+紅天の追憶+

―+失ったのは世界+―


錠は開かない。

唯一の窓は自らの手で閉めて。
光を遮るのは己の心。




悲しみに耽るのもいいだろう。
苦しみに身を任せるのもいいだろう。
感情がまま罠に堕ちるのもいいだろう。


だけれど、そこで嘲笑(わら)われているのは――――苦悶したアナタの顔。



さぁ逃げて逃げて。

どんどんアナタは苦境の崖に立たされる。
さぁ振り返らずに前を向いて逃げろ。
振り返ったなら、もう道は消えてるよ?



足場を失くした天使は飛べるけど
羽根のないアナタには、出来ないでしょう?



助けはないよ。嘗てアナタがそうした様に。
何処まで逃げ切るの? ねぇ何処まで?
逃げ切ったなら、アナタはもういないよね?




――――――この世界に、微塵の面影さえも残さずに………。

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