Crimson Air

Crimson Air

kizuna~絆~第一章


Kizuna~絆~
この世界には六つ世界がある。魔界、天声界、エルフ界、人間界、聖霊界、そしてその数々の世界の種族が集まる世界がある、いろいろな種族の交流を考え作られた国、
「セイント」。
そしてこの国には魔王の息子が住んでいた。これはその魔王の息子、和輝の物語である……。


        第一章       始まり~
ピピピピピピピピピ・・・・・・
目覚ましがなっている…、僕は体を起こして目覚ましを止めようとして体が動かないことに気づいた。顔を上げるとそこには…
「おはようございます、ご主人♪」
僕の使い魔、マリアが僕の上に乗っていた…。これでは動けないはずだ。
「マリア…、起きたからどいてくれない?」
「はい。」
マリアが素直に僕の上から降りた。
「何で時々その起こし方をするんだ?」
「ご主人のためです♪、学校に遅れたらあの方に何をいわれるかわからないのでしょ?
 一番確実な起こし方はこれなので。」
「だからって…。」
僕と今口論しているのはマリア、猫の魔族で人間の姿にも猫の姿にもなれる。
「和~、起きたのか~?」
とそのとき、下の階から声がした。
「いまいくよ。マリアも行くよ」
「はい♪」
リビングにはもう朝食が作られていた。作ったのは僕の父親、魔王・マイナである。
魔王なのに戦いを好まず料理好き、皆の魔王のイメージを崩さないために秘密にはしているが…、数名知っている人はいる。
「和、未来を起こしてきてくれないか?」
「了解」
僕は返事をして未来の部屋に行った。ドアをノックして、
「未来~、そろそろ起きる時間だぞ~。」
「ふぁ~~い」
中から眠そうな声が返ってきた。僕は部屋に戻って制服に着替え、リビングに戻った。
その時、二階からものすごい音と、
「はわわわわわわわ~~~」
とゆうものすごい声が聞こえた、扉をあけると未来が倒れていた。どうやら階段をころげ落ちてきたようだ。
「大丈夫か未来?」
「な、なんとか……。」
「毎日気をつけろって言ってるだろ。」
「きゅう~~~~~」
毎朝こんな感じで始まる。未来は本当の妹ではない。僕と父さんがセイントに来たときに橋の下で泣いていたのを見つけてきた、つまり捨て子だった。
「早くしないとおいてくぞ」
「ま、待ってよ~~~。」
未来は、昔は泣いてばかりで誰にもなつこうとはしなかった。それが直ったのは50年前、
ある事件がきっかけだった
「って早く朝食食べないとほんとに遅刻するぞ。」
「は~~~~い。」
朝食は父さんの得意な中国料理というものだ。朝から結構脂っこいものが並んでいる・・・
マリアは・・・朝食を済ませていきなり寝ている・・・
「・・・父さん、朝からこれは結構つらいんじゃ・・・」
「何を言っているんだ、朝はしっかり食べないとだめだぞ!」
「そうだけどさ・・・」
「少しは未来を見習ってしっかり食べろよ!」
「・・・未来はただ単に大食いなだけでしょ」
「ん?何?和兄?」
「何でもないよ・・・でも早くしないと遅刻しちゃうぞ」
「あ~~~~~~~~~~~~、本当だ」
そしていきなりペースを上げて食べ始めた。・・・ほんと良く食べられるな・・・・
「じゃあ行ってきます。」
「いってきま~~~す。」
「車に気をつけろよ~~~」
朝食をすませた僕と未来は学校に向かって歩いていた。とそのとき
「おはようございます。」
「おはよう香奈枝。」
「おはようございます、香奈枝さん。」
「おはよう未来ちゃん。」
「あれ、今日はルイスいないのか?いつもついてきてるのに。」
「今日は寝坊していたのでお留守番です。」
この子は蕗崎 香奈枝。聖霊族だ。性格はとてもおとなしくてやさしい。でも怒ると僕より怖いかも知れない…
「どうしたんですか?和輝くん。」
「あ、いやなんでもないよ。ちょっと考え事。」
「?」
「和兄、香奈枝さん、早くしないと遅刻しちゃうよ!!!」
「わ、本当だ。香奈枝早く行こう」
「はい。」
走ろうとしたとき後ろに何かがぶつかってきた。
「ぐはぁっ!!!」
僕の体が前のめりになる
「おはよう!!和輝。」
「危ないだろかなめ!!」
「べつにいいじゃん。」
「あのね~~~。」
「おはようございます和先輩。」
「あ、おはよ。京子。」
この二人は千利 かなめと千利 京子、かなめは京子の精神分離体、いわゆるクローンみたいなものだ。京子はもともと二重人格だったが二人の性格があまりにも違うので精神を分けて二人にした。それがかなめだ。
「何で京には普通に挨拶できるんだよ~~~~~」
「かなめみたいに変なことしてこないからだ」
「ぶ~~~~~」
「毎日何してるの、かなちゃん…」
「今は聞かないでくれ、京子…」
そんなこんなで僕たち五人は学校に着いた。あの二人はほんとに同一人物かといつも思う。
「おはようかなちゃん。」
「おはよう美幸ちゃん。」
「あ、おはよう美幸ちゃん」
「か、和輝さん!!!お、おおお、おはようございます。」
「美幸ちゃん、僕のことは和輝でいいよ。」
「い、いえ。そんな失礼なことはできません!!!」
「いくらなんでもさんづけはな…」
「いえ、これは私が勝手に呼ばせていただいているだけですので気にしないでください」
彼女は玉値 美幸。香奈枝の親友で僕の同級生だ。香奈枝と同じで昔からの付き合いでもある。何故か僕のことをさんづけで呼んでいるが…。ちょっと嬉しいけど、なんとなく恥ずかしい。
「っと、そろそろ先生がくるかなっと。じゃあまた後でな」
「また後でね和輝くん」
「お待ちしております」
僕は二人とは違うクラスだった。そして僕のクラスで待っていたのは…
「おや?今日は遅かったじゃないか和輝」
「そう?いつもどおりだと思うけど…」
「いつもより10秒遅かったぞ」
「って、それだけじゃん」
「人生は一分一秒を争う。そんなことじゃだめだぞ」
「荒木が言ってることはいつもよくわからない…」
「そうか?普通だと思うが…」
こいつは荒木 俊一。僕の友達で親友…だと思う、たぶん!!
荒木はいつも変なことを言っている。理解するのも結構疲れる。でもいつもいるけど飽きないやつだ。
「今日はあの先輩に捕まらなかったのか?」
「今日はまだ見かけてないな~」
「だがつかまったほうがいろいろ大変だろうが・・・」
「・・・確かに」
「あの人もあれがなければいい人なんだけどな~・・・」
荒木と僕がさっきから話している先輩とは朝間 雀先輩のことだ・・・。
エルフ族できれいな先輩なのだが・・・かなりの握力と激しい妄想癖があり、先輩の前ではあまり目立った行動ができない・・・
「そういえば先生はどうしたんだろう?」
「ふむ…そろそろ来てもよいころなのだが…」
そんな話をしているといきなりドアが勢いよく開いた…先生の足によって。
「みんなおはよう。今日も欠席者はいないな~」
「今日もハイテンションだな、高宮殿は」
「…あれをハイテンションで済ませていいのだろうか…」
「早速だが一時間目は自習だ。それと和輝と俊一、ちょっと来てくれ。」
いきなり真剣になって僕たちを呼んだ。
「……またですか?」
「ああ…すまないな」
「別に気にしないでくださいよ。これは僕たちの仕事ですから」
「で、今回はどんなやつなのかな?」
「識別名・グリッドだ」
「ずいぶんと命知らずな雑魚だな~。場所は?」
「屋上だ」
「わかりました」
僕は荒木と一緒に教室を出た。僕たちはこれから悪魔退治をする。それが僕と荒木のこの学校でのもうひとつの仕事だ。ほかの生徒はあまり知らない。知っているのは未来とかなたと雀先輩ぐらいだ。未来はこの学校に来たときに父さんが説明していたから知っている。かなたは…悪魔退治をしているところを見られただけだった。
雀先輩にはどうしてばれたのかはわからない・・・
「着いたぞ」
ドアを開けるとそこには…
「ココニハワレヲマンゾクサセルモノハイナイノカ!!!」
大声で叫んでいる狼のような悪魔がいた。あいつはグリッド、悪魔の中だと初級ぐらい、とんでもない雑魚だ。
(さて、そろそろ俺の出番かな?)
「ああ、頼むよ。」
(任せな)
そして・・・
「さあ、パーティーの始まりだ!!!」
「ソノコエハ、キズナ!!!ナゼキサマガココニ」
「おやおや。すっかり俺も有名だね~~。荒木、一気にかたづけるぞ!!」
「了解。」
『われに宿いし闇と炎の聖霊よ…』
『汝らの力をわれに託したまえ…』
『われらの前に立ちふさがる悪しきものに・・・』
『汝の旋律を聴かせたまえ!!!』
『黒炎のレクイエム!!!』
そのとき僕の手の中に二つの剣が生まれた。黒い炎の形をしている剣、〔黒炎剣〕。
すべてを燃やし尽くす剣だ。
「荒木!!」
その片方を荒木に渡す
「お前なんてこれで十分だ。さあ、始めようぜ!!!」
「ナメタマネヲ…ナラバワレモホンキヲダサセテモラウ!!!」
とたんにグリットの姿が変わっていく
「へ~。お前グラインできるんだ」
グライン…一種の一時進化のことをそう呼んでいる
「じゃあ俺もグラインさせてもらおうか」
そのとき僕の背中から翼が生えた
「これで面白くなってきたぜ!!!」
「30秒で決めさせてもらう」
「ナメルナ!!!!」
グリッドが俊敏な動きで攻撃を仕掛けてきた。しかし…
「そんなものか?」
「ナニ!!!」
グリッドの爪が空を切る。荒木が一瞬でグリッドの後ろに回りこんだ。
「つまらないな…。消えてくれ」
「ナ、バカナ……」
グリッドは背後から荒木に切断され魔界に戻っていった・・・
「荒木~~。もっと楽しもうぜ~~」
「キズナ…あんなやつじゃあ楽しめないだろうが…」
「ま、そうだけどな~~~」
とそのとき扉の閉まる音がした…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「誰かに見られたか…」
「まずいな。俺はともかく荒木を見られちまったからな」
(僕もまずいじゃないか~~~)
「馬鹿やろう、今の俺の姿見て和輝だと思うか?」
(た、確かにそうかも知れないけど…)
「大丈夫だって」
「俺のほうもただ襲われてたところを助けてもらったといっておけば大丈夫だろう。」
「そうだな。っと俺もそろそろ戻るかな」
「また頼むぜ。キズナ」
「任せとけ」
「や、やっと戻れた~」
「お疲れ、和輝」
「僕は何もしてないけどね」
「でも体、ボロボロだぞ」
「げ、やばい。でもまあ、大丈夫でしょ」
「まあな…そろそろ戻るか、一時限目が終わってしまう」
「そうだね」
 そのときはまだあまり気にしていなかったが・・・このことが後々大変なことになってしまう・・・
[第一章完]






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