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Crimson Air
未来章第一部
未来章第一部 戦闘実習
朝、僕達が学校に来るとなにやら騒ぎになっていた・・・
「荒木・・・何の騒ぎ?」
「おぉ、和輝にゲイル。ちょうどいいところに来たな」
「いったい何をやっているのですか?」
ゲイルが問いかけた。
ゲイルはあの後家に居候という形で弟子入りした・・・そしてこの学園にも転入してきたのだ・・・しかも僕達のクラスに・・・また父さんが仕組んだことなのかな・・・学園の理事長とも仲がいいみたいだし・・・
「そうそう、今日の午後戦闘実習があるらしいぞ」
『戦闘実習!?』
僕とゲイル、そして僕の中のキズナの声がハモった・・・
「いったいなんでまた・・・」
「悪魔に襲われたときの対処のためだってさ」
「また変なことを企画して・・・」
あの理事長は・・・まったく・・・
「理事長さんはいつもこんなことを企画しているのですか?」
「そうだな・・・」
それからゲイルにいろいろ説明をした・・・理事長の企画したものの数々を・・・
「そ、それはすごいですね・・・マスター・・・」
「ほんとにあの理事長は何考えてるんだかわからん・・・」
理事長は人間族の女性で今年で25だそうだ・・・かなり若く美くしい人らしいのだが・・・考えてることがかなり無茶苦茶な人である・・・
「一度あってみたいですね」
「いや、会わないほうがいいかもしれない・・・」
あの人のテンションは雀先輩以上だ・・・絶対についていけない・・・
「それでその戦闘実習がどうしたって?」
「うむ、実は二人一組でペアを組んで戦闘しあっていくものらしい・・・最後まで残っていたグループが優勝、だそうだ」
「優勝って・・・」
実習じゃなかったのか?
「それで、俺と和輝、そして雀先輩とゲイルは同じチームにはなれないらしい」
「まあ、それはそうだろうな・・・」
同じチームになったらかなり強くなってしまう・・・
「チームの中で一人は戦闘担当、一人は補助魔術担当になるそうだ・・・」
「かなり大変だね・・・後ろの補助魔術担当の魔術発動タイミングなんか難しいし・・・」
「そうだな・・・」
少し三人で考えていた・・・その間も僕達三人は何人かに誘われたような感じはしたが三人とも考え事をすると周りが見えなくなってしまうので皆他をあたっている
「そういえばチームで組むことはできるのかい?」
「それは大丈夫みたいだな。最後に戦うはめになるけれど」
「そうか・・・」
となると・・・やっぱり荒木は美幸ちゃんと組ませるほうがいいかな・・・その方が安全だし・・・ゲイルは・・・雀先輩が持っていくかな・・・
「じゃあ僕は未来と組んだほうがいいな・・・」
「そうか?お前は美幸ちゃんのほうがいいんじゃないか?彼女も喜ぶぞ・・・」
「そうかもしれないけどね・・・荒木にもいい想いさせてあげないと後々怖いからね」
「お前な・・・・」
「それに僕は未来を守るって決めているから・・・絶対に未来は傷つけさせないって・・・」
「そうか・・・」
「あの、マスター。私はどうすれば・・・」
「たぶんゲイルは雀先輩が持っていくんじゃないかな?」
「その可能性は高いな・・・」
ゲイルはこの学校に来てからなんか雀先輩に気に入られている・・・本人は苦手らしいが・・・
「あ、あの人ですか・・・私は大丈夫なのでしょうか?」
「なんなら俺達についてくるか?いい場所があるんだ」
「へぇ~。それってどこですか?」
「ん?獣人界だ」
「獣人界ですか・・・」
「荒木・・・」
「どうした?和輝」
「フィールドはこの世界だけじゃないのか?」
「あぁ、魔界と天声界、聖霊界とエルフの集落、それからわかるやつは獣人界もいいらしい・・・」
「かなり広くないか?」
「しょうがないだろ・・・この学園の全員が参加するんだから・・・」
「なるほどな・・・」
この学園は生徒だけでも2万は越えている・・・組になっても1万以上・・・
「それなら仕方ないか・・・」
「それぞれの世界にはもう連絡行ってるみたいだしな」
「そうか・・・」
「和輝たちもどうだ?」
「いや、僕達は魔界に行くよ。魔界のほうがよくわかるからね」
「そうか・・・じゃあ最後まで残れよ」
「わかってるさ」
「お前を倒すのは俺だからな!!」
「荒木のほうこそ油断して途中で負けないでよ」
「わかってるって」
「じゃあそろそろ迎えに行くか」
「そうだな」
荒木と別れて僕は一学年下の階に来た
「未来のクラスは・・・確か・・・」
3Jだったはずだけど・・・
「3Jはどこだ・・・」
広すぎるだろ・・・この学園・・・
「お、あったあった」
やっとのこと3Jを見つけた・・・途中何回誘いを断っただろう・・・数えていられたら結構すごいことだけど・・・荒木もこんな感じなのかな・・・
「結構緊張するもんだね・・・」
(まったく、未来を呼ぶだけだろうが・・・)
「そうだけど・・・」
いろいろキズナと話していると目の前の扉が突然開いた・・・
「・・・・・・・・・・・」
未来とよくいる無口な人族の少女、佐々木美代ちゃんがそこにいた・・・
「・・・未来ちゃん・・・」
聞き取れるかどうかわからない声だったが離れていた未来には聞こえたみたいだった・・・
「どうしたの美代ちゃん?」
「・・・・・お客さん」
「お客さん?・・・って和兄!!!」
「よ!」
「どうしたの?いったい」
「お前を誘いに来たに決まってるだろ」
「もしかして・・・愛の告白」
こけた・・・おもいっきりこけた
「お、お前な~~~」
「あはははは、冗談冗談」
「未来が言うと冗談に聞こえないよ・・・・」
「で、本当にどうしたの?」
「だから、戦闘実習のチーム組に来たの!!」
「あぁ、なる~~~」
「まったく・・・」
「あははははは」
未来が笑っている・・・・まったく・・・・
「お前を守るって決めたからな・・・」
小声で言ったつもりなんだが未来には聞こえたみたいだ・・・
「約束、ちゃんと守ってくれてるんだね」
「あぁ、絶対に破っちゃいけない約束だからね」
「そっか・・・・」
この約束は絶対に・・・・
「魔界に行くけど大丈夫か?」
「もちろん。あ、じゃあ美代ちゃんたちも一緒でいい?」
「別にいいけど・・・美代ちゃんって誰と組んでるんだ?」
「え、香奈枝さんだけど・・・」
こけた・・・・二度目だがまたおもいっきりこけた・・・
「何で・・・香奈枝と美代ちゃんが?」
「何でって・・・二人とも友達だからだよ」
「そうなの」
「・・・・・・・・」
無言でうなずいていた・・・
「・・・・はぁ。了解・・・」
「やったね」
「・・・・・・・・・・・」
うなずいている・・・・ほんとにあんまり喋らないな・・・・
「じゃあ今のうちに魔界に行っておくか」
「・・・・私たちは後から行きますから・・・・」
「そう?じゃあ行こうか和兄」
「そうだな・・・・じゃあ魔界で」
「・・・・・・・・・・・・・」
無言でうなずく・・・・
そして僕と未来は魔界への移動次元へと向かった
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