2002/04/12
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 しかし 表紙のブコ は油切っててぶつぶついっぱいでグロテスクだなあ・・・・・・ってグラサン逆!
 小説・ルポ・エッセイ・他40篇が集められた本だから、どこまでが本当かは知らないが、出てくる熱心なファンや飲んだくれによって、多くの先人とブコは比較される。主に詩人として。ヘミングウェイ、エリオット(T・S・エリオット?)、ウィリアム・ブレイク。言う方は誉めているつもりなのだろうが、本人にとってはどうでもいいことでしかないだろう。この手の誉め言葉に、いや、この手じゃなくても、誉め言葉を真に受けてそれで満足してしまい成長を止める人は少なくない。各芸術において、素人でも良いものを創る人たちは大勢いる。創り続けること、さらに発展することを止める原因に、安易な誉め手と満足感の器の小さい創り手の存在がある。しかしこれは別の話。
 ちなみにブコが認める作家たちは↓


 学問をしたいのなら、カール・マルクスは読むな。カチンカチンに乾いたクソにすぎない。どうか精神を学んでくれ。マルクスはプラハを駆け巡った戦車にすぎない。プラハでのこんな手口にどうかだまされないでくれ。なにはさておき、まずセリーヌを嫁。歴史始まって以来の最高の作家だ。もちろん、カミュの『異邦人』もだ。ドストエフスキーでは『罪と罰』と『カラマーゾフの兄弟』。カフカの全作品。無名の作家ジョン・ファンテの全作品。ツルゲーネフの短編。フォークナー、シェイクスピアは除外する。とりわけジョージ・バーナード・ショウは絶対に入れない。ショウのものは、現代を描いた、でたらめ大ぼら作品で、信じられないほど政治と文学をごちゃ混ぜにした、まさにクソ味噌文学に他ならないからだ。もっと若い作家で、ショウが舗装した道を歩き、必要とあればショウの尻まで舐めそうな作家で思いつくのはヘミングウェイだが、ヘミングウェイとショウとのちがいは、ヘミングウェイは初期にはいくつかいい作品を書いたが、ショウは最初から最後まで完璧にばかばかしく、つまらないダボラ作品しか書かなかった点だ。


 この人の手から「ツルゲーネフの短編」なんて言葉が出てくるのが面白い。セリーヌとファンテ以外は、いささか保守的と思えなくもないラインナップ。無頼で破廉恥な作家だと思われがち(大体あってるが)なブコウスキーだが、基本をはずしてものを書いているわけではない。根本的に詩人であり続けたことと、変に道をはずさず直截な文章、物語で書き続けたことが、この人をヘミングウェイよりも偉大な作家とした、と思う。私はまだヘミングウェイがいい仕事をしている時期の作品しか読んだことがないが。

チャールズ・ブコウスキー「ブコウスキー・ノート」山西治男 訳(文遊社)





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Last updated  2002/04/12 10:08:48 PMコメント(0) | コメントを書く


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