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2015.02.26
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カテゴリ: コメディ
清須会議1



監督・脚本・原作 三谷幸喜
出演 役所広司 大泉洋 小日向文世 佐藤浩市 鈴木京香 中谷美紀 剛力彩芽
   妻夫木聡 寺島進 坂東巳之助 伊勢谷友介 浅野忠信 でんでん 松山ケンイチ
   天海祐希 中村勘九郎 戸田恵子 梶原善 近藤芳正 西田敏行

 三谷幸喜監督の最新作です。本能寺の変後、山崎の戦で明智光秀が討たれた後、柴田勝家、羽柴秀吉ら五宿老が織田家の跡目を話し合った“清洲会議”の模様をコメディタッチで描いた、監督初の時代劇です。
 なお、舞台となっている清洲城のある土地は、古くから“清洲”“清須”どちらの表記もされている、当時尾張の国の首府(江戸時代になってから名古屋に遷府され、城も名古屋城の一部として移築されます。)だったところです。現在は愛知県“清須市”です。平成の大合併前は、愛知県西春日井郡“清洲町”でした。

 天正10年、本能寺の変で主君信長が討たれ、謀叛者明智光秀は、羽柴秀吉(大泉洋)が中心となり討ち果たしたが、信長の長男信忠(中村勘九郎)も命を落としたため、織田家の跡目を誰がとするかが問題となっていました。
 織田家の宿老筆頭である柴田勝家(役所広司)は、清須城で評定を開くため、五宿老を招集します。

 一方、勝家に対抗しようとする、謀叛者討伐の第一の功労者秀吉は、うつけ者と言われている次男信雄(妻夫木聡)を跡目に推挙しようと、軍師黒田官兵衛(寺島進)とともに、清須に乗り込んできます。

清須会議2

 いやあ、面白かったですね。歴史好きな僕としては、信長の跡目を決める“清洲会議”というものがあったという事実は知っていましたが、その場の宿老たちの腹の探り合い、コメディタッチに描かれていますが、秀吉の大物ぶりに周囲が納得させられていく周囲の様子が手に取るようにわかりました。まるで古畑任三郎のように人の心理を手玉に取る秀吉、さすがです。
 そして、その秀吉を演じている大泉洋、ぴったりでしたね。
 以前、彼の主演映画「探偵はBarにいる」を紹介したときに、「水曜どうでしょう」での彼のバカっぷりが強すぎて、知的な役が似合わない、ということを書きました。
 しかし、今回の役はお調子者の秀吉、彼の個性がぴったりはまって、その大袈裟な目立ちたがりぶりや、オ-バーアクション過ぎるリアクションが役にぴったりでした。信長の妹お市の方(鈴木京香)の下へあいさつに出向いた時、最愛の夫(浅井長政)と息子を殺された(もちろん兄信長の命ですが。)ことを恨んでいたお市に、お土産の香炉を窓から放られた時の表情は絶品でした。(というか、あれが彼のお得意のオーバーリアクションですが。)
 その表面のお調子者ぶりは素の彼のままで充分なので、実はその裏に計算があるという演技だけできればOKなので、楽だったかもしれませんね。というか、彼をキャスティングした三谷監督の手腕をほめるべきですかね。
 そうなんですよ、この映画、非常に個性的な登場人物たちが次から次へと登場してくるのですが、そのいちいちが見事なキャスティングなんですよね。
 無骨すぎて根回しなど全くできないが、お市の方に一途ぶりがうっとうしいおやじ殿柴田勝家、根回しできない勝家に代わり指示を出す知略家丹羽長秀、勝家の家臣ながら親友の秀吉との対立を思わしく思っていないくそまじめな男前田利家(浅野忠信)、聡明だがくそまじめで融通が利かない三男織田信孝、うつけ者と言われた父親のまねをしているとうそぶく根っからのうつけ者次男織田信勝、宿老に抜擢されたことはうれしく思いつつも、強がりばかりで優柔不断で意見が決められない池田恒興、勝家・秀吉の双方から思いを寄せられていることに気づきつつ、夫・息子の敵秀吉が憎いがため勝家を誘惑するお市、自他ともに認める変わり者で、立場をわきまえ傍観者に徹する信長の弟織田信包(伊勢谷友介、今年の大河「花燃ゆ」で吉田松陰、「龍馬伝」では高杉晋作でした。なんでこんなに変わり者が似合うんだろう。)、愛する夫がため、自らの立場をわきまえ夜毎の宴会の盛り上げ役に徹する秀吉の女房・寧(中谷美紀)、影の男にひたすら徹する黒田官兵衛、会議のホスト役に徹する男前田玄以(でんでん)、亡き父の遺言を守り武田の血を絶やさないため策を図る(どんな策かは秘密)武田信玄の娘で、信長の長男信忠の嫁松姫(剛力彩芽)などなど、いちいち役の性格や行動にぴったりのキャスティングで、みな見事に演じてくれています。
 やっぱりそれぞれの登場人物の役柄、性格をきちんと設定し、そこにぴったりの役者をキャスティングする、演出・脚本のうまさでしょうかね。さすが、TV・映画・舞台などで長いこと人気を博してきた人は違いますねえ。

清須会議3

 しかし、いつもの三谷映画の常として、チョイ役に主役級の人がチラッと出ているのはちょっと気になりましたね。前作の「ステキな金縛り」からの更科六兵衛(西田敏行)はお遊びとしても、松山ケンイチや天海祐希や中村勘九郎の登場は意味なかったと思いますね。戸田恵子、梶原善、近藤芳正など三谷映画の常連さんたちもチラッと出ていたみたいなんですけど、あまりにもチラッと過ぎて、どこに出てたかわからないほどです。あれですかね、撮影現場に遊びに来て、「どうせだから出ていかない?」と言われて、チラッとやったという感じですかね。まあ、いいけどね。(向島君こと小林隆さんは今回は出てないのね。)
 ところで、秀吉と寧がしゃべっている非常にワザとらしい名古屋弁、あれってあえてオーバーにやってるんですよね。何しろ尾張の中村郷(現代では名古屋市中村区、名駅の西側、大都会のど真ん中です。)の百姓の出ですから、バリバリの名古屋弁で話したであろうことは想像できますが、あそこまでではないでしょ。





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Last updated  2015.02.26 22:48:15
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