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「ネスト」
MUSANARAS
2014年 スペイン・フランス映画
監督 エステバン・ロエル ファンフェル・アンドレス
さて、 DVD を借りてきた時恒例の無名映画の紹介コーナーです。
今回は、パッケージの“「エスター」を凌ぐ衝撃のラスト”との謳い文句と、血まみれの女性のアップが目を引いた、この作品です。
妹を生んだ時に母が死に、代々長女が受け継ぐというネックレスを身に着けて、モンセは、妹を育ててきました。父は 14 年前に失踪していましたが、モンセは父の幻覚に悩まされ、玄関から一歩も外に出ることができない広場恐怖症で、数少ない顧客のドレスを仕立てて生活していました。
敬虔なクリスチャンのモンセは、美しく成長し、外に働きに出ている妹が、男性と親しくするのを極端に嫌がっていました。
妹の 18 歳の誕生日が過ぎた頃、アパートの上の階の住人カルロスが階段から落ちて、モンセに助けを求めてきました。モンセはカルロスを家に引き入れ、看病を始めます。
姉は危険だから早く出ていくよう促す妹に対して、モンセは医者まで呼んでくれた親切な人だと、カルロスは言います。
しかし、医者を呼んだというのはモンセのウソだったのです。
「エスター」では、最初主人公のエスターはかわいらしい聡明な美少女として画面に現れます。その美少女が物語が進むにつれて、徐々に異常性を見せていき、ラストに驚愕な正体が明らかになり、惨劇が起きるのです。
しかし、この話は、モンセは登場した瞬間から、瞳に異常な光を輝かせています。そして、妹への折檻の様子 ( 誕生日の夜に、家を追い出されて階段の踊り場で寝ることになるなんて、異常もいいところでしょ。 ) 、家の玄関から出れないこと、などなど、冒頭から異常性を示す行動を見せてくれます。だから、お父さんは 14 年前に失踪したと話に出てきた途端、それは失踪ではなく、お姉さんが○○したのかなと、推測できてしまいます。そして、クライマックスの惨劇も、やっぱりそう来たかと思ってしまい、全く衝撃の展開ではないんですね。大体が、パッケージの血まみれのアップからして、スプラッタな展開になるよ、と語っているわけで、ちっとも衝撃ではありません。
もしかして、ラストに明らかになる姉妹の秘密について、“衝撃”と言っているのでしょうか。でも、はっきり言って、その秘密 ( 一応語らないでおきますね。 ) 、在っても無くても関係ないですよね、最後の妹の行動には。
余計な謳い文句がついていたおかげで、ちょっとがっかりしてしまったのですが、なかなかなサスペンスなお話で
(
まあ、展開は読めましたが。
)
、なかなか楽しめる映画でしたよ。なんで、自らハードルを上げるようなことするんですかね。まあ、あの謳い文句がなかったら、今回僕も手に取りませんでしたけどね。ああ、そうかそれが狙いか。ということは僕はまんまと乗せられたということですか。なるほど。

ということで、 DVD 制作会社の策略にまんまと乗せられてしまった、というお話でしたが、まあまあ楽しめたので良しとしましょう。
あっ、もちろん、血が非常にたくさん流れる作品ですので、ご注意を。
そうそう、妹の名前、実は全く出てこないのでわかりません。途中で気が付いて、これはなんか意図があって隠しているなあ、と思ったんですが、それがもしかして最後に明らかになる“衝撃”なのかなあ、と思って観ていました。例えば、実は妹も実在していないとか。でも、違いました。きっと、最後の姉妹の秘密に関わっているんでしょうね。空振りしているけどね。
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