こまた☆たまこのジュネーヴ通信

ちびたま出産記(いよいよ)後編



午後8時

ここで担当の助産婦さんと医師が交代する。12時間勤務なのかなぁ~?おそらく。

新しい担当の鼻のピアスが印象的な助産婦見習いの一人は、以前日本に旅行に行ったことがあるらしく、「日本のBENTOは最高だ」と言っていた。たまおさんと日本滞在談義に花を咲かせたりして始終分娩室はりラックスした雰囲気だ。



午後9時半くらい

子宮口が全拡大したことを確認した後、ようやくリキむ許可が出た。

お産開始から既に12時間が経過しているが、それ程の疲労感はない。

助産婦さんの掛け声に合わせて、顔じゃなくて・笑、局部に集中してリキむ、リキむ。



っと、ここで、大きな問題発生!


さっきから鼻が詰まっていて、リキむ合間の息がうまく吸えない。お産は、呼吸が命だというのにっ!おまけに鼻水も垂れてきたので、たまおさんにティッシュペーパーを鼻の穴に突っ込んでもらいながらのお産となった。(笑)


陣痛の波は、記録紙を見れば分るが、やはり全く感覚が無いのでは上手にイキむことが出来ないので、麻酔の効きを弱くした。



っと、ここで、また新たな問題発生!


朝、大判クッキーを一枚ほど食べただけで、昨夜から何も食べていないので、お腹が空いて空いて肝心な時に力が入らない。(笑)冗談じゃなく、これは本当にまいった。次回(あるかどうか分らないが)出産するときは、たとえ止められたとしてもご飯はしっかり食べておこうと心に誓った。(笑)



自分の体温が上がったのか?部屋がとても暑くなったように感じた。

もうすぐ生まれるということで、胎児を乗せる量りが用意されたり、生まれたばかりの赤ちゃんの体温を下げないように蛍光灯のような光があてられる準備などが着々と始まった。臨場感満点。(笑)


ちなみに、この分娩室、おおよそ15畳くらいかな?


何故か、このとき、強烈にコカ・コーラが飲みたくなった、わたし。(笑)

おそらく糖分が不足していたのではないかと思う。助産婦さんに頼んで、シロップを飲む。

イキむ合間にも水分補給。(←たまおさん担当・笑)



一回のイキみで3度プッシュする。。。。呼吸のし過ぎで頭がクラクラしてきた。

この間、またちょっと記憶が曖昧なのだが、酸素呼吸器を付けられたりした。

たまおさんは、わたしのその姿を見て結構ビビっていたらしい。

何度かのイキみの合間にも助産婦さんから細かい指示が与えられた。



午後10時半くらい


医師登場。午後8時に担当医師も交代しており、印象の薄い30歳代くらいの男性医師だ。後にわたしが苦しむことになる会陰切開がされた。(とっさのことで全く気付かなかった)


ここから先の記憶は、ややモヤがかかっている。

っというのも、上手くイキめるようにと局部を大鏡で見るように促されるのだが、わたしにはそれが出来ない。はっきり言って見たくないのだ。(苦笑)そのシーンが、自分の記憶に残るのがとても怖い。さりげなく目をつぶったりしていた。(←意外と気が小さいわたし・笑)


このとき、たまおさんは、ちびたまの毛の生えた頭がわたしの股間でチラチラ見え隠れするのをハッキリと見ていたらしい。オオォ~こわっ!



何度も助産婦さんのリードに合わせてプッシュ、プッシュ。

助産婦さんの一人がわたしのお腹に上半身の体重をかけプッシュ、プッシュ、プッシュ。

たまおさんの声援もプッシュ、プッシュ、プッシュ、プッシュ~



アアァ~、もうええ加減疲れた・・・・・。




腹も減った・・・・・・・・。






そうこうしているうちに・・・・医師の掛け声で最後の一プッシュ。







ムニュっとした感覚と同時に、 オッギャー!


ちびたまが誕生した。(午後11時36分)


へその緒が付いたまま、わたしの腹の上に乗せられた「ちびたま」と初対面したわたしの直後の感想は・・・・・・・・・・・・・、







「うわぁっ!」 だった。(実際、声に出したかもしれん。。。。苦笑)




その数秒後、あまりの爽快感に感動したっ!




トツキトオカの便秘が解消したような爽快感だった。(笑)





始めて見る我が息子は、




餌 を 求 め て 首 を 上 下 に 動 か す、




生 ま れ た ば か り の、





・・・・・・・・・・・・・・・・・「鳥 の 赤 ん 坊」 の よ う だ っ た。(笑)



たまおさんによってへその緒が切られ、ちびたまは、30分以上わたしの腹の上に乗せられたままだった。全身羊水に包まれた直後の「ちびたま」は、一見風呂上りのようでもあった。(笑)

風呂上り風のちびたまさんは、実際に翌日の朝まで風呂に入らなかった。(笑)


さて、当のたまおさんは、わたしより感動しているようにも見えた。

始めての立会い出産にも動じる風もなく、ちびたまの写真を取ったり、助産婦さんと現実的/事務的な会話をしたりと意外にも落ち着いた様子だった。チラッと、たまおさんの目に光るものが見えたような気がしたが・・・・、わたしの見間違いだったかもしれない。


当のわたしはというと・・・・



分娩台の上で、何とも言えない 幸福感 空腹感 に包まれていた。(笑)


産後の大出血や容態の急変に備えて分娩台の上で30分休んだ後、会陰切開後の縫合がされた。(30分以上かかったように思う)溶ける糸を使用したようで、後の抜糸はなかった。

胎盤も見せて貰おうかと思ったが、今後レバーが食べられなくなると困るので止めておいた。(←やっぱり衝撃映像に弱いわたし・笑)




日付変わって、12月20日。

病室に移された、わたしとちびたまを残して、

たまおさんは、一時間の距離を家まで歩いて帰ったそうである。



本人は、「夜中の2時にタクシーを呼ぶのが面倒だったから」と言っていたが、

「夜空を眺めながら出産の感動の余韻を楽しみつつ興奮冷めやらぬまま一時間なんてアッという間に歩けちゃった」というのが本当のところではないか?と睨んでいる。(笑)





ご苦労さまでした。



おわり


【 追記 】

全体的な感想として、最初から最後までたまおさんと一緒に出来た「お産」は、非常に楽しいものになった。お産が比較的楽だったため、育児にも肯定的な気持ちで取り組めたことは、その後の大きな収穫だったと思う。

100%満たされた出産直後の気持ちを忘れないように、毎日育児に励み、たまぁ~~~~には、たまおさん孝行でもしてみましょうかねぇ~??(笑)





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