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2011.07.30
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カテゴリ: 戦争


監督 テッド・コッチェフ
主演 シルヴェスター・スタローン

 ベトナム帰還兵の悲哀を描いた反戦映画です。ヒットが今一つだったせいで、続編からは単純な戦争アクション映画に変わっているようです。(だから僕は観ていません)しかし、この第1作は、スタローン主演ですから、アクション色が強いですが、「ディアハンター」や「タクシードライバー」と並べて評されるべきベトナム反戦映画です。(深みがだいぶ違いますけど)

 ベトナム帰還兵のジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)は、戦友を訪ね、ある田舎町にやってきますが、戦友はベトナムでの科学弾の後遺症で、がんで亡くなっていた。途方にくれ、とりあえず食事でもしようと町をうろついていると、保安官に声をかけられます。保安官は、反抗的な態度をとるランボーを逮捕します。
 警察署でランボーは、差別的な扱いを受け、ベトナムでの拷問シーンがフラッシュバックし、暴力をふるって、逃げ出し、山にこもってしまいます。
 保安官は、州兵も駆り出し、山狩りをします。その中で、ヘリコプターに乗り出した狙撃手が、ランボーの攻撃により、転落して死んでしまうという不幸な事故もあったが、ランボーは追手を常に1対1で攻撃し、傷つけるだけで、決して殺すことはなく退けていきます。ランボーは元グリーンベレーの優秀な隊員でした。保安官は、連絡を受け駆けつけた元上官の忠告にも耳を貸さず、引き上げることをしません。
 旧炭鉱にこもったランボーに対し、山狩り隊は、州兵のロケット砲で入り口を壊し、やっつけたと思い引き上げます。
 別の入り口から旧炭鉱を抜け出したランボーは、軍のトラックを奪い、街へ戻ってきます。ガソリンスタンドと銃砲店を爆破し、保安官事務所の周りの電柱を攻撃し停電させ、事務所に忍び込みます。


 元グリーンベレーのランボー、その戦いは見事です。山の中では、草木に隠れて敵に近づき、1対1で殺さずに確実に倒していき、旧炭鉱の中では、閉じ込められてもあわてず、捕まえたイノシシの肉を食らい、たいまつを巧みに作り、別の出口をさがして脱出し、市街戦では、目標の周りをまず停電させ、敵の自由を奪ってから攻撃する、まさに戦いのプロフェッショナルです。演じるスタローンも、水を得た魚のように上手なアクションです。しかし、この映画では、珍しく長ぜりふを話すスタローンに出会えます。説得に来た元上官に、ベトナムから帰ってから、いかにつらかったかを語り、号泣します。うまくはないですが、言いたいことは十分に伝わります。ここら辺が、ただのアクションものと違うところです。反戦映画だったのです。

 ところで、元グリーンベレーの隊長のたびたびの忠告を聞き入れず、無謀な攻撃を続ける保安官には腹が立ちます。でも、こういう人って、実は身近によくいます。自分の価値観でしか物事を判断できず、人の意見には耳を貸さず、自分の意見に意固地になり、とことん失敗するまで反省しない。ダメな上司の見本のような人ですね。





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Last updated  2011.07.30 16:09:14 コメント(1) | コメントを書く


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