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サスペンス小説の「池袋ウエスト・ゲート・パーク」、ローティーン青春小説の「4TEEN」に続き、同じ石田衣良の「眠れぬ真珠」を読んだ。
こちらは、ガラッと変わって大人の恋愛小説。しかも女45歳と男27歳。
内田咲世子(さよこ)45歳独身の中堅版画家、48歳の画商と不倫中、最近更年期障害の症状が出始めた。
徳永素樹(もとき)27歳独身の映像作家、自主制作の映画でいくつか賞をとって、親友の妹であり元恋人の新進女優のCFのほとんどを手がけた、初の長編映画を製作しようとしたところで制作費に絡んだスキャンダルに巻き込まれ映画の世界から離れ、葉山のカフェでアルバイト中。
この二人がカフェの客とウィターとして出会い、そして惹かれあう。
この二人に画商、その画商のもう一人の不倫相手である28歳の精神分裂気味でストーカーになって暴れまわる女、そして新進女優が絡んで、読み始めたら離れられないストーリーが展開される。
余談だが、素樹が版画家咲世子のドキュメンタリー・ビデオを撮るというストーリーの中で、版画の製作過程が詳細に描かれている。これは、知らなかった世界だ。次に版画を観る機会が合った場合は、今までとはちょっと違った目で観られそう。
極めつけは、銀座に画廊と2つのクラブを経営し、身寄りのない咲世子が姉とも母とも頼る存在である町枝ママのセリフ。
「咲世ちゃんは、やっぱり真珠の女だね」
「女はね、二種類に分かれるの。ダイヤモンドの女とパールの女。光を外側に放つタイプと内側に引き込むタイプ。幸せになるのは、男たちの誰にでも値段が分かるゴージャスなダイヤモンドの女ね。真珠のよしあしがわかる男なんて、めったいにいないから」
う~ん。いいねえ、こういうセリフ。こういうことが書ける石田衣良って、すごいなあ。
ただのエロ小説なのに、日経新聞に掲載されるので話題になって、職場の会話にも平気で出てきて、映画やTVドラマになる渡辺淳一の小説とは違うわ。
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