今の日本には彼の居場所がないという。日本が世界に誇る医学界の天才、ブラックジャック、ゴッドハンドが帰るべき日本の組織がないという状態のようだ。日本の医学界が三顧の礼をもって受け入れるべきところにもかかわらず、いまだに日本の医学界は素直に彼の存在を認めようとしない感さえもある。いまだに医者という存在が特別という考え方に取り付かれている輩の存在がいかにもうとましく感じられてしかたがない。

いずれの世界にも、改革を提唱、推進する者とそれに対抗する抵抗勢力が存在することは想像にかたくない。しかし、事が人の命にかかわることなだけに、通常の人間にはうかがい知れないことをいいことにして、自己の保身、面子を守る医師、学者の世界が優先されてはならないと思う。日本人自らがその優秀さを世界に示すことが出来ることを誇りに感じ、もっと開かれた世界がいずれの分野においてもみられることが強い日本の復活を示すことになるのではないかと小生は考えたい。





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最終更新日  2006年05月02日 08時45分31秒
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