閑古鳥の巣箱

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小市民伯爵

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2004.10.21
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>この話は昨日の日記 「はがゆい世界」

「ギャンブラーな世界」

しばらくあてもなく歩いていると、自販機があった。

ちょうど喉も渇いていたので、お金を入れてみたが、あれっと思う。

ジュースのモデル達は飾ってあるのに、ボタンがないのだ。

困ったナァ・・・と思っていると、ピカピカと金色に光るロボットが近寄ってきた。


ロボ「どうしましたか」


男性「お、このロボット喋るのか。よく出来ているな」





男性「この自販機が変なんだよ。ボタンがどこにもないんで」


ロボ「ぷっ」


男性「ちょっと待て!さっき笑わなかったか」


ロボ「すいません。久しぶりに外の人と出会ったものですから」


男性「外・・・?」


ロボ「ここの自販機には選ぶボタンがありません」


男性「そんな!詐欺じゃないか。お金入れちゃったのに」


ロボ「選ぶことが出来ないだけです。お金を入れる所の横に赤いボタンがあるでしょう。

   それを押せば、ランダムでジュースが落ちてくる仕組みです」


男性「わざわざランダムにする意味がわからないんだが」


ロボ「選ぶのが面倒じゃありませんか。ここの世界の人は優柔不断な人が多いもので



   選んでくれる方がいいのですよ」


男性「そんな!俺にはいつも心に決めているジュースがあるんだよ!」


ロボ「わがままいわないの、メッ」


男性「メっていうな!」





男性「まぁ言い合っても仕方ないか。ポチっとな」


テンテンテテテテテテテテテンテンテン・テン・テン・・テン・・・テン・・・・・・・テン・・・ぽとっ


男性「おい!ぼとってなんだよ」


ロボ「これはレアですよ!」


男性「って、ただの梅干じゃないか!」


ロボ「これは唾液ジュースですよ。梅干を見たときの唾液で喉を潤すという」


男性「いるかよ!もうお金はないし・・・」


ロボ「ジュースがないならケーキを食べればいいじゃない」


男性「よけい喉かわくよ!」


ロボ「仕方ないですね。私のオイルを少し分けてあげましょうか」


男性「もういい、喋るな」


ロボ「ショックっ!」


男性「おい、お前本当にロボか。しかしこの梅干・・・なんか変な味が」


ロボ「それ食べちゃだめですよ」


男性「ぶっ!」


ロボ「それは見るだけなんです。まさか食べる人がいるとは思いませんでした」


男性「はぅっ!なんか急におなかが痛くなってきた・・・。

   ト・・・トイレはどこ!?」


ロボ「乗ってください。急ぎましょう」


男性「ありがとう・・・って、なんでこんなにノロノロ進むんだよ」


ロボ「最大速度です。これ以上は、あなたはよくても、私が疲れます」


男性「ロボのくせに疲れるなよ!もういい。歩いた方が速い」


ロボ「ショックっ!」


男性「少しは黙れ!あそこに見えるのがトイレか」


ロボ「そうです・・・」


男性「自信なさげに言わないでくれよ」


ロボ「そういえばここのトイレはお金かかりますよ」


男性「トイレットペーパー代か。参ったな。あと20円しかない」


ロボ「それだけあれば十分ですよ」


男性「安いんだね。100円はすると思ってた」


ロボ「トイレットペーパーは無料です」


男性「じゃ、どこでお金を使うの」


ロボ「トイレにもボタンがついてまして。そのボタンを押すのに一回10円かかります」


男性「水を流すお金?」


ロボ「50%の確率で水が流れ、50%の確率でドアが開きます」


男性「なんでだよ!そんなところをギャンブルにする意味がわからん」


ロボ「ここの世界の人は生活に退屈を感じている人がほとんどでして。

   日常のちょっとしたこともギャンブルになっていないと気がすまないのです」


男性「俺はいやだよ!なんでそんな酔狂な奴らにあわせないといけないんだ」


ロボ「最大多数の最大幸福です。我慢しなさい、メッ」


男性「メッていうな!」


ロボ「ショックッ」


男性「ああ、もれる。もういいや。入るからな」


ロボ「いってらっしゃい」


男性「ふ~。まったく危ない所だった。しかしここのドア頑丈だな。オートロック形式か。

   待てよ・・・。水を流し、その後でドアを開けるのに合計20円かかるのか・・・。

   そして今の所持金がちょうど20円・・・。ぎりぎりじゃないか!

   下手するとここに閉じ込められかねない。なんてことだ」


ロボ「あ、言い忘れましたけど、リスク回避ボタンもありますよ」


男性「リスク回避ボタン?」


ロボ「つまりギャンブルが嫌いなへたれのために、冒険しないでいいボタンです」


男性「へたれっていうな」


ロボ「赤いボタンのすぐ下に青いボタンがあるはずです。20円かかりますが」


男性「お、そんなボタンがあるならはやくいえよ。ポチっとな」


ロボ「そうすると、水が中途半端に流れ、ドアが半開きになります」


男性「ぎゃー!意味ねぇぇ」






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Last updated  2004.10.23 18:04:20 コメント(15) | コメントを書く


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