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クロサウルス
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2015.05.03
カテゴリ： SF
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 サンドラ・ブロック ジョージ・クルーニー
DVDを借りてきました。またまた久々なので、前々から観たかったこの映画を借りてきました。米アカデミー賞で監督賞をはじめ、７部門(主に技術系)を受賞し、興行的にも大ヒットしたＳＦヒューマンドラマです。
スペースシャトル“エクスプローラー号”にてハッブル宇宙望遠鏡の修理作業を行っていたライアン博士(サンドラ・ブロック)と、マット・コワルスキー飛行士(ジョージ・クルーニー)は、船内に避難するよう緊急連絡を受けます。ロシアが自国の衛星を破壊したところ、他の衛星も連鎖的に破壊され、高速で大量の宇宙ゴミとして拡散しているというのです。
ライアンらは作業を中断して退避しようとするが間に合わず、スペースシャトルが宇宙ゴミと衝突、ライアンとマットは宇宙空間に投げ出されてしまいます。
船外活動ユニットを装備していないライアンは錐揉み状態のうえ、現在位置を特定できなくなり、パニック状態だが、マットは的確な指示を出し続け、船外活動ユニットを駆使してライアンを自分の身体に固定することに成功します。
ヒューストンに無線で連絡するが、通信衛星も破壊されたようで、応答がありません。シャトルは、コクピットや居住区画も大破し、宇宙服を着用していなかった他の乗組員の遺体が無重力で漂っているような状況でした。
2人はシャトルをあきらめ、マットの船外活動ユニットを利用してISS(国際宇宙ステーション)に向かおうとするのですが………。
ほぼ全編が宇宙空間のこの映画、その無重力感と真空感が半端ないリアリティなんです。
たった２人(サンドラとジョージ)の登場人物は終始浮いていますし、ひとたび動き出すとどこまでも止まらないし、飛んできた破片がぶつかっても全く無音ですし、もちろん爆発しても火など出ません。(もちろんステーション内の火災は別ですよ。)宇宙ステーションの中にはいろいろなものが浮いていますし、サンドラの流す涙は水滴となって漂っています。
それから、その映像の斬新さと美しさですね。
サンドラのヘルメットの風防に映り込む映像や、固定された人物の周りでぐるぐる回る景色(つまり回っているのは人物の方です。)、そしてあらゆる場面で背景に見える青く輝く我らが地球、アカデミー賞の視覚効果賞・撮影賞の受賞は当然ですね。
そして、スペースシャトルが破壊され、人工衛星の破片が飛んでくるかもしれない、宇宙空間を漂う２人(まさに、やっさんが宇宙を目指すきっかけになった福引きの五等の下敷きに書いてあった”宇宙服は最小の宇宙船”の言葉にふさわしい展開ですね。)が、無事地球に帰還できるか、ハラハラドキドキのサスペンス、思わず引き込まれて見入ってしまいました。
ロシアの人工衛星爆破があまりにも無計画すぎるとか、ハッブル宇宙望遠鏡とISSの距離が近すぎるとか、2018年打ち上げ予定の中国の宇宙ステーション“天宮”と2011年に退役したはずのアメリカのスペースシャトルが同時にあるのはおかしいとか、宇宙服の中には“おむつ”をつけているはずだとか、ツッコミどころはいろいろとありますが、その徹底した映像美と無重力感に圧倒されて、どうでもいいと思ってしまったのは、ひそかに宇宙に憧れていた理系少年としては、ダメでしょうかね。
ということで、こういう映画こそ、映画館で３Dで観たかったなあ、とちょっと後悔している元理系少年でした。
ところで、以前「ソラリス」をこのブログで紹介したとき、ジョージ・クルーニーに宇宙服は似合わないようなことを書いたと思いますが、今回のマット役は、初宇宙のライアン博士を導くベテラン宇宙飛行士ということで、見るからに頼りがいのある彼でよかったのかなと思いますね。アイアンマンことロバート・ダウニーJr.でもいいけどね。(このマット役、最初は彼にオファーされたそうです。)
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