桃色の雪
一生懸命追いかけた。
やっと追いついたら、
冷たくなった手を握って、あなたのコートのポケットに入れてくれた。
あったかすぎて、涙が出そうになった。
クリスマスプレゼントのマフラー。
約束どおりに、巻いてきてくれたあなたに、
聞きたい言葉。
聞けない言葉。
何度も何度も、心の中で繰り返した。
言葉に出せば、
あなたに逢えなくなることが、一番 怖い。
二人の間に降る雪が
二人のラインを消してくれたら、
言える言葉を飲み込んだ。
今だけ、もう少しだけ、あなたのポッケのぬくもりの中でいさせてね。
誰にも言えない恋は、
誰にも言わない約束で始まった。
きっと、終わる時も、
誰にも言わないまま終わるんだね。
それでも、
あなたに 逢いたい。
ただ、
あなたに 逢いたい。
地上に落ちた瞬間、
すべてを洗い流す白い雪に変わる儚い桃色の雪。
あなただけに、見せたい
桃色の雪が 私の心に降る。
今年のクリスマス。
あなたの心には何色の雪が降りますか？
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