☆☆ えいごとインテリアの国 ☆☆

バージニア・リー・バートン

バージニア・リー・バートンの絵本たち

彼女の絵本は、とても緻密に描かれています。絵をじっくり見ると、細かいところまで本当に神経がゆき届いているのがわかります。
ご自身が男の子のお母さんだったということもあり、乗り物が主人公のお話も多く、男の子には特におすすめ!でも、「ちいさいおうち」は女の子の心にもすう~っと沁みこみますね。

1. The Little House (ちいさいおうち)

The Little House

私が子供の頃大好きだった絵本です!
「ちいさいおうち(Little House)」は、のどかな田舎で幸せに暮らしていましたが、少しずつ周りに家が建ち、ビルが建ち…気がついたら大都会のど真ん中。鉄道や大きなビルの谷間でほとんど忘れ去られた存在になってしまいます。
窓はやぶれ、住む人もなく、見捨てられてしまっている、かわいそうな「ちいさなおうち」…でもある日、この家を建てた人のgreat-great-granddaughter(「まごの まごの そのまた まごにあたるひと」)が、ふと振り返り…。
丹念に描かれた、美しい色彩の風景や、そこに点在する人々。そして全てのページの中心にいるLittle House の微妙な表情の変化は、こどもなら絶対に見逃しません。
初版は1942年。その頃の日本では人ごとだったかもしれない、この本の中の出来事が、今や日本中いたるところで現実になっています。
「ちいさいおうち」が心から安らげるような自然環境は、こども達にとっても理想的な環境のはず。
大切なものを失わないように…とこの本がメッセージを送っているような気がします。

2.LIFE STORY ( せいめいのれきし) )

LIFE STORY

壮大な地球の歴史が、劇場で観ているかのように美しく、精密に描かれています。
物語は、大昔太陽が生まれたところから始まり、やがてまっかな溶岩におおわれた地球が誕生。
だんだん地球が冷え始め、水蒸気が雨になって海ができ、その中で小さな小さな生命が誕生。やがて植物、ついで生き物が陸地に上がり、恐竜の時代が訪れますが、やがて氷河にすべてが押し込められ、マンモスが歩き回るようになってから、やっと人間が現れます。
気の遠くなるような長い長いお話。
この絵本には、「火成岩(Igneous Rock)」「原生動物(protozoa)」「腕足類(brachiopods)」など、難しい言葉がたくさん出てきます。
でも、最後の第5幕では、「このごろのひとびとの生活(Most Recent Life)」と題して、春夏秋冬の自然と共に生きる人々の素朴な暮らしが描かれています。ここのくだりは、都会の喧騒から助け出された「ちいさいおうち」が取り戻した幸せな日々に重なるものがあり、ほのぼのとしたムード。
分量の多さといい、難しい言葉といい、小さな子どもには無理なのでは、と考えがちですが、おまじないのような言葉と魔法のように不思議な出来事が散りばめられたこの絵本に、魅せられるこどもも少なくないようです。

3.Maybelle the Cable Car (ちいさいケーブルカーのメーベル)

ちいさいケーブルカーのメーベル

パステルカラーがかわいいこの本は、サンフランシスコのケーブルカー「メーベル」が主人公。
(管理人のハンドル名は、ここから…)
サンフランシスコの急な坂道を登ったり下ったりするのに、ケーブルカーは大きな力を発揮!でも文明の進歩と共に、時代遅れであると思う人も。
排気ガスを撒き散らして走るバスのBig Billには「おまえなんか、のろくて、古くて、不経済!」と意地悪な言葉を投げかけられ、しょんぼりするメーベル。市議会で廃止が決まったと言われ…。
でも、たくさんの人々が廃止に反対の署名をし、"SAVE THE CABLE CARS"というバナーを掲げてデモ行進!とうとう廃止か否かは投票で決着!
おかげで、今でもサンフランシスコに行けば、楽しそうにケーブルカーに乗る人々の笑顔を見ることができるし、チンチン(Ting, Ting!)という可愛い鐘の音を聴くこともできます。
この本は、人々の力を集めれば世の中の動きを変えることもできる、と将来の大人である子どもたちを勇気づけるメッセージを送ってくれています。
"Maybelle the Cable Car" by Virginia Lee Burton: Houghton Mifflin
『ちいさいケーブルカーのメーベル』バージニア・リー・バートン作 かつらゆうこ・いしいももこ訳 ペンギン社

4. CHOO CHOO(いたずらきかんしゃちゅうちゅう)

CHOO CHOO

この作者にしては珍しく、白地に黒1色で描かれた絵本だが、機関車がビュンビュンと走るスピード感がリアルに感じられるのは、さすが!
小さな機関車(Little Engine)が、自由を求めてどんどん走っていく楽しさを味わうが、道に迷ってしまい、しくしくと泣き始める…。
いたずら好きで、失敗ばかりしてしまうこどもには、とても身にしみるシーンだと思うが、優しい機関士たちが助けにきてくれるところでは、すごくほっとするはず。
この絵本の朗読テープをもっているが、心地よい音楽や効果音が入って、とても楽しい。男性のナレーションはとても美しい英語(アメリカ英語だが、クセのないきれいな英語)で、お手本にしたい。

5. はたらきもののじょせつしゃけいてぃー

★はたらきもののじょせつしゃけいてぃー★


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