折り鶴

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2011.10.15

(4)

カテゴリ：思い出ポロポロ

鶴を折るというと

病気をしたら（入院したら）千羽鶴とか
客商売の方は、客足を折ると縁起をかつぎ
折り鶴の柄は不吉とされたり。

しかし、ワシは今日も鶴を折ります。

チョコを食べた後の包み紙（個別包装）。

焼酎のフタの外側に、なぜか付いている
正方形の和紙を見つけたとき。

・・・ワシは鶴を折ってしまう。
（特に酔っぱらって１人でいるとき）
いや、なぜに、こんなにも、愚直なまでに
職人のように、折り続けるのじゃろうか？

実は、そこには
過去の輝かしい、そして苦々しい
＆痛々しい、尚かつウッシッシー
青春の栄光と挫折があったのですじゃ。

忘れもしない、いつかの若き日
ワシはある時、妻に言いました。

何センチまで、鶴が折れる？

素手で折る事が出来ました。
妻もワシもな。

だが、２センチ四方の正方形となると
素手では無理でした。
ワシは手がでかいのです。

なので、ピンセットを使い
道具を使えるという
猿との違いを見せつけて
何とか鶴を折る事に成功したのです！

が！

１センチ、９ミリと
正方形を小さくする度
ピンセットを使えど
手は震え、目を剥き、
口と鼻からはフガフガと何かが漏れ
人類とは思えない程の
恥知らずな感じで
も～やばい状態でした。

しかし、ワシも男の意地に賭けて
妻に負けるワケにはいかない！

妻も主婦としてのプライドか？
ワシに負けじと
目を見開き、炯々と、ランランと、ピカーッと
メンチを斬ってきます。

お、お～し、８ミリで勝負じゃー！！

会えない時間が、愛育てるのさ～♪
などとは冗談でも言えない程の
無言の重たい時間が流れる。

ワシ、できたーーー！！

ヨダレを撒き散らしなが宣言する、その刹那！
妻も

私も出来たよーーーー！！

まるで、月夜に対峙する剣豪のごとく
ジリッ、ジリッと相手の間合いを計り
その時間は、無限とも感じる程の緊迫感じゃ。

一瞬でも気を抜いた方が
血を吹き出し、大地に倒れる事になるのじゃ。

よ～し、ここまで来たからには
雌雄を決しようぞ！
いざ、尋常に勝負！！

ワシらは、新たなる課題であるところの、７ミリの紙で
無心に鶴を折った。

今までの辛い修行も、いな、今世の人生そのものが
この一瞬のために存在したかのように
集中し、焼酎し、荒井注しておるのじゃ。
何だバカヤロー

タッタッタッター！

カキーン！

ズバッ！

・・・いかに？

グフッ！ドバー！

・・・・・ワシの負けじゃ。
７ミリは・・・折れなかっ・・・・ガクッ

しかし、このとき
妻はすでに息絶え、大地に横たわるように
鶴を放り投げていたのじゃった。
→飽きて、他の事やってた

・・・・・う～む！
７ミリは、難しい。
あっ、難しい、ことよの～～～～！

こうして、ワシらの記録は
８ミリで終わった夏の日だったのじゃ。
今はも～秋だけれども

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