Crimson Air

Crimson Air

未来章第四部


未来章第4部
マスターに言われて入り口のほうを見た、確かに未来に良く似た・・・いや、瓜二つな人物がそこにいた。
「こんにちわ、マスター」
「こんにちわ、本日もコーヒーですか?」
「はい、お願いします」
未来の本当の姉妹、未樹ちゃんがそこにいた・・・ていうか真横に。
「それでマスター、何か情報入った?」
「え、えぇ」
「本当!!!」
「は、はい」
「いったい何!?」
かなり興奮しているみたいだ、まあ無理も無いだろう。
「実はですね、未来さんを知っている方が今来ていらっしゃるんですよ」
「だれ?」
「悲しいね・・・忘れられてるなんて・・・」
「え?」
未樹ちゃんがこちらを向いた、何か考え込んでいる
「あの、どちら様ですか?」
「やっぱり忘れられてるか、100年ぶりぐらいだもんね」
「100年ぐらい前・・・私が50の時・・・」
未樹ちゃんが考え込んでいる
「もしかして・・・和輝兄さん?」
「当たり」
未樹ちゃんが突然抱きついてきた
「み、未樹ちゃん!?」
「心配・・・心配したんだから・・・王宮が襲われたって言うから・・・」
「ご、ごめんね」
そう100年前、魔界は悪魔に襲われた・・・被害のほとんどは王宮だけだったけど、街にも死者が出たそうだ・・・
「そうだ、魔王様は無事なの?」
「あぁ、父さんならピンピンしてるよ」
「良かった・・・絆様は?」
「・・・・・・・・・・・」
「ど、どうしたの和輝兄さん?」
僕は胸元からひとつのネックレスを引き出した、正八面体の結晶だ
「肉体は、ここ」
「え?」
この結晶は「悪魔水晶」、悪魔の力で肉体を結晶化させてしまう悪魔の禁術だ
「まさか、結晶に」
「そう、で精神は僕の中」
「・・・・・はい?」
「つまり僕のもうひとつの姿のほうに母さんの精神を停滞させただけさ」
「ほ、本当ですか!?」
「あぁ、今は眠ってるけどね」
「そうですか・・・それで今はどちらに?」
「セイントにいるんだ」
「あの、五世界同盟国ですか?」
「そ、そのうちのひとつの街」
セイントには三つの街がある。僕達がいるのは「クルトス」そして「ボッツィ」と「ウェイル」だ、まだウェイルとボッツィは悪魔が多くいるみたいだが・・・
「そうですか・・・良かった・・・」
「そうだ、未来に会っていくかい?」
「え!?」
「ただしひとつ忠告」
「なんでしょう?」
「未来は昔の記憶を封印しているからね・・・あまり刺激しないこと」
「ど、どうして封印なんか」
「魔力が暴走してしまうからさ・・・僕も被害を受けた・・・それに暴走させてしまったら、未来の自我が壊れてしまう」
「そ、そんな・・・」
「たぶん転送される前にかなり怖い目にあったんだろう」
「・・・・・・・・」
「何か心当たりがあるのかな?」
「私たちの父が私たちの目の前で結晶化されてしまったんです・・・転送前だったんで未来には殺されたように見えちゃったのかも知れないです」
「そうか・・・」
「でも転送された後和輝兄さんに見つけられて良かった。たぶん母さんも喜びます」
「シスターか・・・」
未来と未樹ちゃんの母親は教会のシスターをしていた、怒ると怖いがとても優しい人だった。
「和兄~~~~~~」
「うわさをすればなんとやら・・・・」
「え?」
「未樹ちゃん、ちょっとしゃがんで」
「は、はい」
「えいや~~~~~」
僕達がしゃがむとその上を未来が飛んでいった
ガッシャ~~~~~ン
机に突っ込んでいった・・・大丈夫だな
「未来!!いつも言ってるだろう!!!危ないって!!!」
「うぅぅぅぅぅぅぅ・・・」
「み、未来ちゃん?」
未樹ちゃんの目が点になっている・・・まあ無理もないけど・・・
「・・・・・・・・・・?」
未来が首をかしげている・・・覚えてないか・・・やっぱり
「ねえねえ和兄」
「ん?どうした?」
「あたし、ドッペルゲンガーってはじめてみたよ」
「ドッペルゲンガーって・・・」
おいおい・・・
「彼女は未来の本当の双子の姉妹だよ・・・」
「え?双子?本当のってどういうこと?」
「そのことは帰ってからだ・・・いいね」
「う、うん。わかった」
「未樹ちゃん、今夜シスター連れて家に来てくれないかな?」
「え、えぇ。わかりました」
「じゃあこれ住所だから」
僕は紙に書いた家の住所を未樹ちゃんに渡した
「では今夜、うかがいますね」
「それじゃあね」
「ばいば~~~~~い」
未来が未樹ちゃんに手を振っている・・・こんなに早くに会えるなんてな・・・
「あの・・・私たちのこと忘れてませんか?」
「・・・・・・忘れてる・・・」
・・・忘れてたよ・・・完全に忘れてたよ・・・
「い、いや、そんなことは・・・」
「ありますね?」
「うぅ・・・」
「まあいいです・・・このことについては明日、学校で、皆さんの前で話していただきますから」
「・・・・・わかったよ」
「じゃあショッピングの続きといきましょうか♪」
「はいはい・・・」
と、そのとき
「きやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫び声が・・・あの声は・・・
「未樹ちゃん!!!」
僕は走り出していた・・・
「和兄!?」
「和樹さん!!」
「・・・・・・」
その後を三人が追ってくる
たぶん悪魔に襲われたんだと思う・・・そうなると、早く行かないと大変なことになってしまう・・・
路地を曲がって、僕は全速力で走った・・・
「未樹ちゃん!!」
「か、和樹兄さん」
案の定未樹ちゃんは悪魔に襲われていた・・・あれは・・・
「お前上級悪魔だね・・・」
「あぁ、上級悪魔『ガイルン』という。覚えておけ」
「そうか・・・ガイルン・・・お前、悪魔封印の解除方法しってるか?」
「無論だ、だが貴様に教える義理はないな・・・」
「じゃあ力ずくで教えてもらうことにするよ」
「お前にできるのか?人間の分際で・・・」
「それならこれでどうだい?」
精神集中・・・精神転換・・・
「ま、まさか・・・お前は・・・・」
「そのとうり、キズナさ。」
「こんなところで貴様に出会えるとは」
「そんなことより早くやろうぜ!!!」
「ふ、相手にとって不足なし!!」
「場所だけは変えさせてもらうよ、本気でやりたいからね」
「よかろう」
「未樹、どっかに隠れてな」
「は、はい」
『大地に眠りし聖霊よ・・・我らに戦いの場を与えよ・・・』
『聖なる大地の旋律・・・』
『戦闘結界!!!』
そして、戦闘が始まる・・・・
第四章完

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