こころの金メダル

こころの金メダル

南中ソーラン成功させ隊

南中ソーラン成功させ隊

               色文字=プリントに書いた文です


【学年通信】


「南中ソーラン成功させ隊」というのは、学年通信のタイトルです。

9月の運動会の前に作成していました。

ここでは、その内容を紹介しながら、学年教師集団が子どもとどのように関わっていったかを書きます。



 結果的には、南中ソーランは素晴らしいできばえとなり、子どもたちのこころの中に深く残るものとなりました。

保護者の方々からも「感動した」というお言葉をたくさんいただきました。



 「踊らされている」演技ではなくて、1人1人が「こころを1つに」の合い言葉の元に「踊った」ものになりました(小学校の運動会の演技には、えてしてやらされているというものが多いですが、その域を大きく超えていました)

その過程にはいろいろなことがありました。

それを乗り越えてきたからこそ、あの素晴らしい演技があったのだと思っています。


 「南中ソーラン成功させ隊」というものを通して、その様子をお伝えします。



【船 出】


 夏休みの最後の3日間、子どもらに呼びかけて、有志でソーランの練習に来てもらいました。

9月から全員に対して一斉に指導するのではなくて、「何人かには、事前にマスターしておいてもらおう」という意図からです。

予想したよりも多く、約30人が集まりました。

それぞれの予定があるので、決して強制したわけではありませんが、意識を持って来てくれたので、嬉しかったです。

そして、この3日間で、1組担任のA先生と2組担任のB先生が、熱心に指導してくれました。

自分は、ほとんどかけ声をかけていただけなので、申し訳なく思っています(笑)

 その様子を伝えたのが、この「南中ソーラン成功させ隊 NO.1」です




NO.1 ソーラン開始


【9月1日発行】


ポタッ、ポタッ、ポタッ・・・、ホールの床に汗が落ちる。

それでも、みんなは一生懸命に踊り続ける。

8月26日(金)、30日(火)、31日(水)の3日間、今年の運動会で5年生が取り組む「南中ソーラン」の自主練習を呼びかけたところ、3日間とも30人以上が集まってくれました。

「さぁ、やるで!」A先生の大きなかけ声でスタートしました。

みんなの汗がホールの床に落ちていきます。

「落ちた汗の数だけ上手くなっていった」と「ふ」は思いました。





9時集合なのに8時30分には学校に来ていたC、D。

サイドステップの足を間違えないように気にしていたE、

みんなの前で、テレながらもお手本の動きをしてくれたF、G。

その他のみんなも本当によくやってくれました。

正直言って、3日間でここまでできるとは思っていませんでした。

昨日の練習後、B先生が言いました。「今日、みんなの目がね、輝いているんですわ、僕ね、見ていてそれがよ~くわかったんです」

「ふ」はこの言葉を聴いて絶対に成功する!と確信しました。さぁ、やるで!




<参加した子どもの感想>



*かなりしんどかった。

でも、最後までおどれたからうれしい。

練習したかいがあったと思った。これを運動会でおどると、かなり「かっこいいやろう」と思った。

まだ知らない人に教えるのもしんどいと思う、でもがんばりたい。




*来てよかった!!とてもしんどかったけど、めっちゃ楽しかった。

来てよかったと思った。みんなが協力して、一番すごい南中ソーランにしたい。




 このNO.1を始業式の日に全員に配布しました。

そして練習(全員での)が始まりました。

練習の最初に「ふ」は次のことを120人全員の前で話しました。

それは「なぜ、ソーランをおどるのか?」ということです。

子どもらは「なんでそんなこときくん?」っていう感じでした。

「運動会の種目やからやろ」という意識がほとんど全員の子の頭の中にありました。

「ふ」は「ソーランをおどるのは、120人の気持ちを1つにするためや、普段、2人の気持ちを合わせることすら難しいのに、120人の気持ちを合わせることなど、めったにあることではない、でも、それをやったら5年生という集団は、ものすごく成長する」ということを言いました。

 子どもらは真剣に受け止めてくれました。

「あぁ、そうか」っていう感じでね。

素直なんですね。

これで「気持ちを1つに」という明確な目的意識を持たせました。

本当は自分たちで考えさせればいいんですが、なかなかそこまでの意識の高まりはありませんので、こういう形をとりました。

小学校の運動会の演技は、えてして「教師が作っている」という感覚を以前から強く持っていたので、それに一石を投じようと考えました。




NO.2 練習開始


【9月5日発行】


約束したことをキチッと守り、全員が時間通りに体育館に集合しました。

そこでみんなは「なぜ南中ソーランをやるのか?」「どんな気持ちでおどるのか?」という話を聴きました。

5年生全員が「よしっ、やろう!」という気持ちを持ってくれたように感じました。




先週のB先生と同じように、「みんなの目が真剣や~」と「ふ」も思いました。

台風がきているのでグランドは使えませんでしたが、みんなの気合いで台風の進路を動かすこともできそうです(笑)




明日からも毎日練習があります。身体が痛くなったりするかも知れませんが、みんなのがんばりに期待しています 。



<参加した子どもの感想 その2>


*3日間ずっと行ってたけど、全然イヤにならなかった。

1日目に教えてもらったことは、だいたいわかったけど、2日目と3日目は、まだほとんど覚えていない。

運動会までには全部覚えたい。




*練習はかなりしんどかったです。

ビデオではそんなに難しくないと思っていたけど、実際にしてみると、意外とすごくきつかったです。

ビデオで見ると、すごく上手でかんたんって思うけど、やっぱり実際にすると難しい。

運動会では、すごくかっこいい南中ソーランにしたいです。





NO.3 先生、やれるで!!~うれしかったです~


【9月6日発行】



パラパラ、パラパラ、ザー、雨が少しだけ強くなってきました。

場所はグランド。

4時間目、南中ソーランを始めようとして整列している時です。

雨の強さは、本当にビミョ~な感じ。

「ちょっとキツイけど外でやれるかな」というぐらいです。

「ふ」は「ちょっと無理かな」と思っていました。




A先生が、その時みんなに「ちよっと雨が強くなってきたんやけど、どうする?」って聞いた。

「ふ」は、みんなが「シ~ン」となって、誰も何も言わないだろうと思いました。

でも、その時あちこちから「先生、やれるで!!」「いける、いける」「やろ、やろ」という声があちこちからわき起こりました。




「あっ!これはいける、当日も絶対に最高の南中ソーランができる」とその時思いました。

B先生も「あの子ら前向きですねぇ、本当にエライですわ」と感心していました。

「みんなでやろう!」「いいものを作ろう!」という気持ちがとてもうれしかったですね。

明日はいよいよラストの部分です。また、ファイトやで!





NO.4 いくつある? ~みんなの気持ち~


【9月12日発行】



「なぜ、みんなでおどるのか?」それは120人の気持ちを1つにするためだと、先生たちは考えています。

先週の練習の時は、ただ踊っているだけで、気持ちがバラバラ(120通り)の時と、みんなの気持ちがピシッと1つになった時の両方がありました。




暑い中を、みんなはとてもマジメに熱心に、練習に取り組んでいます。

その成果が確実に出てきて、先週のうちにほとんどの人が、最後までマスターすることができています。

今日からは隊形の移動も入って、どんどん完成に近くなってきます。



これから先は、みんなの気持ちがいくつあるかが問題です。

「いつでも1つになれるのか?」ということですね。

みんなならやれると先生たちは思っています。




 とまぁ、こんな感じで練習は進んでいきましたが、どんな先生でも経験があることですが、順調に最後までいくことなどまずありません(「やらせている」という小学校の先生は、このあたりの感覚がやや鈍いような気がしますが)必ず、「波」がやってきます。

それをどのようにプラスに転じていくかが、学年教師集団の力だと思っています。


 一つ目の「波」はこのあたりで来ました。

暑さと疲れと、気持ちがすこし「慣れ」(悪い意味で)てきたことによって、集合時間を大きく遅れ、練習中も、動きが目に見えて悪くなりました。

その時にうったのが、次のNO.5です。



NO.5 坂 道


【9月14日発行】



毎日、暑い日が続きます。

みんなは、その中でも本当に一生懸命にがんばってくれていると先生たちは思っています。

ソーランを始めてから10日がたちました。

身体も心も疲れてくるのが、今の時期です。

そんな中でも、みんなは本当によくやってくれています
。



気持ちがダラ~となった時には(大きなケガも起こるので)先生たちのきびしい言葉もとびます。

今が一番しんどい時期です。




でも、ちょっと考えてみて。

ものすごい急な坂道を、汗かいてハァハァ言って登ったら、その後には、頂上から素晴らしい景色を見ることができる。

反対に、真っ直ぐな道を楽に歩いているだけやったら、その先には別に何もない。




時には「しんどい坂道」を登ることも大切だと思うんだけど、どう思いますか?

1人じゃないんだから・・・。

先生たちもふくめて5年生全員で登ってるんだから。

しっかり登りきって「最高のソーラン」をみんなで作ろう!




 そして、クラスでは「こころの金メダル」に次のようなものをのせました。



【9月14日 NO.58】

ソーラン失敗?


6時間目、ソーランの練習があった。

だけど、みんな遅れてしまった。

1組は「みんな、しゃべってた」2組は「理由なし」3組は「音楽で遅れた」

「ふ」「来ていた人だっておるやろう!」みんな、遅れたことを後悔してくれていると思う。

先生が言ったこと「最初から最後までできて完成や」最初で失敗してしまったと思う。

これからは遅れないようにして、ちゃんと練習やって、本当のソーランを完成させてくれると思う




このNO.5「坂道」を5年生全員に配布した次の日、クラスのあるお母さんから次のような手紙をいただきました。

これをNO.6「思いは1つ」というタイトルでのせました。

保護者の方の、こちらに対する信頼の気持ちが強く伝わってきました。

「成功させたい」という「思い」は同じなんだということを、子どもにも、他の保護者の方々にも知ってもらいたいという意図がありました。


 前向きに取り組んでいると、こういう援軍がやってくるんだということを改めて学ばせてもらいました。ありがたいことと感謝しています。




NO.6 (保護者の方と)思いは1つ


【9月15日発行】



 <いただいたお手紙>


 毎日毎日、運動会の練習、たいへんだけどがんばってほしいと思います。先生方も、暑い中、身体に気をつけて頑張って下さい。


「坂道」のプリント、読ませていただきました。

本当に、ここに書かれてある通りだと私も思います。

しんどいことをした後に、素敵なプレゼントが待っているんですよね。


 皆で協力した最高のソーランのこの体験って、きっと一生大切な宝物になっていくと思います。

当日、全員元気な笑顔で、ソーランを踊ってほしいと願っています。



保護者の方から、このような温かいお手紙をいただきました。

NO.5の「坂道」については、他にもいくつかの励ましのお言葉をいただきました。

「しんどいこと」「つらいこと」にジッと耐えること、みんなの気持ちを1つに合わせることなどを、この活動を通して身につけて欲しいと考えています。




このような、保護者の方々のこころのこもったお手紙は、私たちにとって大きな励みになります。

5年生担任一同、深く感謝しています。本当にありがとうございます。




今日も子どもらは、熱心に練習に取り組んでいました。

先生たちの厳しい言葉もとびますが、「南中ソーラン」は少しずつ完成へと近づいています。

お手紙にありますように、子どものこころに一生残るような「大切な宝物」となるように、あと1週間、がんばっていきたいと思っています。

ご協力の程、よろしくお願いいたします。




NO.7  今、思う・・・


【9月16日発行】(これは、今現在の、みんなが思っていることです)


*はっきり言って、しんどいとかそんなんあるけど、「がんばろう」って思っています。

筋肉痛とかあるし、「もうやめたい」って思ったことありました。

でも、この南中ソーランは成功させたいです。




*今日は見学した。だから、みんなの踊りを見ていた。

するとみんなは、知らない間にすごく上手になっていてびっくりした。

見てて、こっちもすごくやりたくなったけど、「今日は見学しなさい」って言われたから無理だったけど、1組も2組も3組もすっごくきれいだった。

 実を言うと、私はこの時、運動会の練習をちょっとさぼりぎみだったけど、この時「運動会の練習をなめるな!」と言われた気がしました。




*みんなのソーランがちょっとずつそろってきている。



*南中ソーランを、今日、1回通したけど、まだ完成とは言えないと私は思っている。

完成させるにはみんなのこころを1つにしなければならない。

先生が言っていたけど「今はこころが5つぐらいある」って。

私もそれぐらいはあると思う。

本番は、最高のソーランにしたい。





「ふ」
みんなの素直な気持ちがよく表れていますね。「成功させたい」「最高のものにしたい」という気持ちが、先生たちにはとてもとてもうれしいです。

3連休、しっかりと休んで痛いところを治して、また来週から一緒にがんばろう!




 こういう感じで、この週を終えました。

先生方はご経験があると思いますが、3連休明けというのは、心も身体もたるみきってしまいます。

我々だってそういうところがありますから、決して無理ないことだとは思います。

「きっとテンション下がっているやろうな」という予想はしていました。


 ただ、「どこかで一度落とそう」と思っていたので、これはいい機会になりました。

この日は本番4日前なので、ここで一度落として、ここから少しずつ上げていくという策をとりました。



 「子どもの状態をよく見ながら、それに合わせて打つ手を選択していく」中学校では、よく考えられることですが、小学校の先生には、この辺りの意識が少し乏しいように思います。

どちらがいい悪いではなくて「子どものため」という視点でいいところを組み合わせていくべきだと思います。


 そして、この日の練習ですが、案の定、ダラダラ状態でピシッとしたところがまるでありませんでした。

そこで、担任3人が協力して1つの芝居を打ちました。

こういうダラダラ状態になることが前もって予想されていたので、A先生(私よりも年配の女の先生)には「ほめて下さい」B先生(私よりも若い男の先生)には「絶対に怒らずに励ましてやってくれ」と頼みました。

自分が悪役レスラー(笑)になることも決めていました。




 6時間目の体育館での練習が終わった後、いつものように先生から感想を言います。

いつもはあまりほめないA先生が「3連休明けにしては、今日はなかなかよかったよ」という感じで子どもを持ち上げました。

子どもはA先生にほめられて、雰囲気がホ~と和みました。

そして次に私が出て行って、烈火のごとく怒りました。

「こんなソーランでは、当日は出る値打ちがない。真剣に取り組まないのならもうやめて、5年生の演技はなしということにしてもらう」という言い方で、怒りました。

正直、あまりのダラダラで少しは頭にきていたんですが・・・(笑)



 そして最後にB先生が「お前らはあかん」と言い出しました。

「怒ったらあかん」と言っていたので「しまった・・・」と思ったんですが、その後に続けて「なんで「ふ」先生があんなに怒ったのかわかってるのか、先生らはみんな、5年生のことを信頼してるんやで、絶対にこころを1つにしてやってくれると疑ってないねんで」ということを話しだしました。

 B先生は若くて経験も浅いけども、ハートが熱くものの機敏が理解できる先生です。

子どもらの気持ちの中に、深くグッと入り込む言葉でした。

事実、3人の先生の話を聴いている時の子どもの表情は、真剣でした。


 意気をあげるために、こういう手を打ちました。

「子どものこころをもてあそんだ」などとは思っていません。

時には必要だと思っています。

実際、次の日から子どもらの目の色が変わり、動きや声も格段に良くなってきました。



 3人の担任の連携プレーだったと思っています。

それによく応えてくれた子どもの素直な気持ちにも深く感謝です。

次のNO.8はその日のものです。

子どもの感想ですが、その時のこととは直接は関係がありませんが、「やろう」という気持ちは伝わってくるものだと思います。




NO.8  今、思う・・・(その2)


【9月20日発行】(これは、今現在の、みんなが思っていることです)



*まだまだやらされている人が多いと思う。

まだまだ力は出せると思う。みんなの力が1つになったら、南中ソーランは完成だ。

だから、あと4日だし、練習をがんばっていきたいし、最高の南中ソーランにして、2年前の5年生に勝ちたいです。




*今まで南中ソーランを2週間やってきたけど、みんな(5年生)のこころが1つになったことがありません。

だから本番まで、やれるだけがんばって、最後はみんなのこころを1つにして踊りたいです。




*みんなは必死にやっているけども、演技が合わない。

それはこころが1つになっていないからだと思う。

だから、これから本番にかけてがんばりたいと思う。




*みんなは、今、運動会に向けてがんばっていると思うけど、先生たちはまだ納得いっていないと自分では思う。

だからみんなで運動会に向けての気合いを集中して、先生たちの満足顔を本番で見せれたらと思う。

南中ソーラン、絶対に成功させるぞ!




 いよいよテンションが上がってきました。

このまま本番へと突入か・・と思った矢先に、事件がありました。

それはケンカです。

私のクラスの男子2人、H君とI君が、休み時間につかみ合いのケンカをしていました。

ケンカは時々あるので、別にどうこうということではないんですが、時期が悪いです。

「みんなでこころを1つに」と言って3日後には本番を迎えようとしているこの時に、ケンカはとても雰囲気を悪くしました。


 私は、この時考えました。このケンカをきっかけにして集団をプラスの方向へ持っていくことを・・・。

そして次のような手を打ちました。


 まず、クラスでは2人を前に出して、みんなの前で頭を下げさせました。「雰囲気をこわすことをしてごめんなさい」と。

私は、みんなの前で2人を厳しく叱りました。

そして、クラスのみんなには


「この2人のミスをみんなで取り返してやろう!そのためには、本番で最高のソーランをやるしかない、どうや!」と投げかけました。


 子どもらの反応は正直言って鈍かったですが、なんとなく、本番が大切なものになってきたという意識は持ったようでした。


 そして次に、5年生全体に対してです。別にみんながこのケンカのことを知っているわけではないので、黙っていても、それはそれで良かったのですが、私は、このマイナス事象を使ってプラスの結果を引き出そうと考えていました。


 その日は運動会の前日です。

最後の練習のために全員が体育館に集合しました。

そこで私は次のような話をしました。



「ふ」「実は残念なことやけども、3組でケンカがあった。このことを知っていた者は手を挙げろ」

3組全員と、その他パラパラと手を挙げる。

このことについて何か意見がある者は?に

「誰がやったんやろって思う」

「原因は、きっとつまらないことだと思う」

「ふ」

「それだけか?他には?」

みんなはシーン。

「ふ」

「なんで、誰も腹が立たないんや?

なんで、怒れへんのや?

今、何をやってるんや?

5年生全員のこころを1つにしようと言って毎日毎日暑い中を頑張ってるんやろ?

そんな時にケンカするヤツに対して『お前ら、今、どういう時やねん、こんな時になんでケンカなんかが起こるねん』って言って

メチャクチャ怒って当たり前なんと違うんか?」

みんなは、さらにシーン。

「ふ」は続けます。


「ふ」

「よっしゃ、そしたら2人のことはもうええやろ。

あかんことをやったのは確かや。

でもな、今度はいっかい自分のこと考えてみ!

自分の心の中にいつも誰かに対して、『あの子ムカツク』『あいつキショイな』っていう思いが絶対にあるやろ、違うか?

そしたら、ケンカした2人と同じやろ!

どこがどう違うねん!

ケンカは確かにあかん。

でも、形になって目に見えるように出ただけやろ、お前らみんな心の中で『ムカツク』『キショイ』っていう思いをずっと持ってるやろ、

だからお前らのソーランはあかんねん!!

いつまでたっても気持ちが1つになられへんねん、ちがうか!!!」



シーン・・・。




そしてこの後、体育館とグランドで練習。

子どもの気合いがこちらまでビンビン伝わってきました。

前日としては「最高」の形で練習をしめくくることができました。


 こういう話を「こころ」で聴いて、すぐに行動にうつすことができる子どもの素直さに感謝の気持ちで一杯です。




NO.9  明日、本番


【9月22日発行】



今日、最後の練習を終えました。

火曜日のバラバラ状態とは全くちがう全員がピシッとまとまった素晴らしい南中ソーランを見せてくれました。

 明日はいよいよ本番です。

今まで練習してきたのは全て明日のためだったと思います。

終わった後で「あ~あ、もっとやれたのに・・・」と思うことにならないように、精一杯の踊り・表情・声を見せて下さい。



練習を開始してから3週間、先生たちと一緒に、みんなは多くの汗を流してきました。

その流した汗の分だけ、明日はみんなと一緒に笑顔で喜び合いましょう。

期待しています!




これに、3クラス分の寄せ書きをそえて、全員に配布しました。



そして当日、もう言葉がありませんでした。

見る者を圧倒するような素晴らしい演技でした。

太鼓をたたきながら、涙を抑えるのに必死になっていました。

演技が終わった後の保護者の方々からの嵐のような拍手。

もう、一生忘れられないような演技を見せてくれました。



 まさしく「踊っている」んです。

「こころ」がそこに入っているんですね。

見ている人に、それが伝わるんですね。

それだけ迫真の演技でした。


振り付けだけを覚えて動いているのとは明らかに違うんです。

本当に感動しました。


 そして、その感動を「成功させ隊」の最終号に次のような形で書きました。



NO.10  よくやった!! ~5年生が1つになった日~


【9月27日発行】



「ありがとうございました」Jの空まで届くような大きな声で、全員がそろって「礼!」

その時、先生たちの背中の方から、いっせいに、まさしく嵐のような割れんばかりの拍手・拍手・拍手・・・。

A先生は一瞬空を見上げた(涙をこらえたのかも)

B先生は真剣な表情で真っ直ぐに前を向いたまま少しも動かない。

「ふ」はタイコのばちを見つめながら、しんどかった練習の場面を思い出していた。

3人の心の中に共通してあったもの、

それは、5年生のみんな、本当によくやった!!120点の出来や!」という思いです。





思い出してみて下さい。

汗がまるで滝のように流れましたね。

足が痛むのを必死でガマンしてやったこと。

「あんたら!外へ出たら全然声出えへんやんか!」というA先生の気合いの入った声。

「お前ら、もうあかん・・・。こんなんやったら、やめてしまえ!」という「ふ」の冷たい言葉。

「先生は、みんなやったらやれると思ってるんやで」というB先生の信頼の投げかけ。

どんな時も、聴いているみんなの表情は真剣そのものでした。





あの、みんなを感動させた「120点の南中ソーラン」は、そういう1つ1つの場面の積み重ねの上にできたものでした。

その中で、みんなの「こころを1つにしよう」という意識が高まってきました。

K、L、Mが「入場する前に私たちだけで声をかけよう」って言って、それが全クラスに広まりました。

本番の2日前にケンカがあって、「ケンカした者は当然悪い。でもな、誰の気持ちの中にも『あいつムカツクなぁ』とかがあるやろ、だからお前らのソーランはあかんねん」って体育館で「ふ」が怒った後で、Nが「先生、おれら明日絶対にがんばって、失敗を取り返すからな」と言いに来ました。

先生たち3人は、こういう気持ちの高まりを見ていて、本番の成功を確信していました。そして・・・あの感動。




最後に1つ、先生たちがとてもとても感動した言葉を紹介します。(プロジェクトX風に、中島みゆきのエンディング曲が流れて)

Pが、先生にききました。

「今日は何点やった?」

「そらもう120点や」

そしたらPが「5年生全員、1人1点で120点やな」

この言葉の中に、今回の南中ソーランの大成功が全てつまっていると思います。

5年生のみんな、本当にありがとう。

次は10月の宿泊学習で、また120点のまとまりを見せて下さい。期待しています。






[先生からのメッセージ]

●1組A先生
南中ソーラン大成功!やったね。

みんなにとって大きな自信になったと思います。

次は臨海、もう一度みんなの力を出して、素晴らしい想い出をつくろう!




●2組B先生
演技が終わって退場門で、みんなの笑顔がみれて、とても感動した。さぁ、次は臨海だ。



●3組「ふ」
感動の南中ソーランを見せてもらいました。

でも、あのわずか数分間の中に、その何十倍もの出来事がつまっているんやね。

「坂道」を越えて、初めて美しい景色に出会えるんやね。

 あの法被は、「ふ」のいのちが終わった時に棺の中に入れてもらいたいと思っています。

みんな、よくやったぞ!






【やり終えた子どもの声】


*きもちいい。

練習の時はとてもしんどくて、やめたい時もあった。

でも、やっぱりやってよかった。

とってもうれしい。気持ちよくって最高だった。




*こころを1つにすることが、今日初めてできた。

終わった時は、まだドキドキしていた。

きんちょうして、声はあまり出せなかったけど、ちゃんと最後まで踊れた。

やってる時はいつもより楽しかった。

私は南中ソーランをゃってよかったと思っています。




*する前、モヤモヤしていたけど、終わった後、モヤモヤがスッキリして気持ち良かったです。




*南中ソーランが終わって、保護者の人たちや先生から拍手をもらってうれしかったです。

保護者の人や先生が感動する南中ソーランにしたいなと、前の日に思っていました。

そしたら本当に保護者の人や先生が感動しました。よかったです。





*南中ソーランを踊って、今までで1番良かったです。

今日は、一番こころが1つになっていたと思う。

見ている人に「スゴイ」と言われて、とてもうれしかったです。

とっても楽しかったです。

もう終わって、短いと思う。

でも今までで1番良かったから、自分自身とてもうれしいです。

とても楽しかったです。





*みんながんばった。最初はいっぱい怒られたけど、がんばった。こころを1つにがんばった!



*南中ソーランが終わって、その後の拍手が気持ちよかった。

とてもいい演技が運動会の本番でできてよかった。

1組も2組も3組も、いい演技をしていて、こころが1つになっていた。

100点が最高の演技だと思っていたけど、先生たちは120点と言ってくれて、とてもうれしかった。

 この運動会は、一生私たちのこころに残っているかもしれません。

みんなに拍手をしてあげたい気持ちでした。

これまでの積み重ねが、いい演技にできたと思っています。






「やりきった!!」っていう満足感、「最後までやった!!」っていう達成感を感じさせることができたと思っています。

このためにやっていたような気もしています。

最後に、保護者の方からいただいた声を「成功させ隊特別版」ということで配布しました。






特別版  保護者の方から


【9月28日発行】




*いつもお世話になりありがとうございます。

運動会、天気にも恵まれて、無事に終わり良かったですね。

厳しい暑さの中、体調を崩したり、筋肉痛に悩まされたりしましたが、当日の南中ソーランを見て、親も子も、そんなことは全部吹き飛んでしまったと思っています。

先生方の熱心なご指導や、毎日持って返ってくる「南中ソーラン成功させ隊」法被作り、23日の演技で報われたのではないでしょうか。

子どもたちも、1つのことを皆でやり遂げた達成感を味わったと思います。


 先生方、役員さんたち、お疲れさまでした。





*おはようございます。

南中ソーラン、とても感動しました。

子どもたちの「こころを1つに」の気持ちがとても伝わってきました。

黒地に赤色の衿のの法被を身にまとい、舞い踊る子どもたちの姿は、凛々しく、とても大きく見えました。

身も心も成長したんだなぁと感じました。

 これも、暑い中、毎日指導してくださった先生方のおかげだと感謝しております。本当にありがとうございました。





*運動会、ソーラン節、すごくカッコよかったです。

本当に感動しました。

夏休みの練習からずっと参加してきて、初めのころは「内モモが痛い」と泣き言を言っていましたが、練習が進むにつれて何も言わなくなり、鍛えられたんだと思いました。

法被ができた時も本当にうれしそうでした。





みんなと1つになって踊れることを本当に楽しみにしていて、本番にそれが出ていたと思います。

5年生全体が団結しているのがよくわかりました。

みんな素敵でした。

先生方、ここまで引っ張っていただいてありがとうございました。

「ふ」先生の法被姿もカッコよかったですよ。





*運動会での南中ソーラン、とても感動しました。

娘が、毎日帰宅後、ソーランの練習の様子を一生懸命に話してくれ、とても熱心に取り組んでいるのが伝わり、本番を楽しみにしていました。

5年生全員、とてもカッコよく、素晴らしかったです。

法被を見るたびに、この感動を思い出すと思います。

もう、練習の話を聴けないのは淋しいですが、また新しいことに向かって頑張ってほしいと願っています。ありがとうございました。






[5年生担任一同]

他にも多くの励ましのお言葉をいただきました。

今回の「南中ソーランの成功」は、子どもらのがんばりはもちろんのことですが、(学級委員さんをはじめ)保護者の皆様方のご理解・ご協力の上にできあがったと思っています。

(子どもたち)=(保護者の方々)=(教師集団)のつながりがあってこその成功でした。

深く感謝しています。ありがとうございました。

今後とも、子どもらのために尽力していきます。ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。





 以上が、約1ヶ月間に渡る「南中ソーラン」の顛末記です。教師集団の熱意が保護者に伝わり、子どもたちが素直な気持ちを持って日々活動してくれる。

私にとって、とてもやりがいのある充実した日々でした。

ともすれば雑念が入りそうな時期だったんですが、子どもらが私を支えてくれていたような気がしています(今これを打っていて、そのことに気づきました)


 「成功」という感覚を、ここに持ち込むことが、小学校の先生には違和感があるかも知れません。

どれがいい悪いという問題ではなく、こういう展開もあると知っていただければと思います。いかがでしょうか?







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