蝶々結び

それでも忘れない、灯り




トンネルの向こうは、まっくらで見えませんでした。



トンネルの向こうに、お日様があることくらい

分かりきっていた僕ですが

いざ、また夜の中に迷い込み

泣いてばかりいると

あったかいお日様も、甘い匂いの優しさも、

分からなくなる僕でした。



入ってきた場所も、思い出せず

ここから出るための方法も、思い出せず

ぼんやりと、何もできないままの僕でした。


真っ暗で、手が震えていても

少し伸ばせば

誰かが居ることくらい、分かっていたんですが

その誰かに、恐れて

手を強く固めた、僕でした。



お日様も、知っていたはずでした。

笑えていた、はずでした。

もう大丈夫と、前を向いていれるはずでした。


きみのことも、「側に居る」と、信じていれるはずでした。




どんどん遠くなる、入り口。

見えないままの、出口。

不安ばかりで、泣いてしまいそうな僕が

目をつむり思い返す


あったかいお日様と、甘い匂いのお日様。











© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: