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2011.10.09
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カテゴリ: サスペンス


監督 ローランド・ジョフィ
主演 エリシャ・カスバート

 レンタルビデオ屋のサスペンスコーナーで、面白そうだな、と選んだこの映画、観てみて、やられたと思いました。

 売れっ子モデルのジェニファー(エリシャ・カスバート)が、誘拐監禁され、ひどい仕打ちを受けるという、最近ありがちなシチュエーションスリラーというやつかと思いきや、隣に、もうひとり監禁されている男がいて、という「おっ新展開か」と思いきや、オチばればれの残念な展開で、がっかり、といった内容です。

 前半、酸のシャワーを生きたまま顔に浴びせられて殺される女性の映像を見せられたり、人間の目玉や耳、内臓などを血でシェイクしたジュースを、漏斗をくわえさせられて無理やり飲まされたり、その筋の方が喜びそうな、えげつない映像が続き、なかなかやるなあと思いましたが、そこまででした。

 監禁部屋と隣の部屋との境目がなんと透明ガラスに塗料を塗ったもので、塗料の剥がれたところから光が漏れ、隣に、もうひとり監禁されていることがわかります。それがなんと、イチロー似の若いイケメン、聞くところによると、3日前からいるといいます。ガラス1枚隔たれているだけで、会話もできるほどなのに、今までまったく気がつかなかったという、思いっきり怪しい登場ですが、彼女は、100%信じてしまいます。監禁状態で、追い詰められているから、という考え方もできますが、彼女は五体満足で、拘束もされていません。彼女がダイコンなのもありますが、全く追い詰められた感じではないのです。
 ぼくも、このゲリーという男、ご覧になった多くの方が気づいたように、登場した瞬間に、「あ、こいつ犯人だ。」と思ってしまいました。まだ、映画の中ほどのことです。

 その後、彼女が箱に入れられ、砂を流しこまれるという責めを受けているとき、もう少しでスペースがなくなるというグッドタイミングで、彼が天井を破って登場します。あれ、監禁させられてたんじゃないのと思っていると、2人で逃げ出し、ガレージで車に乗り込み、扉をぶち破って走り出したとたん、もうひとつ部屋があって、止まらされ、ガスを流しこまれて、逃亡は失敗です。


 次は、2人並べて、ベッドに縛り付けられます。ここで、フードをかぶった犯人登場です。あれ、ゲリーは犯人じゃないのかと、思わせたいんでしょうが、僕は、ああ、もうひとりいるんだと思っただけでした。この時、ゲリーは初めて責められ、奥歯を無理やり抜かれたりするわけですが、流れる血の量が異様に多い、責めが非常に手ぬるいなど、不信感は思いっきり残ったままです。
 その後、あろうことか、2人一緒に、ひとつの部屋に戻すではありませんか。なんやそれ、って思っていると、またまた、あろうことか、2人はHを始めるではありませんか。そうか、そういうことか、彼女への責めが、どうも精神的なものばかりだと思っていたら、やりたかったんだ、きれいな体のまま。同じ監禁されている身として登場したのも、そういうことだったんだ、と納得しました。

 そして、なんとこの後、早くも種明かしです。もう、観ているみんなにばれているので、開き直ったのか、と思うほど、あっさりと種明かししてくれます。
 Hの後、眠っている彼女を残し、ひとりで自ら鍵をあけ、部屋から出て行くゲリー。この時、ベッドを後ろにして、彼の顔がアップになるところがあるのですが、全然だめです。猟奇的犯罪の犯人が分かる大事な場面です。ここは、彼のいっちゃてる顔をアップにすべきでしょう。彼の顔は真剣な冷たい顔をしていますが、猟奇的嗜好を持った、常軌を逸した、いわゆる”いってしまった顔”ではありません。きっと、彼の演技力ではできなかったのでしょう。残念です。
 ゲリーが上の階に上がっていくと、大男がいました。彼はゲリーの兄ベン。2人の共謀の犯行でした。2人は、これまでにも犯行を繰り返していたようで、しかも、ただの兄弟ではなく、怪しい関係のようです。
 しかし、ゲリーは、早く女を殺せ、と言われ、ベンをナイフで刺してしまいます。ゲリーはジェイミーに惚れてしまっていました。しかし、「この後どうするつもりだ、ゲリー。」と思っていると、その時、あまりにも唐突に現れる、ジェイミーを捜索する2人の刑事も殺してしまいます。
ますます「どうするつもりだ、ゲリー、お前ちゃんと考えて行動しているんだろうなあ。」と思っていると、なんと彼は、ジェイミーを助け出し、地下の監禁部屋から、上へ連れてきます。一応、死んでいる2人の刑事が犯人と思うように、2人の犯人を殺したと言ってはいますが、やはり彼は、ちゃんと考えていませんでした。
 そして、あろうことか、リビングに彼女をひとり残し、逃げ出した後、自分が犯人とは分からないように、証拠になるものを始末しに行ってしまいます。地下室でごそごそしている姿はTVに映っていますし、今までの犯行(彼らの思い出)アルバムは目につくところに残したままです。そのおかげで、ジェイミーは気付いてしまいます。この後、ちょっとハラハラさせる2人の対決がありますが、ゲリーは結局、ジェイミーに殺されてしまいます。

 やっぱり、ゲリーは何も考えていませんでした。今まで、冷静に犯行を繰り返して、うまくやってきたのに、ひとりのきれいな姉ちゃんに惚れてしまったおかげで、何もかもぶち壊しです。どうやら、猟奇的な嗜好で犯行をリードしてきたのは、兄ちゃんのベンの方のようです。いったい彼は、この後どうするつもりだったんでしょうか、うまくジェイミーに正体がばれなかったとして、2人で逃げたとしても、こんな一時の感情で生まれた恋愛関係なんて、直に破たんすることは、目に見えています。でも、ゲリーは家を捨てて逃げてきてしまったわけですから、帰るわけにはいきません。結局、彼女に捨てられた後は、別のところで、また似た様な犯行を繰り返すのでしょう、今度は、今までリードしてくれた兄ちゃんはいないのですが。

 事件の解決した後、ジェイミーが連続殺人犯になってしまう後日談が、最後に挿入されています。そのターゲットは、性犯罪を疑われたが、証拠不十分などの理由で罪に問われなかった男、つまり、いわゆる女の敵、と言われる男たちのようです。
 しかし、彼女、今回の事件で、そんな猟奇的犯行を続けるほど、追い詰められていたのでしょうか。確かに、それとは知らず、犯人とHをしてしまっていますが、そのやり方は、いたってノーマルなものです。やはり、猟奇的な犯罪を行う人というのは、いわゆる、”いってしまっている人”です。そこまで、追い詰められていたようには、見えませんでしたが。それとも彼女の演技力の問題ですか。


 もっと、「羊たちの沈黙」とか、「セブン」とか、「シャイニング」とか観て勉強してください。

 ところで、主演のきれいな姉ちゃん、ジャック・バウアーの娘だって、ちっとも知りませんでした。





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Last updated  2011.10.09 19:44:56 コメント(3) | コメントを書く


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