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2012.05.03

青年の生命の歌－西村貞二氏の思い出

テーマ：徒然日記(24668)

カテゴリ： Opinion

昨日の東京新聞に「東大には校歌がない」と言う記事が載せられていました。

建学の精神すら伝える必要のない、官製最初の「最高学府」と言うアイデンティティーの表れではないかとのコメントもあった様で、その通りなのかも知れません。
しかし、戦後になって学生が自ら学生歌を作ると言う伝統があって、その中から「ただ一つ」等が広く歌われる様になっていて、特に支障は無い様に思われます。

私は西村貞二氏の講義に接する機会は無かったのですが、1960年の東大入学に際してのオリエンテーション担当教官として、大学での過ごし方等を指導してくれた教師であったことを今でも良く覚えています。
西村貞二氏が逝去されてから8年も経ちました。彼はルネサンス期を専門とする歴史学者であり、敬虔なクリスチャンでありました。

「高校までは受け身の授業だったのだが、大学では自分の好きな講義を選ぶこと、大学生は成人なので紳士として自覚して振る舞うこと」等だったと記憶します。
最後に、学生歌紹介と言うことで「青年の」を自ら歌ってくれたのです。

１．青年の生命（イノチ）の歌は
　　あきらけき真理（マコト）の歌

　　永遠（トワ）なる実相（スガタ）求めなん
２．青年の生命（イノチ）の歌は
　　逞しき力の歌
　　毅（タケ）き生命の奔迸（トバシリ）に
　　燃ゆる理想（ノゾミ）を貫かん

昭和21年度（1946年）入選学生歌ですが、第2次世界大戦後の学生の復興への息吹きが感じられる良い歌だと思っています。

彼等の退任から暫くして東北大に転出し、其処で教授、名誉教授となり、中世から近代のヨーロッパ歴史について、伝記研究・訳書を含めて多くの著作を残しました。

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