きらきらぼし

きらきらぼし

紫の雪



君の赤いマフラーは、より鮮明に見えた

まるで、自分の存在を誰よりも主張しているように、

君は好んで赤いマフラーを選んだ

あなたにはグリーンよ

君はそう言って笑った

赤い色にグリーンを混ぜると

何色にもならないわ

何色にもならない関係がいいと君はよく言ったけど

それはただの強がりだと僕は見抜いていたつもりだった



君はときどき 違う人になったように無口になった

海の深い青のように 何かを深く考えていた

僕は きっとほんとの君は ここにあるんだと思っていた



クリスマスプレゼントに何がいい?

「真っ白な雪が欲しい」

冗談だったのか 本気だったのか 今はもうわからないけれど

その意味の深さを ずっとずっと後になって知った



君は

赤でもなく

青でもなく

君は

赤であり

青であったんだ



二つの色の狭間の境目

紫の場所で

白い雪を見つめていた



君の心に 紫の雪が降っていたことを

知ったとき

僕の心にも 紫の雪が降った



今年のクリスマスは

君の心には 何色の雪が降っていますか?




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