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花夢島~Flower Dream Island~
3~編入試験~
そんな日々を過していると、ある日突然芽衣にこんな事を言われた。
「そういえばさ、湊。明日編入試験だけど大丈夫そう?」
青天の霹靂と言うべきか、この状況は。明日試験なんてそもそも初耳だ。当然準備などできているはずもなく大丈夫な訳もないだろう。
「いや、そもそもそれ初耳だから……」
「あれ?言ってなかったっけ……?」
少し悩んだ後苦笑を浮かべる芽衣。まあどうにでもなれって感じかな。どうせ編入試験なんてそんな難しい問題でないだろう。前の学校でも結構成績はよかったし。
「ちなみに、その学校、県内でもトップ校だからね?」
折角半ば諦め感がついていたのにそう言う不安になるような事を言う……
「私も中3の時は死に物狂いで勉強したよ……もうあんなに勉強する日はきっとこないだろうなぁ……」
何か遠い目で明後日の方向を見ている。だんだん俺も不安になってくるなぁ。
俺は芽衣をこちらの世界に連れ戻すと、その不安から逃れる為に布団に入り、意識をやみに委ねる事にした。
意識がやみに落ちていく瞬間。それは何も考える必要もなくて、悲しいことやつらい事を全て忘れさせてくれる。俺はその瞬間が好きだった。向こうの家にいるときはきっと眠る時のことしか考えていなかっただろう。あの家にいると、両親のことを思い出して悲しくなってしまうから……
徐々に意識が深い闇へと沈んでいく。何も考えなくていい。ただそれに身を委ねる。
そうして、俺は眠りについた。
そして、試験の朝。昨日ぐっすりと眠ったおかげか気持ちは落ち着いていた。まあ別に落ちても問題はないと気付いただけなんだけど。
布団から出て着替えようとして戸惑う。
「試験のとき、私服でいいのかな。制服なんて今持ってないし」
まあ選択の余地はなかったな。私服しかないじゃないか。
あまり派手じゃない服を選んでそれに着替え、リビングに下りる。リビングには既に2人が朝食の準備をしていた。
「おはようございます、今日は早いんですね」
俺が入ってきたのに気付いたのか麻衣さんが声をかけてくれた。
「まあ昨日は早く寝たからね。緊張して早く目が覚めたってのもあるかもしれないけど」
やっぱり試験と言うものは開き直っても緊張する。緊張しない奴はきっとある種の感覚が鈍っているんだろう。
「大丈夫ですよ。試験って言ったってそんなに難しい物じゃありませんし」
その言葉を聞いているといつの間にか芽衣が俺の横に来ていて、俺に囁いた。
「お姉ちゃんの言う難しくないは大抵の人にとっては難しいから気をつけてね」
なんだ?芽衣は俺を不安にさせるような発言をわざと煽っているのか?その一言は俺の不安を加速度的に上昇させたぞ。
「芽衣ちゃん、変なこと言って湊くんを不安がらせないの」
朝食を盛り付けていた麻衣さんが発言。
「えー、でも本当のことだしね~」
「やっぱり麻衣さんって偉いんだ」
何と無く予想はついていたけど。何か学校の生徒会長とかやってても可笑しくなさそうだし。
「うん、お姉ちゃん、受験の時に面接で進学学科に入るように薦められたもんね」
進学学科か。きっとかなり偉い人たちが集まってるんだろう。そんな場所に薦められるほどならよっぽど偉いんだろう。正直羨ましい。
「あれ、でも麻衣さん前に通常学科に通ってるって言ってたよね。進学学科には行かなかったんだ」
「はい、家のこととかやらなければならないですから」
そう言いながらにっこりと微笑む。気付けばいつも笑ってる気がするなぁ、この人。
「まあ、そろそろ食べようか、ご飯。湊だって余裕をもって向こうにつけた方がいいでしょ?」
「そりゃあ、まあ」
別にギリギリでも問題はないのだが、わざわざ否定する必要もないし肯定。そうして、俺たちは3人で駄弁りながら朝食を食べた。
そして、今俺は2人の通う高校、即ち俺が今から試験を受ける洸鳴学院の正門前に立っていた。
洸鳴学院については多少聞いていたが、思ったよりも大きく、綺麗だと思った。広さは大学程とは言わないがそれでもかなり広いだろう。高校でこれほどの広さをもつものは多分他にないだろうな。
俺は既に萎縮しながらも2人に職員室に案内され、担当の先生のもとまで連れていってもらった。
その先生はまだ若く、若干20代後半と言った所だろう。細身で何か頼りなさ気な感じだ。
「君が周防院 湊くんだね。始めまして、僕は今回君の受ける編入試験の説明官みたいなものをさせてもらう靖壱と言います。よろしく」
笑顔で俺に手を差し伸べてきた。俺はそれを受け、挨拶を返した。
「じゃあ、早速今日の試験の内容を伝えておくよ。この後30分後に2年6組の教室で5教科テストを受けてもらうんだけど、英語と数学が必須で残りの3教化を化学と物理と世界史と日本史と地理と現国と古典の中から選んで受けてもらうことになっている。だから前の学校でやっていた科目を選んでくれればいいよ」
「じゃあ化学と物理と地理でお願いします」
即答した。まあ国語と社会はあんまし好きじゃないからなぁ。完全に理系派だし。
先生はそれに頷いた後説明を続けた。
「そしてそれが終ったあとは10分の休憩を挟んで面接を行う。会場は案内人が案内してくれるから。それが終ったらまた僕のところに戻ってきてくれ。そこで合否発表を行うから」
試験のその日に結果が出るなんてどれだけ特殊なんだろうか。まあそういう方針なんだろうから別に何も言う事はないが。
「それじゃあ、教室に行こうか」
俺は立ち上がり歩き出した先生の後ろを追っていった。
教室の前まで来ると、先生はここで待っていてと言ってきた道を戻っていった。
なので俺は廊下に出されていた椅子に座って暫く待つことにする。
暫くそうしていると、2人の女子生徒が姿を見せた。その2人は俺の前まで来て、こう話し掛けてきた。
「あなたが周防院 湊さんなのですか?」
2人の内、ブラウンカラーのショートヘアの娘が聞いてきた。
「そんなこと聞かなくても分かるでしょう。私服でこんな所にいるのですし」
もう一人の少しだけ怖そうな感じの娘が初めに話し掛けてきた人に言う。
「一応確認するのですよ。だって違ったらいやじゃないですかー」
「まあ別にいいですけど。それで、一応確認しますけど、あなたは周防院 湊であっていますの?」
話し方が何かアレだなぁ。
「まあ、そうですけど、どなたですか?」
何かこの人のせいで自然と敬語が出てしまう……
「私は緑川 亞姫菜って言うのですよ。それで、こっちが皇木 明緋なのです。今日は試験が終った後校舎を案内するよう頼まれてそれで来たのですよ。よろしくなのです」
「校舎を案内って受かるかどうかも分からないのに……」
一体ここの先生は何を考えているんだろうか……きっと編入するくらいなんだから受かって当然とか思ってるんだろうか。
「学校の方針として少しでもこの学校について知って貰おうってことみたいなのですけど、あんまり気にしないほうがいいのですよ」
「まあよほど偉くないと受かれないですし、期待しない事ですわね。今までに編入試験に受かった人なんで数える程だって言いますし」
ここでもさらっと怖い事を……一体どんだけ偉いんだよ、この学校。受かる自身なんてもう全然ないぞ……
「あんまり気にしなくていいのです~。確かに今までで編入試験に受かったのは、9人程なのですが……。そもそも編入とかする人自体が少ないからでもあるのですよ」
いや、それでも9人ってなんだよ、その数字……幾らなんでも少なすぎにも程がある!!!
「その数字を聞かされて気にするなってのも無理な話だけど、まあやるだけのことはやってみるかな」
何かここまで来ると然程緊張もしなくなってきたな。意外といいコンディションでテストは受けられるかもしれない。
そんなことを考えていたら先生が戻ってきて、それを期に2人はまた階段の方へと消えていった。
「じゃあ、そろそろ中に入って。テストを始めようか」
俺は席につくと先生の開始の声を待って問題用紙を開いた。
テスト時間は9時から50分間で英語と数学を行い、10分の休憩の後10時から11時半までの90分で選んだ3教化を行うらしい。
一番上にあった英語の問題用紙を開くと、何故かプリント二枚裏表をふんだんに使った長文が書かれている。そして、3枚目にはそれに関する問題がまたも裏表に……
これを単純計算で25分でやるのか。虐めにも近いぞ、これは……
そう思いながらもタイトルを見る。そのタイトルは見覚えのあるものだった。そういえばこれ、前の学校の期末テストで出たな。
過去を思い出す。まだ最近の事だから記憶に新しい。俺は一応文章と問題文をさらりと見て全く同じだと言う確証を得てから答えを書き込む。前の学校ではテスト返却の時に正答が発表されない為数問答えを知らない問題もあるが、大抵はあっていたし、大丈夫だろう。
俺は解答用紙を全て埋めてから数学の問題用紙に目を移す。残り時間は35分。数学なら得意だし多分間に合うだろう。
問題用紙と解答用紙を交互に見ながら答えを手際よく埋めていく。皆が言うほど難しくはない。この調子なら面接でミスしなければ大丈夫そうだな。
そして、最後の証明の問題を丁度終えたとき、チャイムがなり、先生に解答用紙が回収される。そして、俺は先生と共に廊下に出る。先生はまたここで待っていると言った後解答用紙を持って階段へと向かった。きっと採点でもしてくるのだろう。
俺はまた椅子に腰掛け、時間を待つ。その際、またあの2人がやってきた。
きっと俺が教室に勝手に入らないように見張りも兼ねてるんだろうな。
「テストはどうだったですか?」
「あまりの難しさに一問も解けなかったに決まっていますわ」
相変わらず皇木さんは酷い言いようだな……
「いや、結構できたと思うよ。英語は何問か分からなかったけど数学は多分ケアレスミスがなければ全部あってると思う」
俺がそう言うと、2人は硬直した。少なくとも俺はそう感じた。
「ちょっと問題用紙見せてくれませんか?数学だけでいいですから」
その行動の意味がつかめず戸惑いながらも先程の数学の問題用紙を渡す。
「あ、これ期末テストと同じ内容ですよ~」
小声で皇木さんと会話をしている。まあ聞こえてるけどさ。
「う、これはあの数学教師が無駄に力を入れてかなり難しかったものじゃない……」
なんかあの皇木さんが硬直してるな。あのテストで悪い点でもとったんだろうか。
「確か学年で最高得点が60点だったのですよね」
そんなに難しかっただろうか?前の学校であれがでたら大抵の人は8割取りそうなものだが。
「あなた、一体どんな頭してるんですの……」
いや、どんな頭と言われてもいたって普通かと。いたって平凡などこにでもいる高校生だと自負している。――あ、今は違うか。普通じゃない体験しちゃったしなぁ。
「でも、この調子じゃ試験の方は大丈夫そうなのですよ」
「そう言ってくれるとありがたいけどね」
まだテストも3教科残ってるし、面接だってある。まだまだ落ちる可能性は十二分にあるわけで安心してる場合ではない。
「まあ残りの教化もあるし油断はできないかな」
特に地理あたりはもう勘で行くしかあるまい。
「そういえば、選択の3教科は何を選んだのですか?」
緑川さんが聞いてきた。そういえば言ってなかったな。聞かれてないからだけど。
「えと、物理と化学と地理かな」
「化学と物理2ついっぺんに受けるなんて、あなた馬鹿じゃない!?」
皇木さんが信じられないと言ったふうに言う。
「いや、別に問題ないと思うけど、皇木さんは苦手なの?化学か物理」
「そ、そんなことないわよ!」
いやいや、そんな強がって否定すると逆に肯定してるようなもんだから。
「うー」
何故か涙目で唸りながら睨みつけられた。この人意外と面白いな。
「まあまあ、周防院くんもそんなにはるちゃんを虐めちゃダメなのですよ~」
いや、別に虐めてるつもりなど皆無なのだが。てか周防院さんって呼ばれるとなんか違和感がある。
俺が名前で呼んで欲しいと提案しようとしたとき、タイミング悪く先生が戻ってきて俺はまた教室に戻る事になった。
そして、またテストが始まる。この3教科も問題なく終えることができたと思う。後は面接でミスをしなければ問題はないだろう。その面接に問題があると言えばあるのだが……
俺が教室を出ると、また2人がいた。
「どうだったかな?」
俺と目を合わせた刹那、緑川さんがそう訊いてきた。俺はそれにまあまあと生返事で返す。今俺の頭では面接の時の礼儀と想定質問への回答を考えるのに必至で2人との会話の内容は頭に入っていなかった。
そして、いつの間にか俺は2人に連れられ別の教室の前に来ていた。
「ここが面接会場なのですよ」
「あぁ、ありがとう。じゃあ行ってくるよ」
俺は脳内シミュレーションした行動を行いながら中に入る。そして、椅子の横まで行き、名前を述べてから面接官の言葉を待って座る。ここまでは順調に行えた。後は質問に対する回答か。
質問は、趣味や特技、長所や短所などを訊かれた。俺が一番返答に困る前の学校などの質問をされなかったのは麻衣さんの計らいだろうか。なんにせよ、面接もそれと言った問題も無く終えることができた。そして、退室。教室から出てすぐに安堵と徒労の溜息をつく。漸く終った……後は合否判定だけか。
俺は結果を知るために職員室へと向かう。中に入り、靖壱先生の元へと向かう。
そして、案の定と言うか、俺は合格証を受け取り、その他に色々な手続きとかのプリントが入った封筒を受け取り、説明を聞く。その説明も終ると、俺は職員室から退却した。
廊下に出ると、2人が待っていた。そういえばこの後案内して貰うんだっけ。
「やっぱり受かったんですね」
「まぁ、受かれて良かったですわね」
何か最初よりも随分と皇木さんの喋り方とか随分と優しくなってるのはどうしてなんだろう。裏があるように思えて逆に怖い。
「じゃあ早速校舎を案内するのですよ~」
そして、俺は2人に連れられて構内の様々な施設を見て回った。これから通う学校について色々と知ることができてよかった。そして、俺たちは一通り見終わって、話しながら校門へと向かっていた。
「そういえば、周防院さんはここに来る前にどこの学校に?」
すっかり最初の怖げな雰囲気が消えた皇木さんが突然そんなことを訊いてきた。一瞬どう返答した物かと思ったが、日本の全ての高校を把握している訳でもないだろう、俺は校名をそのまま述べる。
案の定知らなかった。まあ知ってたらどう反応したらいいか分からなくて俺が困るのだが。
「じゃあ何でこっちに来たのですか~?」
今度は緑川さんが。何か質問攻めが始まりそうな気がしてきたぞ。
「まあ、家庭の事情で仕方なくかな」
咄嗟に嘯く。本当のことを言ったら間違いなく痛い視線で見られることは必至だ。まあ例外もいることを学んだ訳だけども。
勿論例外とはあの2人の事だ。状況と前提はかなり違うけど。
「へ~、じゃあ――」
結局質問攻めは実行され、正門に着くまでそれは途切れることなく続いた。
「じゃあなのですよ~。2学期にまた会えるといいですね」
「では、また会える日を楽しみにしていますわ」
俺は2人に別れの挨拶をして天風家に向かって歩みを刻む。どうでも言いが誰か皇木さんの態度の尋常じゃない変化の理由を説明してくれ……
結局その変化に対応できず帰路の間悩み続ける事となった。
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