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2011.08.20
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カテゴリ: SF


監督 McG(マックジー)
出演 クリスチャン・ベール サム・ワーシントン アントン・イェルチン

 最初に断っておきます。ターミネーターシリーズを見たことのない人にはチンプンカンプンの内容になっております。ご了承を。

 2018年、「審判の日」後、ジョン・コナー(クリスチャン・ベール)が、反乱軍のリーダーとなり、まだ10代の父カイル・リース(アントン・イェルチン)と出会うところを描いた、人気シリーズの4作目です。

 前3作のイメージで見ると幻滅するかもしれません。後半でコナーとT-800の試作品との戦いが少しありますが、基本的にはマシーンと人間との戦争を描いた映画だからです。もちろんアーノルド・シュワルツェネッガーは、出演していません。(T-800の映像は、体格が似たほかの役者に彼の顔を合成したもので、すぐに燃えてしまうので、一瞬です。)

 ネットに出ている感想でも、否定的なものが多かったですが、それはやはり前3作のイメージやシュワちゃん(長いので省略)の出演を期待していたからでしょう。でも、ちょっと考えたらわかります。「T3」はスカイネットによる核攻撃が始まったところで終わりました。その後はマシーン対人間の戦争を描くしかないでしょう。その上、シュワちゃんは知事の仕事で忙しいのです。そして、ジョンがカイルを過去に送った2029年(「T2」のおかげで、数年ずれるはずです。)を描くには、間が開きすぎです。そこで、シュワちゃんを出さなくてもいいT-800が量産される前の話を1本作っておこうということになったのではないでしょうか。そう考えて、僕はなかなかの秀作にできているな、と思いました。少なくとも「T3」よりはいい出来です。(「T3」はジョンのヘタレぶりに幻滅しました。新型のT-Xもいまいちだったし。)

 僕が、この映画を気に入った点は、まず、ジョン・コナーが抵抗軍のカリスマ的指導者になる過程が描かれているところです。この映画ではジョンは抵抗軍の部隊長でしかありません。抵抗軍のトップではないのです。考えてみれば当然です。「審判の日」の時ジョンはプータローでした。(「T3」参照。)人類のほとんどが死滅したとはいえ、間が十数年あるとはいえ、プータローがいきなり人類の指導者にはなれないでしょう。政府関係者や軍関係者が生き残っていれば、その人たちが指揮をとるのが当然です。この映画では、海中の潜水艦が司令部になっています。劇中ではっきりと語られていないので推測ですが、おそらく「審判の日」の時、海中にいて核攻撃を免れたロシアの潜水艦をそのまま司令部としていると思われます。ジョンは、スカイネット軍に捕まったカール・リースを助ける時間を稼ぐため、その司令部の総攻撃命令に逆らい、他の部隊に待機指示を出します。他の部隊は司令部ではなく、ジョンに従います。ジョンは必死です、何といってもカールが殺されれば自分自身も消えてしまう運命にあるからです。他の部隊の皆さんは、そのことは知らないと思いますが、ジョンがラジオで、世界各地の生き残った人々に呼び掛けていたことは知っています。そして、海中に隠れて指示している司令部とは違って、ジョンがマシーンたちと命をかけて戦い続けていることも知っています。こうして、ジョン・コナーは「T1」の設定通り、抵抗軍の指導者にのし上がっていくのです。このようにプータローだったジョンが、いきなり抵抗軍のトップとして登場していないところにリアリズムを見ました。

 もうひとつ気に入った点は、プロトタイプターミネーターのマーカス・ライト(サム・ワーシントン)です。

 それが、抵抗軍の攻撃を受け、出てきたようです。改造されたまま15年間眠っていたマーカスはどんな改造をされたのか分からないまま、変わり果てた世界に戸惑いながら、カ-ルを助け、マシーンを倒し、大奮闘します。抵抗軍の基地でも、スカイネットの基地でも、迫力たっぷりのアクションを見せてくれます。その不死身ぶりは「T1」「T2」のシュワちゃんを彷彿とさせるものがあります。
 実はこのマーカスが主役なのでは、と思わせるほどの存在感で、明らかにジョン・コナーは喰われています。クリスチャン・ベールは「ダークナイト」に続いて残念ですが、この後「ザ・ファイター」で主役を喰って、気をはいているようです。

 以上のように、SF戦争アクション映画として、まあまあ良くできている「T4」ですが、気になるところもありますので、書かせていただきます。

 「審判の日」スカイネットは、核兵器を使い人類を抹殺しようとします。つまり、全世界で核兵器が爆発し、地上はめちゃくちゃに破壊され、放射能が蔓延したはずです。この映画では、めちゃくちゃに壊れた町や、砂漠のような風景は出てきますが、放射能の影響は全く見られません。生き残った人々は、人間狩りを繰り返しているマシーンにおびえながら、細々と隠れ住んでいるのですが、原爆症に苦しんでいる描写は全くありません。というか、出てくる人々はみな、普通よりたくましいというか、元気な人ばかりです。明らかに「審判の日」以降に生まれた子どもとかもいて、あろうことか、ジョンの妻ケイトは妊娠しているようです。(カールと行動を共にしているスターという女の子はどう考えても核攻撃から1,2年の間に生まれているはずです。)この人たちは放射能が空気中に蔓延していた間どこにいたのか、何を食べて生きてきたのか、全く考えられていません。どうもアメリカ人は核兵器の放射能の恐ろしさに無頓着な傾向にあります。

 それから、マシーンたちは人間たちを捕まえてトランスポーターで基地へ連れて行くのはなぜでしょう。スカイネットの目的は人類の抹殺ですよね、見つけたらすぐに殺せばいいんじゃないでしょうか。なぜ捕まえて連れて行くのでしょう。もしかして、人類に何本もコードをつないで、生きたまま眠らせて、夢を見させておいて、人体エネルギーを電気エネルギーに変えて自分たちの動力にしようとしているのでしょうか。(笑)でも、そのおかげで、カール・リースが助かったのですが。

 また、スカイネットはどうして、人型ターミネーターを作ろうとしているのでしょうか。この映画では、モトターミネーターなど、人型でないいろいろなマシーンが登場してきますが、人間を抹殺するのにわざわざ人型にする必要はないですよね。これは前3作に何とかしてつなげたいというつじつま合わせとしか思えません。まあでもしょうがないか。

 ということで、過去と未来がリング状につながる物語のミッシング・リンクとして重要な1本、「ターミネーター4」でした。この次の「T5」は、シュワちゃんも出演して、(知事は辞めたからね。)T-800とカール・リースを過去に送る話になるでしょう。期待しています。





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Last updated  2011.08.22 11:03:16 コメント(1) | コメントを書く


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