真理を求めて

真理を求めて

2010.01.18
XML
カテゴリ: 政治
僕は本多勝一さんのファンだったこともあり、「週刊金曜日」の定期購読をしている。その最新号の「大藤理子の政治時評」というコラムに、なかなか面白い共感を感じる文章を見つけた。そこで大藤さんというジャーナリストについても、どのような人かを調べようと思って検索をしていたら、このコラムにやはり共感した猫宮しろいちさんという方が、このコラムを取り上げてブログを書いていた。

「大藤理子氏による鳩山首相の考察 - 「この人のために何かしてあげたい」と思わせるのも立派なリーダーシップでは?」

猫宮しろいちさんは、鳩山政権に対する応援としてこのコラムを引用しているようだ。僕は、大藤さんの人物評価が面白いと思った。鳩山さんと、その前の二人の首相の年頭の挨拶を比べて、そこから3人の人物評を引き出し、鳩山さんを最も高く評価するという論理の流れになっている。その3人の年頭の挨拶をまずは引用して比べてみよう。

安倍晋三
「新年あけましておめでとうございます。
昨年九月、戦後生まれ初の内閣総理大臣として就任し、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた、『美しい国、日本』の実現のため、未来は開かれているとの信念の下、たじろぐことなく、改革の炎を燃やし続けてまいりました」。

麻生太郎
「新年あけましておめでとうございます。
今年は、平成二十一年。今上陛下、御即位二十であります。
国民とともに、心からお祝い申し上げたいと存じます。

バブル崩壊、金融危機など、いくつかの困難にも見舞われましたが、国民の力によって、見事に乗り越えてきました」

鳩山由紀夫
「新年あけましておめでとうございます。
寒さ厳しい中、みなさん、風邪など召されていませんでしょうか?
受験生の皆さん、体調に気をつけて、ベストを出せるように努力してください。
おじいさん、おばあさん、お正月にはお孫さんの顔を見られますか?
もう電話で声を聞かれましたか?
お正月も休みなく働かれている方々、一人暮らしの皆さん、それぞれの環境の中で、穏やかな新年をおむかえでしょうか。」

それぞれの挨拶に対する大藤さんの評は次のようなものだ。

安倍晋三
「とにもかくにもまず自分。自分の実績をひけらかすだけで、国民への呼びかけすら見あたらないという見事な荒技だ。」


「とにもかくにもまず天皇。「国民」とか「日本」がまるで自分のものであるかのような語り口。」

鳩山由紀夫
「偽善の香りがそこはかとなく漂うものの、この鳩山年賀状、なかなか良い線いっているのではないだろうか。受験生から一人暮らしの人まで目配りが行き届いているし、ごく普通の言葉遣いが親近感を抱かせる。印刷された年賀状に一言、手書きの言葉が添えられている感じ。ああこの人は、自分のことをちゃんと頭に思い浮かべてくれたんだなと思わせる。」

引用部分がかなり長くなってしまったが、ここからは感想だ。僕も大藤さんのこの感覚に共感し同意したいと思う。自民党の二人の首相が、上から目線であるのに対して、同じように育ちのいい境遇にもかかわらず、鳩山さんは同じ目線で語っているのを感じる。これが、たとえ演技であろうとも、いや演技であれば、それは鳩山さんの政治家としての資質の高さを語っているのではないかとも思う。

安倍、麻生の両氏は、演技ですら国民の目線に立つことが出来なかったのではないかと思う。ただ、この人物評価というやつは、客観的に誰もが賛成するというようなものを提出することは出来ない。感じ方というセンスの問題は、誰もが同じにはならない。だから大藤さんに共感して同意する人もいれば、全くそのようなことを感じない人もいることだろう。



だがこのセンスも、客観的に法則性を持っているものではなく、社会の流通観念にかなり左右される。特に大衆社会といわれる現代では、マスコミの宣伝がそれに大きく影響してくる。アメリカ人の大部分は、実際には民主党こそが自分たちの立場に立って発言し行動すると、正しい情報さえ与えられれば判断するだろうといわれている。しかし選挙をしてみると共和党が勝つ場合がしばしばある。自分の立場とは反対の主張に共感し、それを支持してしまうことが往々にしてある。流通観念の怖さだと思う。

今の日本でも、かなりの人数の人の立場を代表しているのは自民党ではなく民主党であるのはほぼ明らかだ。だからこそ先の選挙では民主党が圧勝したという結果が出た。しかし、今回の小沢問題が生じたりすると、世論は一気に民主党批判に傾く。だが、その一方では、そろそろマスコミのでたらめぶりに気がついた人がかなり増えてきたのではないかというのも感じる。マスコミが行う世論調査は、どうせ自分たちに都合のいい結果が出るように世論を操作した上で、都合のいい質問をした結果を出しているだけではないかと思う。この世論調査が、実は本当の世論ではないということが結果的に見られるような方向をとることを期待したいと思う。

最後に、大藤さんがこのコラムで主張したかったポイントを語る部分を引用しておこうと思う。これも僕は共感できることで、ここまでの前置きで、この主張には十分な説得力があるというのを感じる。

「マスコミ各社の世論調査によると、鳩山政権の支持率は続落し、早くも「危険水域」などと囁かれている。「指導力がない」というのが支持率低下の一つの大きな要因というが、指導力って何?すべての方針を決定し、みんなをまとめて引っ張って進んでいくことが指導力なら、それは政治の世界においては「独裁」と紙一重であり、危ない。いつからか政治の言葉がビジネスの言葉に乗っ取られてしまった感があるが、首相と経営者を同列に論じるべきではない。「この人のために、自分が出来ることをやってあげたい」と思わせるのも立派なリーダーのあり方だし、首相に求められるのはむしろこちらではないだろうか。ひ弱でも優柔不断でも、独裁よりはまし、と私は思うのである。」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.01.18 23:22:53
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

真の伯父/じじい50 @ Re:自民党憲法草案批判 5 憲法34条のロジック(02/03) 現行憲法も自民草案も「抑留」に対する歯…
秀0430 @ Re[1]:自民党憲法草案批判 5 憲法34条のロジック(02/03) 穴沢ジョージさん お久しぶりです。コメ…
穴沢ジョージ @ Re:自民党憲法草案批判 5 憲法34条のロジック(02/03) ごぶさたです。 そもそも現行の憲法の下で…
秀0430 @ Re[1]:構造としての学校の問題(10/20) ジョンリーフッカーさん 学校に警察権力…

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: